元
Functional network connectivity is altered in patients with upper limb somatosensory impairments in the acute phase post stroke: A cross-sectional study.
2018 10月 ベルギー
脳は安静時であっても非常に低周期の活動をしている。これをMRIの信号強度の変化として観測することができ、部位ごとの周期活動への同期性からデフォルトモードネットワークや背側注意ネットワークなどが分類されている。
脳卒中患者の機能障害とこれらネットワーク的なつながりとの関連が報告されているが、体性感覚障害のそれについては報告がきわめて少ないのでくわしくしらべてみたそうな。
脳卒中の急性期で上肢に体性感覚障害のある患者19人について、
感覚障害を複数の指標、light touch, pressure, pinprick, sharp-dull discrimination, stereognosis, two point discrimination, perceptual thresh-hold of touch,
で測定した。
また、MRIで安静時のBOLDシグナル観測を行い、
脳半球間、脳半球内での機能的結合性との関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・重度の体性感覚障害の患者は軽度患者にくらべ、脳半球間および損傷脳半球内での機能的結合性があきらかに低かった。
・特に触覚しきい値と軽い接触、立体認知との関連がつよかった。
感覚麻痺のつよい脳卒中患者ほど、脳半球間および損傷脳半球内での体性感覚関連の機能的結合性が低かった、
というおはなし。
感想:
fMRIのFunctional network connectivity は
データ取得がひじょうに簡単で、
職人的読影能力が必要とされないいっぽう、
AIと相性がよさそうな点でこんごに期待している。