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2015年1月11日

片麻痺がきっかけでダイエットに成功するという根拠について


Resting metabolic rate analysis in chronic hemiparesis patients.
2014  11月  ブラジル

片麻痺患者と健康な人の安静代謝率を比較してみたそうな。


*片麻痺患者8人と
*健康だけど座りがちな生活を送っている8人について、

呼吸分析器を装着させて安静時の酸素摂取量、二酸化炭素産生量、換気量等を計測した。

これらのデータから脂肪や炭水化物燃焼率、安静代謝率を算出し比較した。


次のようになった。

・片麻痺患者の呼吸パラメータは 健康な人に比べ大きくズレており、

・脂肪燃焼の割合が高く、

・安静代謝率も大きく異なっていた。


脳卒中片麻痺患者の安静代謝率は健康な人に比べ高かった、


というおはなし。

安静代謝


感想:

ということは、片麻痺はダイエットにいいかもね。


メモ:

今日、自転車こいでて強風にあおられ転倒した。左手の平をおもいっきり擦りむいた。血が滴るほどではあったけど、まったく痛くない。かゆくもない。風呂に入ってせっけんつけてもぜんぜんしみない。

感覚麻痺でよかった と思えた数すくないエピソードとして、、

2015年1月10日

ゴルフ療法が鍛えるメンタルローテーション能力とは


The effects of golf training in patients with stroke: a pilot study.
2015  1月  ドイツ

ゴルフ療法の脳卒中リハビリ効果について実験してみたそうな。


23-74歳の脳卒中患者24人について、

*ゴルフトレーニンググループ
*ミーティングおしゃべりグループ に分け、

1回1時間x週2回x10週間 実施ののち、複数の認知機能テストを行い比較した。


次のことがわかった。

・両グループ共に、抑うつ度テスト 視空間記憶テスト バランステスト のスコアが向上した。

・特に ゴルフトレーニンググループで、物体を心的に回転させる能力:メンタルローテーション のテスト結果が著しく向上した。


脳卒中患者へのゴルフトレーニングは視覚イメージ能力をおおきく改善する、


というおはなし。
ゴルフ訓練


感想:

ゴルフやったことないからな、、

2015年1月9日

仕事のストレスが引き金になるのは、、 脳梗塞? or 脳出血?


Job Strain and the Risk of Stroke: An Individual-Participant Data Meta-Analysis.
2015  1月 スウェーデン

職場での心理的ストレスと脳卒中との関連を調べてみたそうな。


ヨーロッパ人を対象とした14件の研究データを統合し、職業性ストレスと脳卒中の発生との関連を解析したところ、


次のようになった。

・19万人あまりの男女を9年ほど追跡し、2千件の脳卒中データを確認した。

・職業性ストレスが強いと脳梗塞リスクが1.24倍、

・脳出血は1.01倍、脳卒中全体で1.09倍だった。

・特に 脳梗塞と職業性ストレスの関連は社会階層に依らず強かった。


職業性ストレスが強いと脳梗塞リスクが上がる、


というおはなし。

職業性ストレス

感想:

脳出血の方が関連強いとおもってたは

2015年1月8日

アパシー(無気力)の原因は睡眠リズムにあった


Circadian sleep/wake rhythm abnormalities as a risk factor of a poststroke apathy.
2014  12月  フランス

脳卒中患者の19-55%はアパシー(無気力)を経験するという。

患者の睡眠・覚醒の概日リズムとアパシーとの関連を調べてみたそうな。


46人の脳卒中患者の退院時に睡眠と覚醒を記録する装置アクチグラフを装着させて7日間記録した。 その後、発症3ヶ月時点でのアパシー度を調べ関連を解析した。


次のことがわかった。

・3ヶ月時点で10人(22%)がアパシーと評価された。

・この10人は実験招集時には睡眠やアパシー、不安、ウツについてまったく自覚はなかった。

・しかし退院時のアクチグラフには睡眠の大きな変化が記録されていた。

・アパシーになる患者は睡眠効率(ベッドに居る時間に対する実睡眠時間の割合)が低く、

・睡眠断片化指数も高かった。

・脳損傷の位置や微小梗塞、微小出血の数との関連はなかった。


脳卒中後にアパシーになる患者には、早い段階で睡眠・覚醒リズムに変化が見られた。これはアクチグラフを使うと簡単に調べることができるよ、


というおはなし。

アクチグラフ
アクチグラフの例

感想:

