元
Association of Low Urinary Sodium Excretion With Increased Risk of Stroke
2018 9月 オランダ
ナトリウム摂取量がふえると血圧は高くなる。とくに1日8g以上のナトリウム(食塩20g相当)では心血管疾患および死亡率があきらかに高い。
それゆえに減塩によって心血管疾患リスクを下げることができると考えられてきた。
しかしナトリウムが1日3g(食塩7.6g相当)を下回るとかえって心血管疾患リスクが高くなるとする報告がさいきんあとを絶たない。
それらの調査では食塩摂取量を食事アンケートや一時的な尿サンプルから推定しているケースが少なくない。
そこで "正確な" 食塩摂取量を得るための複数回の24時間蓄尿測定と、脳卒中との関連に限定して大規模にしらべてみたそうな。
心血管疾患のない25-75歳の7330人について、
計3回ぶんの24時間の蓄尿サンプルをとり1日のナトリウム摂取量を推定し、
脳卒中の発生を12.5年間フォローして関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・調査開始時の1日のナトリウム摂取量の中央値は137mmol(食塩8g相当)だった。
・この間に183件の脳卒中がおきた。
・1日に尿中へ排泄される全ナトリウム量と脳卒中リスクは逆相関にあった。(下図)
・年齢、性別、体重、血圧、ライフスタイルなどで調整してもこの関連は変わらなかった。
食塩摂取量が少ない人の脳卒中リスクは非常に高かった、
というおはなし。
感想:
薄味の料理を我慢して減塩に努めてきた結果が「効果なし」ならまだしも、「かえって危険だった」というのだから目も当てられない。
ふつうな食事なら減塩する必要はまったくないってこと。
うわさではなくすでにエビデンスが↓多数
ランセット誌:食塩は13gまでオッケー 脳卒中的に
ランセット誌:塩分減らすとかえって脳卒中になる
JAMA誌:減塩に真面目な人ほど脳卒中で死亡する
JAMA誌:塩分を控えさせるほど脳卒中死亡者が増える