元
Executive function subdomains are associated with poststroke functional outcome and permanent institutionalization
2018 11月 フィンランド
脳卒中患者の認知機能の低下はじつにありふれていて、とくに実行機能(遂行機能)の障害は問題で、身体が順調に回復できた患者であっても34%が実行機能に障害を持つという報告がある。
実行機能はいくつもの認知機能が関わる前頭葉の高度なはたらきを指すと考えられていて、単一のテストでは評価することはできない。
たとえば、Trail making test は処理速度、Wisconsin card sorting test は注意切り替えと戦略立案、Stroop testは行動抑制、Verbal fluency test は想起検索、に関係するとされ実行機能の評価に用いられる。
そこで実行機能を構成するサブドメインのうち脳卒中患者の機能回復度と関係のふかい要素をみつけるべく くわしくしらべてみたそうな。
脳卒中患者62人について、
発症後3ヶ月と15ヶ月時点での実行機能に関連する7種類のテストをおこない、
生活自立度 mRS, IADLおよび その後の施設送りの有無との関連を解析して
健常者39人の結果と比較したところ、
次のことがわかった。
・脳卒中患者は複数の認知機能テストで健常者よりもスコアが低かった。
・行動抑制、注意切り替え、想起検索、戦略立案、処理速度の各項目は患者の生活自立度スコアと相関があった。
・行動抑制、注意切り替え、処理速度は機能回復度と関連が強く、
・とくに 行動抑制力の低さは施設送りとの関連が強かった。
実行機能は脳卒中患者の機能障害と強く関連していた。とくに行動抑制力が低いばあい早くに施設送りになりやすかった、
というおはなし。
感想:
行動抑制はストループテストで、たとえば
青←の色を問われて「あお」と言いたいところをぐっとこらえて「あか」と答える能力。
これができないと 家族にうとまれ施設に入れられてしまうということか。