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2019年3月16日

脳波筋電図コヒーレンスの皮質分布


Cortico-Muscular Coherence Is Reduced Acutely Post-stroke and Increases Bilaterally During Motor Recovery- A Pilot Study
2019  2月  ドイツ

脳卒中後の運動機能の回復はダメージを受けた脳の機能を他の部分が引き継ぐことによりすすむと考えられる。

脳皮質の活動EEGと筋肉の電気活動EMGとの同期の程度である脳波筋電図コヒーレンス(Cortico-Muscular Coherence:CMC)は脳卒中のあとに低下することが知られていて、運動機能回復の指標にできると期待されている。

さらにブレインコンピュータインターフェイス(BCI)をつかったリハビリテーションではターゲットとなる脳皮質の位置を知るためにCMC解析が必要になる。

そこで脳卒中患者について運動機能の回復と脳皮質の位置ごとのCMCとの関連を長期にしらべてみたそうな。


脳卒中で左脳損傷の4人と右脳損傷1人および健常者7人について、

発症から10日後、7週間後、11ヶ月後の手首の運動機能とCMCを評価したところ、



次のようになった。

・βバンド(12-30Hz)にCMCが観察され、運動機能の回復にしたがい高くなっていった。

・さらに運動野上の患者のCMCは健常者のそれよりも高かった。

・皮質上の高CMC領域の分布もことなり、健常者にくらべ両側にひろく患者ごとにその分布はおおきく異なっていた。

脳波筋電図コヒーレンスは脳卒中患者の運動機能回復のバイオマーカーとして期待できる、


というおはなし。

図:脳波筋電図コヒーレンス


感想:

運動機能が回復したからコヒーレントなのであって、コヒーレントにしようとしてなるものではないとおもうんだよね。
脳波筋電コヒーレンスでなにがわかるのよ

2019年3月15日

脳卒中であらたに視覚異常になる割合


High incidence and prevalence of visual problems after acute stroke- An epidemiology study with implications for service delivery
2019  3月  イギリス

脳卒中経験者のおおくになんらかの視覚異常がみられることがよく知られている。

しかしこれまでの調査のほとんどは発症から検査までの時間がバラバラで脳卒中によりあらたに生じた視覚異常との区別もあいまいだった。

そこで急性脳卒中患者の視覚検査をきっちりとおこない有病率をしらべてみたそうな。


3つの病院の急性脳卒中での入院患者1295人について調べたところ、



次のことがわかった。

・このうち20.2%は退院済みなどの理由で視覚検査ができず、1033人が検査を完遂した。

・フルの視覚検査にようした日数は4日前後だった。

・もともと視覚に問題のあった者を除くと、あらたに視覚異常を示した者は入院時に48%、2週間後には60%だった。

・けっきょく全体の73%がなんらかの視覚の異常を示し、

・内訳はおおい順に、視力低下、眼球運動異常、視野欠損、視覚不注意 で、

・27%の患者の視覚は正常だった。

急性脳卒中のあとに発生した視覚異常はおおく 患者の半数を超えていた、


というおはなし。

図:視力検査


感想:

退院のあと半年以上たって免許センターで運転適正検査をすませた。そして運転再開した直後に「ぜんぜん見えん、、!」とびっくりして メガネやに飛び込んだ。
脳卒中まえは1.5を下回ったことがなかった視力が0.4になっていた。

この間、病院も免許センターも視力検査はなかった。10年もまえのことだけど やばくね?

2019年3月14日

短下肢装具を与えると転倒3倍


The effect of ankle-foot orthoses on fall-near fall incidence in patients with (sub-)acute stroke- A randomized controlled trial
2019  3月  オランダ

