~ 5000超の記事をシンプルな単語で検索するよ!

2015年5月28日

軽い脳卒中でいつまでもリハビリ病院にいると社会復帰できなくなる


Length of Stay at Inpatient Rehabilitation Facility and Stroke Patient Outcomes.
2015  5月  アメリカ

脳卒中患者がリハビリ病院にいる日数と回復度との関連を調べてみたそうな。


2009-2011の患者データベースから脳卒中の重症度別に計4781人分の記録を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・リハビリ病院への平均入院日数は、軽症8.9日、中等症13.9日、重症22.2日間だった。

・入院日数が長くなると、中等症では認知機能がやや回復し、

・重症患者では認知、運動機能の改善と社会復帰が促された。

・一方、軽症患者にとっては入院日数が増えるほど運動機能の回復度は低く、社会復帰も遅れた。


リハビリ病院への入院日数と回復度との関連は脳卒中の重症度により異なる。長期の入院は症状の重い患者には有効だが、軽症患者にとっては回復の妨げになる、


というおはなし。

リハビリ

感想:

入院日数がとても短く感じる。アメリカは医療費の請求額すごいらしいから 重症でもすぐに退院したくなるんだろな。

2015年5月27日

脳のここをやられると上肢が痙縮する


Lesion Characteristics of Individuals With Upper Limb Spasticity After Stroke.
2015  5月  カナダ

脳卒中のあと上肢に痙縮を起こした患者の脳損傷位置と範囲を調べてみたそうな。


痙縮のある51人を含む計97人の脳卒中患者について 脳の断層画像から損傷位置と範囲を特定し、痙縮の有無、重症度との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・「被殻」に損傷のある患者で痙縮がもっとも多かった。

・損傷部位の体積が大きいほど痙縮も重くなった。


脳卒中後の上肢痙縮に関連のありそうな脳の部位を特定できた、


というおはなし。
被殻<被殻>

感想:

被殻出血だったので関心を持った。

2015年5月26日

片麻痺の自動車運転にスピンナーノブを勧める理由


Muscle activation of drivers with hemiplegia caused by stroke while driving using a steering wheel or knob.
2015  4月  韓国

片麻痺の自動車運転で、スピンナーノブを使用したときの筋肉の働きを健常者と比較してみたそうな。


脳卒中で左側片麻痺の5人と、体格の似た4人の健常者について、

*ステアリングを直接操作して右左折
*スピンナーノブを使っての右左折

を右手のみで行った。

その際、右腕の三角筋、二頭筋、上腕三頭筋の筋電図を測定し比較したところ、


次のことがわかった。

・健常者グループではステアリングとスピンナーノブ使用時で右左折時ともに、筋肉活動に明らかな差はなかった。

・片麻痺グループの左折時、ステアリングまたはスピンナーノブの使用で筋肉活動に差はなかったが、

・右折時はステアリングとスピンナーノブ使用で筋肉活動に差が生じた。

・上腕三頭筋に限定すると、片麻痺患者の右折時は スピンナーノブのほうが明らかに筋肉活動が低かった。

・さらに片麻痺患者の右折時の上腕三頭筋の筋肉活動は、健常者のそれよりも有意に低かった。


脳卒中経験者がスピンナーノブを利用すると、ステアリングホイールを直接操作するよりもはるかに少ない筋肉活動で済む、


というおはなし。




感想:

運転してると ステアリングの戻し操作がいまだぎこちない。特に左折したあと。いつも軽自動車に煽られる。 スピンナーノブ試してみたくなる、、

2015年5月25日

言語聴覚療法に音楽療法を組み合わせると


Improvement of spontaneous language in stroke patients with chronic aphasia treated with music therapy: a randomized controlled trial.
2015  5月  イタリア


脳卒中で失語症の患者への言語聴覚療法に、音楽療法を組み合わせたときの効果を調べてみたそうな。


*患者10人に言語聴覚療法+音楽療法
*別の患者10人には言語聴覚療法のみ

とし、各々15週間30セッション行った。

音楽療法では 即興の音楽に乗せて訓練を行った。


次のようになった。

・音楽療法グループでは自発的な発話能力が有意に改善した。

・音楽療法グループの50%は健康上の活力スコアも改善した。


言語聴覚療法には音楽療法を組み合わせるとより効果的かも知れない、



というおはなし。


感想:

PTやOTが任天堂Wiiを利用するように、STは患者にカラオケやらせればイイんじゃないかな、、と思った。

2015年5月24日

スピーチ・エントレインメントが有効な失語症の種類がわかった


Speech entrainment compensates for Broca's area damage.
2015  4月  アメリカ

スピーチ・エントレインメントはビデオ映像と音声を聴きながら発音を真似る訓練方法である。どういうタイプの失語症に有効なのか調べてみたそうな。


左脳損傷で慢性期の失語症患者44人について

1)自発的な発話
2)スピーチ・エントレインメントでの発話

を行い、単位時間当たりに発することのできる単語数で効果を測定したところ、


次のことがわかった。

・ブローカ失語の患者で発話できる語数が有意に増加した。

・他の種類の失語症患者ではこのような改善は見られなかった。

・下前頭回へのダメージのある患者で効果が期待できた。


スピーチ・エントレインメント訓練が有効なタイプの失語症がわかった、


というおはなし。




感想:

これ↓思い出した。
失語症が治るスピーチ・エントレインメントとは

2015年5月23日

[動画] 運転中に脳卒中になっても呼びかけに答えられないとアメリカではこうなる


SEE IT: Virginia cop resigns after using Taser, pepper spray on possible stroke victim
2015  5月  アメリカ

自動車の運転中に脳卒中になった黒人男性が、警察官に酷い目に遭う衝撃映像が公開されたそうな。



あらすじ
・34歳のワシントンさんは自動車で走行中に脳卒中になり、複数の車に接触して停止した。

・通報を受けた警察官が2名到着し、両手を挙げるよう呼びかけるも左腕が動かなかった。

・そこへ3人目の警察官が現れ、まずスタンガンを打ち込んだ。

・効果がないとみると次はトウガラシスプレーを至近距離から顔面へたっぷり吹きつけた。

・そしてワシントンさんを引きずり出し組み伏せ 手錠をかけた。

・この一連の過程は各警察官のボディカメラに記録されていた。

・10日後これらの動画が検証され、スタンガンを打ち込んだ警察官が過剰攻撃を理由に退職した。

というおはなし。

別アングルの女性警察官の絶叫 (一部始終がわかりやすい)



感想:

アメリカは警察が動画を記録していて不利な内容でも証拠として公開するからエライよね。

2015年5月22日

言語療法のあと嚥下障害が改善した


Analysis of the level of Dysphagia, anxiety, and nutritional status before and after speech therapy in patients with stroke.
2015  4月  ブラジル

言語療法前後での嚥下障害の程度の変化を調べてみたそうな。


平均年齢65、12人の脳卒中患者について言語療法を15セッション行った。この前後で嚥下障害、不安レベル、栄養状態を測定したところ、


次のようになった。

・言語療法前、33.3%が軽中等度の嚥下障害で、88.2%は食事を経口摂取していなかった。

・47.1%は栄養失調で、

・35.3%は軽度の不安レベルにあった。

・言語療法後、33.3%が軽度の嚥下障害、

・16.7%が栄養失調、

・50%は最低スコアの不安レベルにあった。


言語療法の後、嚥下障害のレベルが有意に改善した。不安や栄養状態も改善の傾向にあった、


というおはなし。




感想:

治療の基本となっているためか、言語療法なしの対照実験がない。

嚥下障害ものは共通体験がないのでいまいち想像と関心が及ばない。

2015年5月21日

脳卒中経験者の8割が認知障害


Prevalence of Post-Stroke Cognitive Impairment in China: A Community-Based, Cross-Sectional Study.
2015  4月  中国

脳卒中のあとに認知障害になる者の割合を調べてみたそうな。


地方および都市部の病院4施設に入院したことのある脳卒中経験者599人について評価したところ、


次のことがわかった。

・80.97%が認知障害だった。

・このうち39.59%(全体の32.05%)が認知症と診断された。

・過去の脳卒中歴や合併症経験があると認知障害リスクが約3倍になった。


脳卒中経験者が認知障害を示す割合が非常に高かった、


というおはなし。

中国

感想:

脳をやられたのに認知機能になにも問題が起きないのは ちょっと恥ずかしい。普段あたま使ってなかったんじゃないかと、、

2015年5月20日

移民は貧乏そうだからきっと脳卒中になりやすいんだろな、、ところが


Cardiovascular disease incidence and survival: Are migrants always worse off?
2015  5月  デンマーク

移民と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


1993-2010の11万人あまりの移民データをフォローして、自国(デンマーク)出身者と比較した結果、


次のことがわかった。

・男性難民は 脳卒中および心血管疾患の発症リスクが有意に低かったが、急性心筋梗塞リスクは高かった。

・女性難民も脳卒中の発症リスクは明らかに低かった。

・家族呼び寄せ移民の脳卒中、心血管疾患リスクは男女ともに低かった。

・移民の脳卒中、心血管疾患の生存率は、出身国や難民、家族呼び寄せ移民の区別にかかわらずデンマーク出身者よりも良かった。


難民および家族呼び寄せ移民の脳卒中リスクはその国の出身者よりも低く、生存率も高かった。移民が健康上不遇な状態にいるとは言えない、


というおはなし。

家族呼び寄せ移民


感想:

脳卒中には貧困病の側面があるから、経済的に厳しい環境にいるはずの移民は脳卒中になりやすいに違いない。けど元居た国よりはるかにマシなため 逆に脳卒中になりにくくなった、ってことと理解。

豊かさとは相対的なものなのかも。

2015年5月19日

脳卒中からの回復は 6ヶ月後ではなく2ヶ月後に決まる


Functional and Motor Outcome 5 Years After Stroke Is Equivalent to Outcome at 2 MonthsFollow-Up of the Collaborative Evaluation of Rehabilitation in Stroke Across Europe
2015  5月  ベルギー

脳卒中患者の運動機能の回復度を長期的に調べてみたそうな。


4施設に入院した238人の脳卒中患者について、入院時、2ヶ月後、6ヶ月後、5年後の運動機能を評価したところ、


次のことがわかった。

・発症時の平均年齢69、84%が脳梗塞、53%は左側麻痺だった。

・6ヶ月 - 5年 の間に、運動機能が複数の指標で明らかに低下していた。

・2ヶ月時点の運動機能と5年後のそれに有意な差はなかった。

・高齢、重症な患者ほど長期的回復度は低かった。


脳卒中患者の5年後の運動機能は、発症から2ヶ月時点のレベルにまで戻っていた。高齢、重症な患者ほどこの傾向が強かった、


というおはなし。
2ヶ月後

感想:

本人と周囲の期待がMaxになるのはちょうど6ヶ月後。気持ちも乗って最高の機能評価を記録する。
ところが実際は 2ヶ月時点を境にプラトーな回復状態が5年以上続いていた、、ってことだと思う。

自分も5年以上経つ。退院したのはちょうど2ヶ月後だった。病院でこれ以上の回復はないと考え退院させてもらった。

以降、生活への適応面で進歩は感じるけど運動機能的には退院時と同レベルと言えなくもない。

2015年5月18日

手の指を繰り返し動かしてあげても脳への影響はゼロ


Continuous passive movement does not influence motor maps in healthy adults.
2015  4月  オーストラリア

手の指を繰り返し動かしてあげることで脳皮質と筋肉とのつながりが強化されるものなのか実験してみたそうな。


13人の健常者について、親指の外転筋をモーターで繰り返し動かす刺激を1日に30分間x3日間行った。TMSを使って運動誘発電位を測定し、脳皮質の対応マップを作成して運動刺激前後での変化を比較した結果、


次のようになった。

・運動誘発電位および対応する脳皮質マップに有意な差は生じなかった。


親指筋肉への持続的他動運動の結果、脳皮質への影響がまったく観測できなかった。脳卒中患者へ こういった類のリハビリを施してもおそらく効果はないだろう、


というおはなし。

持続的他動運動

感想:

機械にやらせるからそういう結果になる。社会的に高い地位にある人に指を動かしてもらえれば、きっと 良くなる患者が続出すると思うんだ。まえにNHKでみた、

ご意見 ご感想はこちら

名前

メール *

メッセージ *