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2016年3月26日

牛肉 豚肉 この量までなら脳卒中的にOK


Red Meat Consumption and the Risk of Stroke: A Dose-Response Meta-analysis of Prospective Cohort Studies.
2016  2月  中国

赤肉(鶏肉や魚肉以外、牛や豚肉)の摂取量と脳卒中との関連については諸説ある。

そこで これまでの研究をまとめてみたそうな。


関連する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者2百万人、脳卒中2万1千件を含む7つの研究が見つかった。

・赤肉トータルの摂取量と脳卒中全体、脳梗塞、脳虚血発作は関連があった。

・加工した赤肉の摂取量と脳梗塞に明らかな関連があった。

・非加工の赤肉は脳虚血発作と明らかな関連があった。

・脳出血はどの種類の赤肉とも関連がなかった。

・脳卒中リスクが有意に高くなる摂取量の閾値は、赤肉トータルでは50g/日、加工肉では0g/日、非加工肉では70g/日以上だった。

赤肉 特に加工肉の摂取量が多いほど脳卒中リスクは高くなる、


というおはなし。

写真:加工肉

感想:

少なくとも脳出血リスクは増えない ってことなんだよな。

2016年3月25日

結局、tDCSって脳卒中にいいの?


Transcranial direct current stimulation (tDCS) for improving activities of daily living, and physical and cognitive functioning, in people after stroke.
2016  3月  ドイツ

脳卒中患者へのtDCS(経頭蓋直流電気刺激)は 脳に働きかけリハビリに効果的で安全な方法である、という報告は少なくない。

ほんとうのところはどうなのか これまでの研究をきっちりと調べてみたそうな。コクランレビュー。


tDCSの日常生活動作への効果に関連する過去の研究成果を分類し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者748人を含む32の研究がみつかった。

・日常生活動作の評価として 396人を含む9の研究、269人を含む6の研究があったが標準化平均差SMDはそれぞれ0.24, 0.31だった。

・上肢機能の評価として 431人を含む12の研究、187人を含む4の研究があったが、いずれも効果を示す証拠は無かった。

・筋力評価に関するものは 313人を含む10の研究、156人を含む3の研究があったが、いずれも効果を示す証拠は無かった。

・26%の研究で 被検者の脱落、有害事象、死亡が報告されていた。

脳卒中患者へのtDCSが日常生活動作を改善する効果については極めて低レベルのエビデンスしかなく 特に上肢機能に関する効果はまったく確認できなかった、


というおはなし。

図:tDCS 経頭蓋直流電気刺激

感想:

頭に乾電池の電極を貼り付けるだけで障害が治ってしまうほど単純であって欲しくない 人間の身体は。

2016年3月24日

耳への電気刺激で脳が回復するという根拠について


Auricular vagus nerve stimulation promotes functional recovery and enhances the post-ischemic angiogenic response in an ischemia/ reperfusion rat model.
2016  3月  中国

迷走神経への電気刺激は1997年よりてんかん治療に用いられており、損傷した脳神経の回復効果も報告されている。

耳介を走行する迷走神経への電気刺激が 脳梗塞の回復に影響するものか調べてみたそうな。


人為的に右脳を虚血にしたネズミの左耳にパルス状の電気刺激を1回1時間x1日2回x3週間行った。

運動機能、梗塞の体積、脳組織サンプルを分析したところ、


次のことがわかった。

・偽刺激グループに比べ 迷走神経刺激グループの梗塞体積は明らかに小さく、

・運動機能も大きく改善した。

・梗塞周囲の虚血領域での細血管密度が上がり、

・神経成長を促す複数のタンパク質も増えていた。

耳介の迷走神経への繰り返し電気刺激には運動機能改善効果、神経保護効果、血管新生を促す効果があった、


というおはなし。

図:迷走神経刺激と脳梗塞体積


感想:

迷走神経は耳介の裏側と穴の壁を走行している。耳かきが気持ちいい理由だとか。

低周波治療器の電極は脚や肩に貼るよりも 損傷脳と反対側の耳に貼り付けた方が効果的なんじゃないかな、、、、

2016年3月23日

日本人が脳卒中で死なないための食事がわかった


Quality of diet and mortality among Japanese men and women: Japan Public Health Center based prospective study
2016  3月  日本

食事と脳血管疾患リスクとの関連を大規模に調べてみたそうな。


日本全国の男女79600人について生活習慣および食事調査をし 15年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・食事をバランス良く摂っている人は総死亡、循環器疾患死亡、脳血管疾患死亡のリスクが低かった。

