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Worldwide Incidence of Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage According to Region, Time Period, Blood Pressure, and Smoking Prevalence in the Population: A Systematic Review and Meta-analysis
2019 1月 ドイツ
くも膜下出血は脳卒中の5%を占め、半数は55歳未満、3分の1は数週間以内に死亡する。
くも膜下出血の発生率は年間10万人あたりおよそ9人で、これは地域や性別、年齢によっておおきくことなる。その理由がわかれば予防にも活かせる。
そこで、世界のくも膜下出血発生率のこれまでの推移をくわしくしらべてみたそうな。
関連する研究論文を厳選してデータを統合 再解析したところ、
次のことがわかった。
・32カ国の患者8176人を含む75の研究がみつかった。
・45-54歳の男性にくらべ、75歳以上の女性の相対リスクは日本人で2.5倍、ヨーロッパ人1.5倍だった。
・世界全体での発生率は1980年に10.2人(10万人年あたり)、2010年には6.1人であり、年間1.7%ペースで低下している。
・同じ期間の地域別での発生率の「低下ぶん」は、ヨーロッパ40.6%、アジア46.2%、北アメリカ14.0%に対し、
・日本だけ 発生率が59.1%「上昇」していた。
・全体的に、収縮期血圧が1mmHg低下すると発生率が7.1%低下し、喫煙率が1%低下すると発生率が2.4%低下した。
くも膜下出血の発生率は全体の血圧や喫煙率の低下に伴ってさがっている傾向にあり、その程度は地域によりおおきく異なった。日本だけ発生率が激しく上昇している理由は不明、
というおはなし。
感想:
日本だけ増えている理由は、たぶんこう↓。
脳卒中の早期受診をうながすキャンペーンと、日本の突出したCT設置数、および皆保険制度によって、見逃されていた軽度のくも膜下出血が容易に見つかり治療(手術)対象とされるようになったってこと。
Stroke誌:くも膜下出血発生率 じつは10倍以上?