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2015年1月6日

ストレッチくらいじゃダメ、がっつり運動しないと脳が萎縮する


Effects of Community Exercise Therapy on Metabolic, Brain, Physical, and Cognitive Function Following Stroke: A Randomized Controlled Pilot Trial.
2014  12月  イギリス

運動療法が脳卒中経験者の脳に与える影響を調べてみたそうな。


50歳以上で自立歩行の可能な慢性期脳卒中経験者40人について

*運動療法グループ と
*ストレッチグループ に分けた。

いずれも週3回x19週間継続し、脳と身体機能について比較したところ、


次のことがわかった。

・血糖値は両グループともに一定に保たれていた。

・運動療法グループで内側側頭葉の血流が増加し、組織の体積は保たれていた。

・ストレッチグループでは内側側頭葉の血流に変化は無く、灰白質が著しく萎縮していた。

・運動療法グループでは血圧やコレステロール、認知機能等も良好だった。


短期間の運動療法によって脳の代謝、身体、認知機能が改善した、


というおはなし。
内側側頭葉
感想:

ところで どんな運動をさせたのだろうか?

2015年1月5日

鍛えるべきは、、膝を伸ばす筋肉? or つま先を持ち上げる筋肉?


Associations between lower limb strength and gait velocity following stroke: A systematic review.
2014  12月  オーストラリア

脳卒中患者の下肢筋力と歩行速度との関連を過去の研究から調べてみたそうな。


医学論文データベースから関連する研究を複数の審査者が厳選し、データを統合、再解析したところ、


次のことがわかった。

・21件の研究が見つかった。

・いずれの研究も被験者数は多くはなかった。

・膝の伸筋の力は歩行速度と強い関連になかった。

・一方、つま先を持ち上げる背屈筋の力は歩行速度ともっとも強い関連があった。


下肢筋肉群にあって足首の背屈筋が歩行速度と強く関連していた。足首の背屈筋を鍛えることで速く歩けるようになるかもしれない、


というおはなし。
足首背屈

感想:

当時 一歩ごとにつま先が地面をこするので、左の靴の先端にすぐに穴が開いてしまったことを思い出す。

2015年1月4日

のちに脳卒中になる男性の青年期の特徴


Risk Factors Assessed in Adolescence and the Later Risk of Stroke in Men: A 33-Year Follow-Up Study.
2014  12月  スウェーデン

高齢者を対象とした脳卒中リスクの研究は多い。
そこで、脳卒中のリスク要因を青年期の若者について調べてみたそうな。


1969-1989の徴兵時に収集された平均年齢18の男性81万人あまりの健康診断を含む登録情報を解析したところ、


次のことがわかった。

・33年前後の追跡期間中に6180件の脳梗塞と2104件の脳出血があり、発症年齢の平均は48歳だった。

・脳梗塞に関連の強い要因は、運動不足、肥満、糖尿病、飲酒、低所得、母方の脳卒中歴だった。

・脳出血も同様に、運動不足、肥満、飲酒、糖尿病、低所得がリスクとして挙げられた。


脳卒中のリスク要因はすでに青年期に明らかになっており、その代表的なものは運動不足、肥満、糖尿病、低所得、母方の脳卒中歴であった。それらのいくつかは十分に改善可能である、


というおはなし。


感想:

若かりし頃を思い出すに 運動不足、母方脳卒中歴、低所得 がガッチリ当てはまってた。

2015年1月3日

性別で脳梗塞の回復に違いがでるものなのか


Sex Differences in Short-Term Outcomes After Acute Ischemic Stroke: The Fukuoka Stroke Registry.
2014  12月  日本

脳梗塞患者の予後に性別が関係するものかどうか調べてみたそうな。


1999-2013の福岡の脳卒中データベースから初回脳梗塞患者6千人あまりの記録を抽出、解析したところ、


次のことがわかった。

・38.5%は女性患者だった。

・重症患者は女性に多かった。

・他の要因を考慮してなお、女性であることが退院時の機能回復の悪さと関連していた。

・この傾向は特に70歳以上で顕著で、70歳未満では女性だからどうの‥ということはなかった。


女性であることが脳梗塞退院時での機能回復不良と関連があった、


というおはなし。

福岡 Fukuoka

感想:

これは何度も繰り返し出てくるテーマ。理由はよくわからない。

2015年1月2日

tDCS(経頭蓋直流電気刺激)にもハイビジョンがあった


Feasibility of using high-definition transcranial direct current stimulation (HD-tDCS) to enhance treatment outcomes in persons with aphasia.
2014  12月  アメリカ

