元
Predictive accuracy of physicians' estimates of outcome after severe stroke.
2017 9月 オランダ
脳卒中患者の半数以上が2年内に死亡または重度の障害を抱える。
また 院内で死亡するケースのおおくは医師が延命治療を引き揚げたあとに起きる。それゆえ終末期の判断には患者の正確な回復度の予測が必要となる。
そこで発症後間もない重症脳卒中患者の 医師による予後の精度を検証してみたそうな。
くも膜下出血を除く 脳梗塞または脳内出血の発症4日時点での重症患者(BI<6/20)について、
複数医師による6ヶ月後の死亡、生活自立度、QoLの予測と、
じっさいの6ヶ月後のフォロー結果を比較したところ、
次のようになった。
・平均年齢72、60人(脳梗塞30人)の患者を対象とした。
・6ヶ月時点で30人の患者が死亡した。
・生き残った30人のうち1人は死亡すると予想されていた。
・死亡予測された15人のうち14人はほんとうに死亡した。
・回復不良(mRS>3)と予測された46人のうち4人は回復良好だった。
・QoL低予測の8人中5人およびQoL高予測の18人中14人はそのとおりになった。
重症脳卒中患者の担当医師たちによる6ヶ月後の死亡 回復不良予測は正確ではなかった。QoLにいたってはもっと不正確だった、
というおはなし。
感想:
上の図の青棒と赤棒がハズレ。死亡予測ですら半数を外している。
実は回復しそうな患者には悪しめの予測(上図の赤棒)が告げられる。これをセルフハンディキャッピングという。