元
Effect of Cerebellar Stimulation on Gait and Balance Recovery in Patients With Hemiparetic Stroke- A Randomized Clinical Trial
2018 11月 イタリア
脳卒中患者の歩行リハビリを促すあきらかに有効な方法はいまだ存在していない。
近年、動物実験で小脳への刺激が歩行能力の改善につながることが示されている。
また人のfMRIで麻痺側の小脳の活動と歩行の改善度が正の相関をもつことがわかってきた。
そこで脳卒中患者の小脳に、rTMSの一種でシナプスの長期増強をもたらすとされる間欠的シータバースト磁気刺激(iTBS)を与えたときの歩行能力の変化をくわしくしらべてみたそうな。
中大脳動脈域の脳卒中で慢性期の片麻痺患者34人について、
損傷脳半球と対側の小脳へiTBSを3週間継続した。
偽刺激グループにはコイルを90度傾けて対応した。
さらに3週間後までバランスや歩行能力、皮質活動をフォローしたところ、
次のようになった。
・リアル刺激グループで、バランス能力を示すBBSスコアが 34.5→43.4→47.5とおおきく改善した。
・運動機能(FMA)や生活自立度(BI)には変化はなかった。
・麻痺していない足の横方向への歩幅があきらかに減少した。
・後頭葉の活動が高くなった。
小脳への間欠的シータバースト磁気刺激で脳卒中片麻痺患者のバランス能力と歩行パラメータが改善した、
というおはなし。
感想:
15年ほど前に じぶんの右手の指をうごかしたときのfMRI(←動画)。右の小脳がおおきく反応していて「こういうものなのか、、」とおもった。
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