上記写真のアクチグラフは10万円ほど。スマホアプリなら無料。

いびきを記録するアプリを使ったときは衝撃を受けたなぁ。

2015年1月7日

平地をいくら歩いても無駄、階段を登り降りしなきゃ


The Effects of Stair Gait Exercise on Static Balance Ability of Stroke Patients.
2014  11月  韓国

階段歩行訓練のバランス改善効果について実験してみたそうな。


脳卒中の慢性期で平地を30mくらい歩くことのできる患者30人について、

*階段歩行グループ
*平地歩行グループ

に分けて、1回30分間x週3回x4週間の訓練を行った。

階段歩行は理学療法士が腰と膝をサポートしながら、手すりにつかまりつつ登り降りを行った。


次のようになった。

・階段歩行グループでは麻痺脚と非麻痺脚にかかる体重負荷の差が非常に小さくなったが、

・平地歩行グループでは体重負荷の分布に変化がなかった。

・身体前後への安定度の限界は階段歩行グループで著しく向上した。

・姿勢安定性の神経学的検査であるロンベルグ試験の結果も階段歩行グループで大きく向上した。


慢性期脳卒中患者を階段で登り降りさせることで姿勢の安定性を改善できた、


というおはなし。



感想:

最初の階段トライはかなりの恐怖体験だった。それだけにクリアしたあとの自信と喜びは大きかったなぁ、、

2015年1月6日

ストレッチくらいじゃダメ、がっつり運動しないと脳が萎縮する


Effects of Community Exercise Therapy on Metabolic, Brain, Physical, and Cognitive Function Following Stroke: A Randomized Controlled Pilot Trial.
2014  12月  イギリス

運動療法が脳卒中経験者の脳に与える影響を調べてみたそうな。


50歳以上で自立歩行の可能な慢性期脳卒中経験者40人について

*運動療法グループ と
*ストレッチグループ に分けた。

いずれも週3回x19週間継続し、脳と身体機能について比較したところ、


次のことがわかった。

・血糖値は両グループともに一定に保たれていた。

・運動療法グループで内側側頭葉の血流が増加し、組織の体積は保たれていた。

・ストレッチグループでは内側側頭葉の血流に変化は無く、灰白質が著しく萎縮していた。

・運動療法グループでは血圧やコレステロール、認知機能等も良好だった。


短期間の運動療法によって脳の代謝、身体、認知機能が改善した、


というおはなし。
内側側頭葉
感想:

ところで どんな運動をさせたのだろうか?

2015年1月5日

鍛えるべきは、、膝を伸ばす筋肉? or つま先を持ち上げる筋肉?


Associations between lower limb strength and gait velocity following stroke: A systematic review.
2014  12月  オーストラリア

脳卒中患者の下肢筋力と歩行速度との関連を過去の研究から調べてみたそうな。


医学論文データベースから関連する研究を複数の審査者が厳選し、データを統合、再解析したところ、


次のことがわかった。

・21件の研究が見つかった。

・いずれの研究も被験者数は多くはなかった。

・膝の伸筋の力は歩行速度と強い関連になかった。

・一方、つま先を持ち上げる背屈筋の力は歩行速度ともっとも強い関連があった。


下肢筋肉群にあって足首の背屈筋が歩行速度と強く関連していた。足首の背屈筋を鍛えることで速く歩けるようになるかもしれない、


というおはなし。
足首背屈

感想:

当時 一歩ごとにつま先が地面をこするので、左の靴の先端にすぐに穴が開いてしまったことを思い出す。

2015年1月4日

のちに脳卒中になる男性の青年期の特徴


Risk Factors Assessed in Adolescence and the Later Risk of Stroke in Men: A 33-Year Follow-Up Study.
2014  12月  スウェーデン

高齢者を対象とした脳卒中リスクの研究は多い。
そこで、脳卒中のリスク要因を青年期の若者について調べてみたそうな。


1969-1989の徴兵時に収集された平均年齢18の男性81万人あまりの健康診断を含む登録情報を解析したところ、


次のことがわかった。

・33年前後の追跡期間中に6180件の脳梗塞と2104件の脳出血があり、発症年齢の平均は48歳だった。

・脳梗塞に関連の強い要因は、運動不足、肥満、糖尿病、飲酒、低所得、母方の脳卒中歴だった。

・脳出血も同様に、運動不足、肥満、飲酒、糖尿病、低所得がリスクとして挙げられた。


脳卒中のリスク要因はすでに青年期に明らかになっており、その代表的なものは運動不足、肥満、糖尿病、低所得、母方の脳卒中歴であった。それらのいくつかは十分に改善可能である、


というおはなし。


感想:

若かりし頃を思い出すに 運動不足、母方脳卒中歴、低所得 がガッチリ当てはまってた。

2015年1月3日

性別で脳梗塞の回復に違いがでるものなのか


Sex Differences in Short-Term Outcomes After Acute Ischemic Stroke: The Fukuoka Stroke Registry.
2014  12月  日本

脳梗塞患者の予後に性別が関係するものかどうか調べてみたそうな。


1999-2013の福岡の脳卒中データベースから初回脳梗塞患者6千人あまりの記録を抽出、解析したところ、


次のことがわかった。

・38.5%は女性患者だった。

・重症患者は女性に多かった。

・他の要因を考慮してなお、女性であることが退院時の機能回復の悪さと関連していた。

・この傾向は特に70歳以上で顕著で、70歳未満では女性だからどうの‥ということはなかった。


女性であることが脳梗塞退院時での機能回復不良と関連があった、


というおはなし。

福岡 Fukuoka

感想:

これは何度も繰り返し出てくるテーマ。理由はよくわからない。

2015年1月2日

tDCS(経頭蓋直流電気刺激)にもハイビジョンがあった


Feasibility of using high-definition transcranial direct current stimulation (HD-tDCS) to enhance treatment outcomes in persons with aphasia.
2014  12月  アメリカ

従来型のtDCSにくらべより限局した範囲を強く刺激できるHD(ハイディフィニション)tDCSを実際に試してみたそうな。


慢性期脳卒中で失語症の8人の患者について従来型のtDCS もしくはHDtDCS を施し、併行して5日間の失語リハビリを行った。


次のようになった。

・HDtDCSは実験を行う上で従来型と比べ特に大きな違いはなかった。

・両グループともに失語リハビリの成果が見られた。

・訓練成果の正確さの点でHDtDCSの方がやや優れているように見えた。

HDtDCSは従来型のtDCSと同様に扱うことができ、効果も同程度以上はありそうだ、


というおはなし。


HDtDCSを自作して自分に試し、やけどしかけた人のビデオ




感想:

tDCSのニュースはこれまで30件以上取り上げてきた。
2015年にもなったし 今だから正直に言うと、tDCSで脳の神経が分極して興奮がどうのこうのという理屈は最初からぜんぜん信用していない。

上に貼ったビデオのように簡単に実験できるはずなのに まったく試してみる気にもならない。

その理由を書いてみる。


子供のころ006Pタイプの乾電池を舐めて 痛いくらいに舌がシビレた。tDCSで使用する電池、流す電流がまさにこのレベルのものである。

じっさい、tDCSの通電中のチクチク感は問題になっていて、この不快感を緩和するために電極の材質や頭皮との間にはさむジェルやスポンジを工夫している。

つまりtDCSで効果があるとされるレベルの電流を流すと多少のチクチク ピリピリ感はどうしても避けられない。

その結果、比較対照のための偽刺激(電流を流さない)実験が事実上意味をなさなくなる。

わかりやすく言うと、
実験中ずうっとアタマに貼った電極にチクチク感のある被験者は、自分がなにかすごい先端医療を施されていることを感覚的に体験し続ける。

いっぽう、偽刺激の被験者には全体を通してほとんどチクチク感は無く、なにかされているのかさっぱり実感がわかない。


これほどの実験状況の違いがあるとポジティブな結果がでないハズがなく、得られる成果のほとんどは「チクチク感によるプラシーボ効果」であると考える。


でも名のある研究機関も取り組んでいることを考えると、少しは本当の効果も含まれるのかな、、と思い 見守っている。

2015年1月1日

片麻痺患者の身体の揺れを簡単に抑えるコツ


Deliberately Light Interpersonal Touch as an Aid to Balance Control in Neurologic Conditions.
2014  12月  イギリス

脳卒中などの神経症状により 身体が揺れてしまう患者の背中へ「そっと触れる」効果について調べてみたそうな。


11人の慢性期脳卒中で片麻痺の患者と
12人のパーキンソン病の患者について、

様々な状況下で圧力センサープレートに立たせ、
リハビリの専門家が背中にそっと触れた際の重心の動揺を計測した。


次のようになった。

・両グループともに背中にそっと触れることで身体の前後の揺れが収まった。

・背中の上部に触れたときに効果が高く、

・特に肩の高さで同時に2点触れるとさらに効果的だった。


患者の背中にそっと触れることで姿勢を安定化することができた。患者のかたわらで楽にサポートできる方法である、


というおはなし。

図:ライトタッチ 脳卒中


感想:

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