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2013年11月30日

効果の出るイメージトレーニングの方法とは


The addition of functional task-oriented mental practice to conventional physical therapy improves motor skills in daily functions after stroke.
2013  11月  ブラジル

課題志向型イメージトレーニングが脳卒中患者の機能回復に役立つものなのか実験してみたそうな。

発症後1年ほど経った慢性期脳卒中患者9人について、
通常のリハビリとイメージトレーニングの組み合わせの効果を、施す順番を工夫して調べた。

イメージトレーニングは、静かな部屋で日常生活の個々の具体的な動作を一人称視点で なんども繰り返し想像する方法で、
1回30分×週3回×4週間=12セッション行った。


次のようになった。

・通常のリハビリのみの直後は、あまり改善しなかった。

・通常リハビリ+イメージトレーニングのあとは手の機能、歩行機能共に著しい改善があった。

・その後、通常のリハビリのみに戻しても効果は持続していた。


通常のリハビリに課題志向型のイメージトレーニングを組み合わせることで手足の機能改善が促されることがわかった、


というおはなし。


写真:イメージトレーニング


発症後1ヶ月間はのんびりしてってください


Changes in Activity Levels in the First Month after Stroke.
2013  6月  オーストラリア

脳卒中入院患者の発症から1ヶ月間の身体活動レベルを調べてみたそうな。


脳卒中患者に加速度センサーを付けて1日の活動状況を記録した。
発症後15日以内のある日と、4週間後の計2日ぶんのデータを取り比較、解析した。


次のようになった。

・63-85歳の16人の患者が対象となった。

・神経症状別の患者内訳は、軽症56%、中程度31%、重症13%だった。

・移動回数や活動時間、寝ている時間、座っている時間に変化はなかった。


急性期脳卒中患者の身体活動レベルは低く、最初の1ヶ月間ではほとんど変化はないことがわかった


というおはなし。



感想:

たしかに最初の1ヶ月間は足も手もほとんど うごかなかった。

その一方で 移動活動をとても制限されている時期でもあって、トイレに行くにも毎回 看護師を呼ばないとキツイお叱りを受ける状況だった。

だから早期リハビリがイイといってもすぐには結果は出せないので、まぁ のんびりしてってください、と思う。

2013年11月29日

脳の深部を刺激するHコイルで失語症のrTMSやってみた


Excitatory Deep Transcranial Magnetic Stimulation With H-Coil Over the Right Homologous Broca's Region Improves Naming in Chronic Post-stroke Aphasia.
2013  11月  イタリア

脳卒中失語症患者の右脳の役割をrTMSで調べてみたそうな。


5人の脳卒中失語症患者について、右脳半球のブローカ野を含む下前頭回にrTMSを施した。
刺激は深部へ届くH-coilを用いた。
rTMS周波数は、促進:10Hz, 抑制:1Hz ,偽刺激をそれぞれ時期を分けて行った。


次のようになった。

・10Hz刺激の時のみ命名課題のスコアが著しく向上した。

・1Hz、偽刺激では改善効果はほとんどなかった。


右脳の下前頭回を刺激する深部rTMSの1セッションで脳卒中失語症患者の命名課題スコアが大きく改善した。この結果は 左脳損傷患者にとっての右脳の重要性を示唆している、


というおはなし。




感想:

従来型の8の字コイルが表面から1cm程度しか届かないのに対し、Hコイルでは同じ電力で3cmくらいまでOK。



2013年11月28日

片麻痺でも自動車運転はできるのか?