従来型のtDCSにくらべより限局した範囲を強く刺激できるHD(ハイディフィニション)tDCSを実際に試してみたそうな。


慢性期脳卒中で失語症の8人の患者について従来型のtDCS もしくはHDtDCS を施し、併行して5日間の失語リハビリを行った。


次のようになった。

・HDtDCSは実験を行う上で従来型と比べ特に大きな違いはなかった。

・両グループともに失語リハビリの成果が見られた。

・訓練成果の正確さの点でHDtDCSの方がやや優れているように見えた。

HDtDCSは従来型のtDCSと同様に扱うことができ、効果も同程度以上はありそうだ、


というおはなし。


HDtDCSを自作して自分に試し、やけどしかけた人のビデオ




感想:

tDCSのニュースはこれまで30件以上取り上げてきた。
2015年にもなったし 今だから正直に言うと、tDCSで脳の神経が分極して興奮がどうのこうのという理屈は最初からぜんぜん信用していない。

上に貼ったビデオのように簡単に実験できるはずなのに まったく試してみる気にもならない。

その理由を書いてみる。


子供のころ006Pタイプの乾電池を舐めて 痛いくらいに舌がシビレた。tDCSで使用する電池、流す電流がまさにこのレベルのものである。

じっさい、tDCSの通電中のチクチク感は問題になっていて、この不快感を緩和するために電極の材質や頭皮との間にはさむジェルやスポンジを工夫している。

つまりtDCSで効果があるとされるレベルの電流を流すと多少のチクチク ピリピリ感はどうしても避けられない。

その結果、比較対照のための偽刺激(電流を流さない)実験が事実上意味をなさなくなる。

わかりやすく言うと、
実験中ずうっとアタマに貼った電極にチクチク感のある被験者は、自分がなにかすごい先端医療を施されていることを感覚的に体験し続ける。

いっぽう、偽刺激の被験者には全体を通してほとんどチクチク感は無く、なにかされているのかさっぱり実感がわかない。


これほどの実験状況の違いがあるとポジティブな結果がでないハズがなく、得られる成果のほとんどは「チクチク感によるプラシーボ効果」であると考える。


でも名のある研究機関も取り組んでいることを考えると、少しは本当の効果も含まれるのかな、、と思い 見守っている。

2015年1月1日

片麻痺患者の身体の揺れを簡単に抑えるコツ


Deliberately Light Interpersonal Touch as an Aid to Balance Control in Neurologic Conditions.
2014  12月  イギリス

脳卒中などの神経症状により 身体が揺れてしまう患者の背中へ「そっと触れる」効果について調べてみたそうな。


11人の慢性期脳卒中で片麻痺の患者と
12人のパーキンソン病の患者について、

様々な状況下で圧力センサープレートに立たせ、
リハビリの専門家が背中にそっと触れた際の重心の動揺を計測した。


次のようになった。

・両グループともに背中にそっと触れることで身体の前後の揺れが収まった。

・背中の上部に触れたときに効果が高く、

・特に肩の高さで同時に2点触れるとさらに効果的だった。


患者の背中にそっと触れることで姿勢を安定化することができた。患者のかたわらで楽にサポートできる方法である、


というおはなし。

図:ライトタッチ 脳卒中


感想:

意識してかどうか、皆やっていることだよな。

2014年12月31日

片麻痺の歩行リハビリに適した杖の種類が判明


Which type of cane is the most efficient, based on oxygen consumption and balance capacity, in chronic stroke patients?
2014  12月  韓国

片麻痺患者のバランス能力別に適した杖の種類を調べてみたそうな。


慢性期脳卒中患者29人を

*バランス能力の低い15人と
*バランス能力比較的良い14人

に分け、一本杖、4点杖、ヘミウォーカーのそれぞれについて3日間使用させた。

各々の杖でのエネルギー消費量、酸素使用量、歩行中の心拍数等を測定し、比較した。


次のようになった。

・一本杖が最もエネルギー消費量が大きく、歩行速度が高かった。

・一本杖使用時、バランス能力良好な患者では酸素使用量は多くなかった。

・バランス能力の低い患者では4点杖での酸素使用量がいちばん少なかった。


バランス能力のある片麻痺患者にとっては一本杖の方が酸素消費が少なく歩くスピードも速い。一方、バランス能力の低い患者は接地面積の大きい杖が適している、


というおはなし。

ヘミウォーカー
ヘミウォーカー


感想:

