元
Hospital case-volume is associated with case-fatality after aneurysmal subarachnoid hemorrhage
2018 7月 オランダ
年間に扱う脳卒中患者数がおおい病院ほど死亡率が低いという報告はすくなくない。
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血についても同様の報告があるいっぽう 否定する報告もある。
これを確認するべく多施設間で大規模に検証してみたそうな。
ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアにある計22の三次医療センターについて、
くも膜下出血でクリッピングまたはコイリングを行った年間の患者数ごとに次の3つに分類した。
Low:年間41件未満、 Intermediate:41-70件、 High:70件より大、
これと14日後の死亡率との関連を解析したところ、
次のようになった。
・2263人がLowで、3563人がIntermediate、2599人がHighの病院で治療をうけた。いずれも規模のおおきな三次医療センターであったが、年間のくも膜下出血の手術件数がおおいほど死亡率は著しく下がった、
・14日後の死亡率は、Low病院で10.4%、Intermediate病院で7.0%、High病院で5.4%だった。
・クリッピングの場合Low病院とくらべたときの死亡リスクはIntemediate病院で0.46倍、High病院で0.42倍、
・コイリングではIntermediate病院で0.77倍、High病院で0.56倍だった。
というおはなし。
感想:
ようするに設備や病院としての専門性のもんだいではなくて、ただただ場数を踏んだ医師個人の「慣れ」におおきく依存しているってこと。
だからこれらは「安全な手術」では決してない。
さらにはその必要性すらうたがわしい。
理由↓
1) 再出血予防のクリッピング手術のRCTは存在しない。(by ガイドライン)
2) 入院が遅れるほど死亡率は劇的に下がる。
3) もっとも再出血しやすい24時間以内の手術にまったく効果がない。