元
Cerebral ischemia and deterioration with lower blood pressure target in intracerebral hemorrhage
2018 8月 アメリカ
脳内出血患者のおおくは血圧が上昇した状態で入院してくる。急性期の彼らへの降圧治療の目標血圧値にこれまであきらかな根拠はなかった。
また彼らには出血部位から離れた位置で梗塞が起こることがあり 降圧治療との関連が指摘されてきた。
脳出血患者への降圧治療の臨床試験INTERACT-2の結果をうけ、2014年に目標収縮期血圧をこれまでの160から140mmHgに変更した。
この前後1年間の治療結果から急性期の脳内出血患者への降圧目標値とあらたな梗塞の発生との関連をしらべてみたそうな。
2013Jan.-2014Dec.の脳内出血患者119人について目標収縮期血圧べつに、
グループ1:160mmHgの62人
グループ2:140mmHgの57人
にわけた。
24-72時間の血圧とディフュージョンMRIによる急性梗塞検査との関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・24時間の平均血圧は134 vs143 mm Hgでグループ2が低かった。
・72時間の最低血圧も106 vs 112 mm Hgでグループ2が低かった。
・急性脳梗塞は32% vs 16%でグループ2におおく、
・急性の神経機能低下も19% vs 5%でグループ2におおかった。
・72時間内の最低収縮期血圧が120以下になった患者で急性脳梗塞とあきらかな相関があり、
・130以上あった場合には脳梗塞は起きなかった。
・急性脳梗塞が起きると目標血圧にかかわらず退院時の神経症状はかなり悪かった。
急性期脳内出血患者の収縮期血圧を140mmHgを目標に下げる場合、勢い余って120未満にしてしまうと脳梗塞をおこしやすくなることがわかった、
というおはなし。
感想:
これは急性期のはなしだけど、慢性期でも背景はおなじとおもう。
脳のすみずみに血を巡らすために高めの血圧が必要なひとたちがいる。
彼らが薬で血圧を下げるほど 頭は働かなくなりやがて脳は壊死する。