入院中に転倒を経験する脳卒中患者は14-65%、退院後6ヶ月間の転倒は37-73%という。

これは年間1.3-6.5回の転倒頻度に相当し、一般高齢者の0.65回をおおきく上回る。

短下肢装具はつま先のクリアランスを確保しかかと着地を促す。短下肢装具によって転倒を防ぐ効果が期待できるがくわしい調査はまだない。

そこでランダム化比較試験を試みたそうな。



急性期の脳卒中で片麻痺の患者33人をすぐに短下肢装具を与える早期グループ16人と9週間後から与える遅延グループ17人にわけた。

1-8週、さらに9-52週目まで転倒の有無をフォローしたところ、



次のようになった。
・1-8週では、短下肢装具を早期に与えられたグループで転倒があきらかにおおく 11回 vs. 4回で、頻度は2.9倍だった。

・さらに 転倒した早期グループのうち63.6%は装具を着けていないとき(移乗や立ち上がり)に転倒していた。

・転倒しそこねたケースは 1-8週、9-52週でグループ間に差はなかった。

・骨折を含む重症を負ったケースは6件あった。

早期に短下肢装具を与えられた患者グループで転倒回数があきらかにおおかった。しかも彼らの63.6%は装具を着けていないときに転倒していた、


というおはなし。

図:短下肢装具と転倒回数


感想:

急性期は自発的な回復が起こっている真っ最中(比例回復則)なわけで、そんなタイミングに足首の固定をこころみるのはおかしい。

また 早い時期に物々しい装具を与えることは「じぶんはもうまともに歩けないんだ」という意識を強化して歩行への自信を失わせるだけである。だから装具を着けてもいないのに転ぶ。

これ↓とおなじ。
脳卒中リハビリは害!? 骨折しやすくなることが判明


そもそも装具を急ぐ理由はなさそうだ。
下肢装具をやめてしまう理由

短下肢装具を始めるに適した時期は、、

短下肢装具は使ったほうがいいの?

2019年3月13日

日本人の労働時間と脳卒中


Working Hours and Risk of Acute Myocardial Infarction and Stroke Among Middle-Aged Japanese Men
2019  3月  日本

欧米人を対象としたさいきんのメタアナリシスでは労働時間が長くなると冠動脈疾患や脳卒中のリスクが高くなることがわかっている。

日本人の労働時間と心血管疾患をしらべた研究はほとんどなくサンプル数も少ない。

そこで、多目的コホート研究(JPHCコホートII)のデータをつかってくわしくしらべてみたそうな。



40-59歳の男性15277人を1993年から約20年間フォローしたところ、



次のことがわかった。

・この間に212の心筋梗塞と745の脳卒中があった。

・1日の労働時間が7-9時間にくらべ11時間以上になると心筋梗塞リスクが1.63倍、脳卒中リスクは0.83倍となった。

・この長時間労働と心筋梗塞との関連は 年齢の高いサラリーマンでさらに顕著だった。
中年日本人男性については労働時間がながくなると心筋梗塞のリスクが高くなった、


というおはなし。

図:残業



感想:

とくに脳出血ではリスク0.64倍で長時間労働は予防効果すら期待できるようだ。

昨日の管理職ピロリ菌仮説もそうだけど 日本人は仕事のストレスがつよそうなグループほどなぜか脳卒中リスクが低い。

心筋梗塞と脳卒中とで真逆の結果になった理由として著者は 日本人には心筋梗塞とおなじメカニズムのアテローム性動脈硬化による血栓塞栓性の脳梗塞が欧米人の半分くらいしかいないから、と言ってる。

脳卒中になりやすい労働時間がわかった ランセット誌

2019年3月12日

日本人の管理職も脳卒中リスクは低い?


Occupational Class and Risk of Cardiovascular Disease Incidence in Japan- Nationwide, Multicenter, Hospital-Based Case-Control Study
2019  3月  日本

欧米の研究では管理職や専門職といった仕事の階級が高い者の心血管疾患(冠動脈疾患、脳卒中)リスクは低いという報告がいくつもある。

これとおなじ傾向が サービス残業のために「名ばかり管理職」にされストレスで酒とタバコに溺れる日本人においても確認できるものか大規模にしらべてみたそうな。


1984-2016 複数の病院の入院患者110万人あまりの記録を解析した。

ブルーカラー産業、サービス産業、ホワイトカラー産業のそれぞれについて、
ブルーカラー産業の一番下のクラスの労働者にたいする各産業の管理職、専門職の心血管疾患リスクを評価したところ、



