元
Body weight changes and incidence of cachexia after stroke
2019 1月 ドイツ
脳卒中患者の体重や栄養状態と その後の回復や死亡率との関連をしめす報告がいくつもある。
脳卒中患者の体重減少はめずらしくない。がんや腎臓病などの慢性疾患では悪液質(Cachexia)とよばれる代謝異常をともなう体重減少が観察されている。
脳卒中患者についての悪液質の研究はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。
平均年齢69、軽中程度の脳梗塞患者67人について、
急性期と12ヶ月後の体重および体組成を二重X線吸収法で測定した。
悪液質の条件として1年間に5%以上の体重減少とした。
次のことがわかった。
・12ヶ月後、63%は体重が増加または変わらずで、16%がやや減少、21%が悪液質と分類できた。
・悪液質グループでは、麻痺の有無によらず脂肪組織の19%と除脂肪組織の6.5%の減少が見られた。他のグループには除脂肪組織の減少は見られなかった。
・悪液質グループのバーセルインデックスおよび握力は低く、
・関連要因を調整すると、除脂肪組織の消耗がみられる患者の身体パフォーマンスはあきらかに低かった。
・悪液質グループでは12ヶ月後にもC反応性蛋白による全身性の炎症との関連がみられた。
脳梗塞患者の5人に1人が悪液質をしめしていた。彼らの身体能力はよくなかった、
というおはなし。
感想:
脳卒中を経験すると塩分へらせ、油へらせ、糖質減らせ、と極端な節制をもとめられる空気に包まれる。このあたりにも一因があるとおもう。