元
Is the proportional recovery rule applicable to the lower limb after a first-ever ischemic stroke?
2018 1月 オランダ
脳卒中のあと6ヶ月間の神経障害からの回復は単に時間の問題であり、回復はほとんどすべて自然に起こるという報告がいくつもある。しかしこのしくみについてはよくわかっていない。
その回復ぶんは上肢、半側空間無視、失語で共通していて、脳卒中で低下した機能スコアの60-97%の回復が期待でき、"proportional recovery rule"(比例回復則)とよばれる。
この比例回復則が上肢機能に適合しない患者は、半側空間無視にも適合しないことから神経障害に共通した自発的回復メカニズムがあることをうかがわせる。
そこでほとんど検証されていない下肢機能の比例回復則の有無と適合者(Fitter)および非適合者(non-Fitter)を見分ける特徴とその条件が上肢機能にもあてはまるものか確かめてみたそうな。
脳梗塞患者202人について、発症後72時間以内と6ヶ月後に下肢機能(FMA-LE)および上肢機能(FMA-UE)を評価した。
発症直後の下肢機能から比例回復則で予測される機能回復を果たした適合者と予測から外れた非適合者の特徴をしらべた。
次のようになった。
・87%の患者の下肢機能が比例回復則にしたがっていた。
・その回復は機能低下ぶんの64%だった。
・発症直後のFMA-LEスコアが14ポイント以上のすべての患者は比例回復則に適合していた。
・しかし14ポイント未満であっても78人のうち51人が比例回復則に適合していた。
・非適合者は適合者よりも初期の神経症状が重かった。
・下肢機能の比例回復則に適合しなかったすべての患者は上肢機能の比例回復則にも適合しなかった。
比例回復則への適合度は患者ごとに下肢と上肢で一貫しているようにみえた。適合者を見分ける方法が確立すればリハビリ計画におおきく役立つだろう、
というおはなし。
感想:
昨年の報告でも下肢のFitter率は非常に高い。
Stroke誌:下肢運動機能の比例回復則からわかることつまり重症患者を除くと、歩行訓練はやってもやらなくても ほとんど全員が自然と歩けるようになるということ。
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