次のことがわかった。

・喫煙や飲酒で調整してなお、高いクラスの仕事(管理職、専門職)に就いている者ほど冠動脈疾患リスクが高かった。

・この傾向はどの産業にも共通していたが、とくにサービス産業で顕著だった。

・いっぽう、この傾向を相殺するかのように脳卒中については高いクラスの仕事に就いている者ほどリスクは低かった。

高いクラスの仕事に就いているほど心血管疾患リスクが低いという傾向は日本人にはあてはまらず、彼らの冠動脈疾患リスクは底辺労働者よりも高かった、


というおはなし。

図:職業クラスと脳卒中リスク



感想:

冠動脈疾患と脳卒中で真逆の結果がでた理由として著者はピロリ菌を挙げている。

ピロリ菌は日本人の70%がもっていて、とくに貧乏人におおく感染し 彼らは脳卒中リスクが高い。貧乏人は高クラスの仕事には就かないから相対的にこうなる、って言ってる。

さすがお医者さまだわ、、

で結局、ピロリ菌があると脳卒中的にはどうなの?

2019年3月11日

安静時fMRIでみたTIA脳の異常


The Local Brain Abnormalities in Patients With Transient Ischemic Attack- A Resting-State fMRI Study
2019  1月  中国

TIA(一過性脳虚血発作)は症状が一時的ではあるがのちの認知症リスクは4倍で、3分の1はなんらかの認知障害を経験するという。TIAのあと脳の萎縮や血液還流の低下が報告されているが脳機能に与えるくわしいメカニズムはわかっていない。

安静時の脳機能MRI(rs-fMRI)は患者にタスクを課すことなくただ寝かせておくだけで脳機能をしらべることができる方法として期待されている。

これまでrs-fMRIについて数々の解析方法(FC,graph theory,ICAなど)が提唱されているが、

fMRI信号の低周波成分(0.01-0.08Hz)のゆらぎのおおきさを示すALFF(amplitude of low frequency fluctuation)および

同期するボクセルの拡がりを示すReHo(regional homogeneity)、

ネットワーク全体での重要性のDC(degree centrality)、
の3つの指標が近年ちゅうもくされている。

そこでTIA患者について ALFF, ReHo, DC を健常者との比較として評価してみたそうな。



平均年齢41、TIA患者48人と健常者41人について安静時 全脳のfMRIデータおよび血液 血圧検査をおこない、比較 解析したところ、



次のことがわかった。

・自発的神経活動を反映するALFFは健常者にくらべTIA患者の左中側頭回であきらかな低下を示し、

・DCもまた右の下前頭回の三角部で低下していた。

・ReHoにグループ間で差はなかった。

・これらの局所異常と血液血圧検査結果との関連はなかった。

TIA患者の安静時fMRIから、ALFFとDCの局所的な低下を確認することができた。病気メカニズムの理解に役立つかもしれない、


というおはなし。

図:ALFF TIA患者


感想:

脳の安静時ネットワークにはデフォルトモードネットワークのほかいろんな種類があって 脳はいろいろといそがしいようだ。ぼーっとしていてもお腹がすく理由はこれかな。

脳卒中後うつのfALFF解析

2019年3月10日

軽い脳卒中でも脳が縮む?


Longitudinal Brain Atrophy Rates in Transient Ischemic Attack and Minor Ischemic Stroke Patients and Cognitive Profiles
2019  2月  カナダ

TIAのあとおよそ3分の1の患者はなんらかの認知障害をしめす。しかしそのメカニズムはわかっておらず 隠れた梗塞があるわけでもない。

アルツハイマー病などの研究では認知障害まえの脳体積の減少が報告されている。

そこで、TIAや軽い脳卒中患者での脳の萎縮と認知障害との関連をくわしくしらべてみたそうな。



TIAや軽い脳卒中の患者80人と健常者70人について、全脳のMRIを3年ほどの期間をあけて複数回撮り、認知機能もしらべた。

脳萎縮率を自動評価するソフトウェア(Structural Image Evaluation using Normalization of Atrophy:SIENA)を用いて関連を解析したところ、