・特に、肉、魚、卵、大豆をしっかり摂れている人ほど脳血管疾患死亡リスクが低かった。

バランスの良い食事を心がけている人は脳血管疾患で死亡するリスクが明らかに低かった、


というおはなし。

図:脳血管疾患死亡率


感想:

詳しくは国立がん研究センターの記事で↓
食事バランスガイド遵守と死亡との関連について

2016年3月22日

磁気刺激が脳卒中の神経ネットワークに与えるえいきょう


Shaping Early Reorganization of Neural Networks Promotes Motor Function after Stroke.
2016  3月  ドイツ

脳卒中患者への磁気刺激治療が脳活動にどう影響するのか調べてみたそうな。


発症から16日以内、手に麻痺のある脳卒中患者26人について1回45分の理学療法訓練を5日間行った。

各訓練の直前に5分間のシータバースト磁気刺激を 損傷脳側の運動野に与えた。
比較グループではつむじのあたりを刺激した。

直前、直後、3ヶ月後までの各段階での手の機能、安静時の脳機能MRIを測定したところ、


次のことがわかった。

・運動野へ刺激を受けたグループで握力が明らかに強くなった。

・運動ネットワーク結合度と手の機能回復には関連があり、

・特に比較グループで両半球間および半球内の結合性が低下した。これは運動野刺激グループには見られなかった。

脳卒中患者への理学療法訓練の直前にシータバースト磁気刺激を追加することで運動ネットワークの質の低下を食い止めたのかもしれない、


というおはなし。

図:結合度変化iTBSによる


感想:

最近ネットワーク評価おおい。たぶんデータ取得が異常に簡単で あとはソフトウェアの力だけで表現の自由度の高いグラフィカルな結果が得られるとこがウケてるんだと思う。
ディフュージョンテンソル描画も同じで、、、

2016年3月21日

片麻痺の安静代謝率からわかること


Reduced Resting Metabolic Rate in Adults with Hemiparetic Chronic Stroke.
2015  12月  アメリカ

安静代謝率は1日のエネルギー消費のもっとも大きな割合を占め、脂肪を除く組織に由来することから肥満や筋萎縮の目安になる。

慢性期脳卒中で片麻痺の安静代謝率を調べてみたそうな。


45-80歳 平均年齢61、発症後9年前後の脳卒中経験者39人について、X線検査で脚の組成(脂肪や筋肉量)を測定した。

間接熱量測定を行い安静代謝率を求めた。


次のことがわかった。

・身長、体重、性別から推定される安静代謝率に比べ脳卒中経験者のそれは14%低かった。(1438 vs. 1669 kcal/日)

・安静代謝率は年齢や発症からの期間によらなかったが、

・麻痺脚、非麻痺脚の筋肉の各体積と 安静代謝率がよく相関していた。

脳卒中のあと 筋肉量の減少により 安静代謝率が低下していた、


というおはなし。

図:安静代謝率の実際

感想:

筋肉落ちないようスクワットは毎日やってるで。

2016年3月20日

飽和脂肪酸は脳卒中予防になるの?


Can dietary saturated fat be beneficial in prevention of stroke risk? A meta-analysis
2016  3月  中国

食事から摂る飽和脂肪酸と脳卒中との関連について過去の研究をまとめてみたそうな。


関連する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・47万人の被験者、1万1千人の脳卒中患者を含む15の研究がみつかった。

・飽和脂肪酸の摂取量が多いほど脳卒中リスクは低かった。

・この関連は特に 東アジア人、1日に25g未満、男性、BMI24未満で顕著だった。

飽和脂肪酸を多く摂るほど脳卒中リスクは低下した。これには人種、性別、肥満度が影響し、摂ってよい量には上限があるようだった、


というおはなし。

図:飽和脂肪酸と脳梗塞リスク

感想:

脳出血だけじゃなく脳梗塞予防にもなるんだよね。

これ↓思い出した
【ラクナ梗塞予防】日本人は飽和脂肪酸をたくさん摂るべし

2016年3月19日

脳梗塞でコレステロールを下げるとやがて再発 要介護


Low total cholesterol level is the independent predictor of poor outcomes in patients with acute ischemic stroke: a hospital-based prospective study.
2016  3月  中国