Comparison of foot pedal reaction time among patients with right or left hemiplegia and able-bodied controls.
2013  11月  カナダ

脳卒中のあとの自動車運転の再開は患者のみならず医療関係者にとっても関心事である。
そこで自動車のフットペダルへの反応時間の違いを実際に調べてみたそうな。


右または左片麻痺の脳卒中患者20人と健常人10人について、次の3つの状況でのフットペダル操作の反応時間(反応するまでの時間と動作に要する時間)を計測、比較した。

*通常位置のアクセル、ブレーキを右足で操作する。

*通常位置のアクセル、ブレーキを左足で操作する。

*左寄りに設置したアクセル、ブレーキを左足で操作する。


次のようになった。

・健常者は反応するまでの時間が全ての状況において右、左片麻痺患者より短かった。

・同様に、健常者は動作に要する時間も右片麻痺患者より短かったが、

・右足操作に限定すると左片麻痺患者のそれは健常者と同レベルだった。

・右足操作の場合、左片麻痺患者のトータルの反応時間は健常者のそれと同レベルだった。


左片麻痺患者が右足でペダル操作する場合、その反応時間は健常者と同等だった。一方、右片麻痺患者ではどちらの足で操作しても反応時間は非常に長くなった、


というおはなし。

写真:フットペダル


感想:

ペダル位置を改造しても、やっぱ利き足じゃないと難しいのかね。

2013年11月27日

脳卒中後の性機能障害について


Sexual dysfunction in Nigerian stroke survivors.
2013  9月  ナイジェリア

脳卒中経験者の性機能障害について調べてみたそうな。


77人の脳卒中経験者(男性66人、女性17人)にアンケート調査した結果、


次のようになった。

・平均年齢は55、そのほとんど(95%)が性機能障害を報告していた。

・70%以上が性欲の減退、性交頻度の低下であり、

・60%以上で勃起、射精、オーガスムに問題を抱えていた。

・勃起不全者の多くは そうでない者に比べ非常に高齢だった。

・ウツやQOLが性機能障害に影響を与えていた。


ナイジェリアの脳卒中経験者にとって性機能障害はごくあたりまえのことだった。その多くは心理的要因によるものと考えられた、


というおはなし。

写真:ナイジェリア人



感想:

ナイジェリアは人口爆発起きてるし、きっと日常性活レベルが高いんだろな...


2013年11月26日

膝のテーピングと片麻痺リハビリについて


The Effects of Taping Prior to PNF Treatment on Lower Extremity Proprioception of Hemiplegic Patients.
2013  9月  韓国

脳卒中片麻痺患者へのテーピング効果を調べてみたそうな。


30人の脳卒中片麻痺患者について、次の2グループに分けた。

*固有受容性神経筋促通法(PNF)+キネシオテーピング

*神経発達学的治療(NDT) のみ

4週間の治療の後、膝の角度、バランス、歩行機能について測定、比較した。


次のようになった。

・テーピンググループではリハビリ前後でバランス、歩行機能が著しく改善した。

・足首の背屈、バランス、歩行機能に両グループで大きな差が見られた。


リハビリの前に膝にテーピングをすると回復がはかどるかもしれない、


というおはなし。




感想:

これって、比較実験になってるのかな?


2013年11月25日

日本の理学療法士はどういう根拠に基づいて仕事をしているのか?


Are Contents of Physical Therapy in Nine Japanese Hospitals for Inpatients with Stroke Related to Inpatients' and Physical Therapists' Characteristics?
2013  6月  日本

日本の理学療法士が普段いったいなにをやっているのかはよくわかっていない。
そこで彼らの脳卒中患者向けの活動内容を詳細に調べてみたそうな。


9施設85人の理学療法士に脳卒中患者(216人)向けのリハビリセッション内容を5分刻みで自己申告してもらった。
この結果と患者の医療データとの関連を解析した。


次のようになった。

・歩行や移動訓練に費やした時間と患者の機能回復程度とは強い関連があった。

・リハビリ時間の多くは姿勢チェックや準備作業に費やされ、患者の実動時間は非常に少なかった。

・それらの時間配分に患者の状態はあまり反映していなかった。

・施術内容と療法士の経験年数との関連も弱かった。


脳卒中患者向けのリハビリ内容と、患者の状態や療法士の経験との間にはほとんど関連が見られなかった。現場の理学療法がいったいどういう根拠に基いて行われているのかますますわからなくなってきた、

というおはなし。
図:理学療法士


感想:

とても興味深く読んだ。
リハビリ病院に入ってもちっとも良くならない理由

2013年11月24日

肥満患者は回復も早いのか?