次のようになった。

・TIAや軽い脳卒中の患者はこの3年間に 健常者にくらべてあきらかな高レベルの脳萎縮を示した。

・糖尿病が脳の高萎縮の予測因子だった。

・脳の高萎縮と認知機能の情報処理スピードは関連をしめしたが 記憶力や実行機能との関連はみとめられなかった。

TIAや軽い脳卒中の経験者は認知機能に障害がでる以前に あきらかに高い脳の萎縮をしめしていた、


というおはなし。

図:脳萎縮


感想:

TIAですら数年でわかるほど脳が縮むのなら10年経ったじぶんはどうなってんのよ、、、とおもった。

2019年3月9日

nature.com:ラクナ梗塞の再発予防法「酒を飲む」


Recurrence Rate and Relevant Associated Factors of Stroke among Patients with Small Artery Occlusion in Northern China
2019  2月  中国

小動脈閉塞(Small Artery Occlusion=ラクナ梗塞)はヨーロッパでは脳梗塞の20%を、中国では31.3%を占めている。

小動脈閉塞の再発率と関連要因をあきらかにするべく大規模な調査をおこなってみたそうな。



2005-2014の小動脈閉塞の患者2524人について、3、12、36ヶ月後までフォローしたところ、



次のことがわかった。

・再発した者の率はそれぞれ、3ヶ月後3.1%、12ヶ月後、12.7%、36ヶ月後36.5%だった。

・3ヶ月時点では 男性、高齢、重症患者で再発リスクが高かった。

・12ヶ月時点では、C反応性蛋白レベルの上昇が再発リスクと関連があったが、

・飲酒習慣のある者の再発リスクは飲酒習慣の無い者にくらべ39%低かった。

・36ヶ月時点では、高血圧、心房細動、肥満もまた再発リスクだった。

小動脈閉塞の再発要因は年齢、性別、高血圧、心房細動、肥満、C反応性蛋白の上昇だったが、飲酒習慣だけは再発リスクの低下に関連していた、



というおはなし。

図:ラクナ梗塞の再発リスクとアルコール


感想:

今回の結果を励みにして好きなだけ飲むといい。じぶんはのまんけど。

2019年3月8日

左脳をやられると勃起不全


Positive Correlation between Left Hemisphere Lesion and Erectile Dysfunction in Post-Stroke Patients
2019  2月  インドネシア

インドネシアでは脳卒中は死亡と身体障害の原因の1位である。

さらに脳卒中の日常生活への影響、とくに性生活についての報告はほとんどない。他の国の研究では勃起不全(Erectile Dysfunction)がおおく報告されているがそのメカニズムはよくわかっていない。

脳の損傷位置と勃起不全との関連についても、副交感神経に影響する左脳の損傷でおきるとする説や右脳や大脳基底核、小脳、損傷位置は関係ないとする説などさまざまである。

そこで、脳の左右脳半球の損傷と勃起不全との関連をくわしくしらべてみたそうな。


脳卒中の発症から6ヶ月以上で、結婚して妻と暮らしている40-59歳の男性74人について調査したところ、



次のことがわかった。

・患者うちわけは、左脳損傷35人、右脳損傷39人で、勃起不全あり38人、勃起不全なし36人だった。

・弱いながらも統計学的有意に左脳損傷と勃起不全に関連が認められた。

左脳損傷の脳卒中男性にはあきらかに勃起不全がおおかった、


というおはなし。

図:勃起障害と左右脳半球ダメージ


感想:

疲労や無気力アパシー系のそれと共通で 損傷位置とはあまり関係ないような気がする。
脳のここをやられると勃起不全になる

脳梗塞の位置と勃起不全(ED) について

2019年3月7日

Brain誌:半側空間無視のシータバーストと比例回復則


Theta burst stimulation in neglect after stroke- functional outcome and response variability origins
2019  2月  スイス