脳梗塞患者のコレステロールが低い場合の長期的な回復度について 大規模に調べてみたそうな。


アテローム血栓性脳梗塞の患者6407人について入院時の総コレステロール値と3,12,36ヶ月後の回復度との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・19.6%がコレステロールが低いグループ(157mg/dl未満)で、これは男性に多かった。

・コレステロールが低いグループには高齢、前頭部梗塞、心房細動、喫煙、飲酒、糖尿病、肥満の者が多かった。

・36ヶ月後に要介護または再発した患者はコレステロール低いグループで明らかに多かった。

・この関連は年齢、性別、重症度を考慮に入れても変わらなかった。

・ただし 死亡率と脳卒中後のコレステロール値との有意な関連はなかった。

アテローム血栓性脳梗塞患者がスタチン治療でコレステロールを下げると やがて要介護状態や再発を引き起こすかもしれない、


というおはなし。

図:総コレステロール値


感想:

総コレステロール値157って低めだけど異常ではないよな。

アテローム性の梗塞になった人は 当然のごとくコレステロール下げることに血道になってるだろうし 笑い事じゃないよね、、、、
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに

2016年3月18日

下肢のミラーセラピーをfMRIで観察してみた


The neuronal correlates of mirror therapy: a functional magnetic resonance imaging study on mirror-induced visual illusions of ankle movements.
2016  3月  中国

脳卒中患者へのミラーセラピーは効果的であるとされているが そのメカニズムはよくわかっていない。

そこで下肢のミラーセラピーを脳機能MRIで調べてみたそうな。


健常者5人と左片麻痺の脳卒中患者5人について、

右足首の屈伸運動の鏡像が左足に重なるよう設定し、鏡の有無で脳の活動状況がどう変化するか実験したところ、


次のことがわかった。

・鏡像ありの場合、健常者では両側の運動野に強い活動があった。

・脳卒中患者の場合も同様に、損傷脳側の運動野、後頭部、前頭前部の脳皮質にも明らかな活動を確認した。

足首のミラーセラピーが脳卒中患者の損傷脳側の感覚運動野の活動を促した、


というおはなし。

写真:下肢のミラーセラピー


感想:

ホントかな?と思って原文みたんだけど図貼り間違えてるとしか思えないんだよな、、、

[ミラーセラピー 下肢]の関連記事

2016年3月17日

なんとか復職しても仕事は続けられるのだろうか?


Self-rated health and return to work after first-time stroke.
2016  3月  デンマーク

脳卒中のあとの主観的な健康度と復職との関連、および その後の仕事の継続状況を調べてみたそうな。


60歳未満の脳卒中患者590人について、発症後3ヶ月時点での健康度を自己評価してもらい1年後、2年後の復職状況との関連を解析した。


次のことがわかった。

・3ヶ月時点での主観的健康度と1年後 2年後の復職状況は強く関連していた。

・1年後、 50%は復職または求職しながら自活しており、11%は完全退職、39%は療養中だった。

・2年後、 48%が自活(復職or求職中)しており、36%が完全退職、16%が療養中だった。

・3ヶ月時点で療養中だった者の30%は 1年後、2年後には仕事ができるようになっていた。

・3ヶ月時点で復職できていた者の91%は1年後も自活していた。

脳卒中後、仕事ができるようになって自活している者は50%に過ぎなかった。3ヶ月時点での主観的健康度が1-2年後の復職状況に強く関連していた、


というおはなし。

写真:職場復帰

感想:

仕事から完全に退く人が1年間で11%→36%ってことは、差の25% つまり4人に1人は復職できたとしても1年持たない ってことなんだよな。

2016年3月16日

笑いの脳卒中予防効果と 笑い療法士とは


Laughter is the Best Medicine? A Cross-Sectional Study of Cardiovascular Disease Among Older Japanese Adults.
2016  3月  日本

日々の笑いの頻度と高齢者の脳卒中との関連を調べてみたそうな。


65歳以上の日本人男女2万人あまりにライフスタイルや身体の状態についてアンケート調査した結果を解析したところ、


次のことがわかった。

・毎日笑う人に比べ ほとんど笑うことのない人の脳卒中の有病率は1.60倍で、

・心臓疾患では1.21倍だった。

毎日笑うことのある高齢者は脳卒中や心臓疾患がすくなかった、


というおはなし。



感想:

数日前やたらニュースになって記者会見まであったので関心をもった。

ようするに病気の人はあまり笑わないってことなんだろけど、

たとえ病気になっても「笑い療法士」がいるから安心。(←動画リンク)

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