元
A Study of the Brain Abnormalities of Post-Stroke Depression in Frontal Lobe Lesion.
2017 10月 中国
脳卒中後のうつ症状は患者の30-60%に見られリハビリの大きなさまたげになる。
そのメカニズムはいまだよくわかっていない。いくつかのネットワーク仮説が提唱されてきたがいずれの研究も病変位置がさまざまな患者をひとまとめにして評価していた。
今回、もっともよくあるタイプの前頭葉脳卒中のうつ患者に限定して、
脳の各部分の体積変化を評価するvoxel-based morphometry (VBM)と
安静時脳機能MRI(rs-fMRI)から脳の部位間の同期的機能結合(FC)を評価する方法を
組み合わせてしらべてみたそうな。
前頭葉に梗塞のある脳卒中患者30人について
うつ程度を評価するテストと
MRIの解剖画像および安静時のBOLD画像を撮影して関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・うつ患者の前頭前皮質と辺縁系、運動皮質の灰白質体積が減少していた。
・前帯状皮質を起点にしたとき、前頭前皮質、帯状皮質、運動皮質との機能結合は低下し、海馬回、海馬傍回、島皮質、扁桃体との機能結合は増加していた。
・病変のある側の脳半球は活動が低下していた。
脳卒中後うつ患者では前頭前野から辺縁系にかけてのネットワークのはたらきが気分に影響していた。さらに運動皮質やデフォルトモードネットワークもまきこんだネットワークも脳卒中後うつに影響していると考えられた、
というおはなし。
感想:
そんなことだろうと思っていたよ。
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