脳卒中で半側空間無視の患者の、過活動状態にある健常側の脳半球のはたらきを磁気刺激などの非侵襲的な方法で抑えると 無視症状が緩和されるという報告がいくつかある。

ただしこの効果はすべての患者にあてはまるものではなく個人差がおおきい。

そこで、健常脳を抑制する条件と、効果があらわれる個人の特徴をくわしくしらべてみたそうな。



亜急性期の右脳の脳卒中で、左の半側空間無視の患者30人と無視症状のない30人について、

右脳の後頭頂葉に連続シータバースト磁気刺激をあたえた。

適した刺激量をさぐるため、1バーストトレイン44秒の磁気刺激を4日間で計8トレインまたは16トレイン、偽刺激 の3グループにわけて実験した。

無視症状と日常生活動作ADL、機能的自立度FIMを3ヶ月後までフォローした。

損傷の位置と拡がりを画像ボクセル解析VLMSでしらべた。

また比例回復則(proportional recovery rule)で予想される回復程度(~70%)とも比較した。



次のようになった。

・全体としてシータバースト刺激グループ(8と16トレイン)で無視症状のあきらかな低下が見られ、効果が3ヶ月以上持続して、

・彼らは身体機能の回復もすぐれていた。

・個人レベルではシータバーストの効果が見られない者は脳梁の、とくに背側注意ネットワークのある後頭頂葉に損傷がおよんでいた。

・シータバーストにより無視症状と機能的自立度があきらかに改善した者の脳梁構造は無傷に保たれていた。

・さらに比例回復則から予測されるADLと無視症状の回復幅はシータバーストにより大きくなっていた。

無視症状のある脳卒中患者で左右脳半球の結合が保たれている場合は、健常脳への連続シータバースト刺激により無視症状はおおきく改善する


というおはなし。

図:脳梁の健全性


感想:

比例回復則はリハビリの有無にかかわらず 運動機能や無視 失語について 機能低下したぶんの70%が数ヶ月間で自発的に回復するという経験則をさす。これに従うものをFitter、はずれる者をnon-Fitterと呼ぶ。

シータバーストにより non-FitterがFitterになるわけではなく、70%の期待回復度が100%ちかくになるようだ。


でもこんな↓はなしもあるからうのみにはできない。
半球間抑制のアンバランスは片麻痺の原因ではなかった

2019年3月6日

脳卒中経験者の肥満の自覚と減量成果


Self-Reported Body Weight Changes, Perceptions, and Weight Loss Techniques among Stroke Survivors
2019  2月  アメリカ

脳卒中で障害をもつと不活発な生活になり体重が増えることが考えられる。実際、脳卒中経験者の過体重 肥満率は一般人の1.2倍という。

体重がおおいとリハビリの効果があがらない、死亡率が高いなどとされるいっぽう、かえって再発や心血管死亡リスクが下がり保護効果があるとする「肥満パラドックス」も報告されている。

これらはある時点での体重のみに着目しているので、脳卒中経験者の体重がどのように移り変わってきているのか大規模にしらべてみたそうな。



米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey: NHANES)の2011-2014のデータから50歳以上の脳卒中経験者387人、非経験者5085人を抽出した。

25歳時点での体重、現在もしくは脳卒中発症時点から10年前、1年前の体重をアンケート調査したところ、



次のことがわかった。

・脳卒中経験者の54%は脳卒中のあとにもっとも体重がおおくなった。

・脳卒中経験者 非経験者ともに70%が過体重か肥満だった。

・脳卒中経験者の24%のみが体重を減らそうとしていた。非経験者では35%が減量を試みた。

・そして過去1年間にいずれのグループも10-15%のみが5%以上の減量を達成できていた。

・おもな減量方法は、食事を減らす、運動、フルーツや野菜をおおく摂る、だった。

脳卒中経験者のおおくは脳卒中のあと体重がさらに増え、その後減量を試みた者のほとんどが失敗していた、


というおはなし。

図:脳卒中経験者の肥満


感想:

ちまたの健康情報にまどわされずゴーイングマイウェイな姿勢に好感。
Stroke誌:脳卒中でなお太ろうとする肥満の率
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