元
Post-ischemic stroke rehabilitation is associated with a higher risk of fractures in older women: A population-based cohort study.
2017 4月 台湾
脳卒中を経験すると骨折のリスクが2倍になるという。そのおおくはバランス能力の低下が原因の転倒によるもので 大腿骨頸部や脊椎、上腕を骨折する。
これまで脳卒中後のリハビリと骨折との長期的関連を調査した研究はほとんどないので大規模にしらべてみたそうな。
台湾の国民健康保健データベースから2000-2012の脳梗塞患者8384人の記録を抽出した。
このうち半数は1ヶ月以内に脳卒中リハビリを開始し、残りの半数は1年間リハビリをまったく受けなかったケースを選んだ。
1年間の骨折事例との関連を さらに年齢別、男女別に解析したところ、
次のことがわかった。
・リハビリを受けたグループの骨折率は関連要因を考慮に入れてなお あきらかに高く、年間100人あたり6.2人で、
・リハビリ無しのグループでは4.1人だった。
・特に65歳以上の高齢女性で脳卒中リハビリ後の骨折リスクが1.62倍だった。
脳卒中後のリハビリを受けた高齢女性の骨折リスクはあきらかに高かった、
というおはなし。
感想:
身体活動がかっぱつになったぶん転びやすくなるのかも...という能天気な推測が書いてある。
じぶんの経験にてらすとむしろ逆で、たぶんこういう↓こと。
入院したばかりで麻痺がいちばんキツイ時期の高齢者をベッドから引きずり出し、
「あなたはこんなにも歩けなくなったけど、いまから一生懸命にがんばれば元のように歩けるようになりますよ」と言い聞かせる。
幾多の人生の苦難を乗り越え ようやく先の見えてきた女性高齢者に「このひどい状況から再び努力で這い上がれ」と告げることは 彼女を絶望の淵に突き落とし歩行能力への自信を完全に失わせるに十分である。
そして歩行への恐怖のあまり たわいないきっかけで転び骨折するようになる。
ところが現実は、
・
早期にリハビリを開始しても患者メリットはないし、(←リンク)
・
努力して訓練を重ねても回復が進むわけでもない、(←リンク)
・
しかもリハビリしなくても治るひとは勝手に治る、(←リンク)
ことが数々の研究で "明らか" になっている。
だから病院で脳卒中リハビリを "受けない" ことを選択した患者は
ゆったりと入院生活を楽しみ 自らの治癒力で努力なしに回復できるので、
歩行能力への自信を失うこともなく その後の転倒や骨折が少ない。