Favorable Functional Recovery in Overweight Ischemic Stroke Survivors: Findings from the China National Stroke Registry.
2013  11月  中国

ボディマス指数(BMI)と脳卒中死亡率が相反する関係にあることは肥満パラドックスとして知られている。
そこで、脳卒中後の機能回復とBMIとの関連について調べてみたそうな。


10905人の脳梗塞患者について、BMIと発症3ヶ月時点での機能回復状態との関連を解析したところ、


次のようになった。
・ modified Rankin Scaleが0-1に相当する機能回復が非常に良好な者の割合は、

*低体重(BMI<18.5)  →52.4%
*標準体重(BMI=18.5-22.9)→55.0%
*過体重(BMI=23-27.4)→61.0%
*肥満(BMI=27.5-32.4)→59.2%
*重度肥満(BMI>32.5)→60.3%  だった。

・一方、死亡率は順に、14.9、7.8、7.1、7.2、11.5で、重度肥満では高かった。


脳卒中患者での肥満パラドックスは、機能回復についても同様であることがわかった。ただし肥満も過ぎるとその限りではなさそう...


というおはなし。

写真:肥満

2013年11月23日

3ヶ月後、経口摂取できる患者の割合と傾向


Temporal trends in oral intake ability 3 months after acute ischaemic stroke: Analysis of a single-centre database from 2003 to 2011.
2013  11月  日本

脳卒中の3ヶ月後に経口摂取できる者の割合と この9年間の傾向について調べてみたそうな。


2003-2011に済生会熊本病院に入院した脳梗塞患者の医療データを解析した。
ただし もともと状態の悪かった者や亡くなった者のデータは除外した。


次のようになった。

・2913人の患者のうち、発症3ヶ月時点で経口摂取できた者の割合は92%だった。

・この割合は調査期間を通して著しい増加傾向にあった。

・この傾向は年齢、性別、他のリスク要因に関わらず顕著だった。


この10年ほどで、脳梗塞患者が発症3ヶ月後に経口摂取出来ている割合は大きく増加した、


というおはなし。

図:経口摂取の割合傾向

2013年11月22日

HONDAが歩行アシスト装置の臨床試験を開始! なぜかシカゴで


Honda Walking Assist Device begins US testing at Rehabilitation Institute of Chicago
2013  11月  アメリカ

ホンダがシカゴのリハビリテーション病院で歩行アシストロボット装置の脳卒中患者への臨床試験を開始したそうな。

この装置は重さ約3kg、1回の充電で1時間使用できる。
写真:ホンダ歩行アシスト

アシモテクノロジーがついに役立つ時がきた、

というおはなし。

詳しくは、
*ニュースリリース

*使い方動画多数 →坂も階段もスイスイ


感想:

HALとはなんだったのか...

2013年11月21日

肩の痛みの原因がわかったかもしれない


Muscle Pain Intensity and Pressure Pain Threshold Changes in Different Periods of Stroke Patients.
2013  11月  台湾

脳卒中のあとの筋肉の痛みの特徴を調べてみたそうな。


平均年齢62、145人の脳卒中患者について発症からの時期別に3ヶ月、1年前.後にグループ分けした。肩や腕の筋肉の圧痛点を決めて、その痛み強度、閾値を測定比較した。


次のようになった。

・発症後3ヶ月以内がもっとも筋肉の自発痛強度が高く、さらに圧痛にも敏感で、

・48%が麻痺側に中程度から重度の痛みを感じていた。

・自発痛は健常側よりも麻痺側で激しかった。

・しかし、その圧痛閾値には両側で明らかな違いはなかった。


脳卒中患者では 麻痺側の筋肉の自発的な痛みは珍しいものではなかった。その圧痛閾値変化の左右対称性から、これは中枢感覚メカニズムに由来するものと考えられた、


というおはなし。

図:肩の痛み


感想:

なぜか肩の筋肉が痛かった。

はんぱなく痛かった。

退院後、素人に説明してもだれも真に受けてくれなかった。

1年以内にほぼ消えた。


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