予想通りの結果ではある。

この記事を思い出した。
片麻痺の歩行リハビリに適した杖の長さが判明

2014年12月30日

3ヶ月後 これ以上悪くならないだろうと安心していたら いつのまにか要介護に


Changes in Functional Outcome Over the First Year After StrokeAn Observational Study From the Swedish Stroke Register
2014  12月  スウェーデン

脳卒中後1年間の機能回復程度の変化と関連する要因を調べてみたそうな。


2008-2010のスウェーデンの脳卒中患者の64万人あまりの医療記録から発症3ヶ月後、12ヶ月後の致命率、日常生活動作(ADL)を抽出し他のパラメータとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・致命率は 3ヶ月時点で13%、12ヶ月時点では18%(男16%、女20%)だった。

・ADL上で依存状態にある者の割合は、3ヶ月で16%、12ヶ月で28%(男23%、女35%)だった。

・3ヶ月から12ヶ月にかけてADL依存状態に落ち込む要因として、女性、糖尿病、入院時昏睡などとの関連がみられた。


発症3ヶ月以降は病状が安定化するという常識に反して、3ヶ月から12ヶ月にかけて日常生活動作的に自立から依存に悪化してしまう患者が思いのほか多かった。この傾向は女性に多く見られ およそ6分の1の者が相当した、


というおはなし。



感想:

ほんとかね。
たとえばバリアフリー化していない自宅に退院して、入浴の度にちょっと移動の手を借りるようになった場合、「ADLの悪化!」にされちゃうんじゃないのかな?

それとも ポイントは女性に多いってとこなのかな、、

2014年12月29日

もっとも多くの脳卒中経験者が困難に感じている日常生活動作は、、


Prevalence of Self-Reported Stroke and Disability in the French Adult Population: A Transversal Study.
2014  12月  フランス

脳卒中歴の有無と障害の程度について、自宅住人と施設入居者に面談調査したそうな。


33986人について調べたところ、


次のことがわかった。

・脳卒中経験者の割合は1.6%で、中等度以上の障害を持つ者は、自宅住まいの29%、施設入居者の88%だった。

・脳卒中経験が無く中等度以上の障害を持つ者は、自宅で3%、施設で72%だった。

・もっとも多くの脳卒中経験者が困難に感じている日常生活動作は風呂で身体を洗うことだった。(31% vs. 3%非経験者)

・脳卒中の有無に関わらず高齢になるに従い生活動作の自立が困難になる傾向があったが、

・60歳未満の若年脳卒中経験者については、同年代の非脳卒中経験者と比べ依存状態になるリスクが20倍ほど高かった。

・ベッドや椅子から離れられない人の23%は脳卒中経験者だった。


というおはなし。
mRS5以上の脳卒中経験者の割合
重度依存の脳卒中経験者の割合


感想:

洗髪はいまだに違和感ある。左手がシャカシャカ素早く動かないから、じれったくて結局 右手がアタマの左側まで回りこんでフィニッシュ、ってなる。

2014年12月28日

脳卒中の早期に集中訓練した効果が脳の活動から確認できた


A Randomized Controlled Trial of the Effect of Early Upper-Limb Training on Stroke Recovery and Brain Activation.
2014  12月  オーストラリア

脳卒中患者の75%は上肢の機能障害を経験する。その一方で、最初の1ヶ月間の機能の回復は非常に大きい。

発症後1ヶ月以内の集中的訓練により脳の活動も高まるものなのか実験してみたそうな。


急性期脳梗塞患者23人を、通常リハビリグループと上肢集中訓練グループに分けた。脳の活動を脳機能MRIで3ヶ月後まで観察、比較した。

上肢集中訓練は、発症1週間目から行い 1ヶ月間に計30時間の訓練を行った。


次のようになった。

・集中訓練グループでは、前帯状皮質と病側の補足運動野が活発になり、

・病側と反対の小脳の活動が低下した。

・集中訓練グループでは3ヶ月後までの機能改善程度に被験者間のバラつきが小さく、より確かな効果が期待できた。


脳卒中早期での上肢の集中訓練により、脳のそれらしい部分の活動に大きな変化がもたらされた、


というおはなし。


感想:

10数年前、健康な頃に撮った自分の脳機能MRI を思い出した。(↓これ)

指動かしただけで小脳の同じ側にこんなに反応がでることをそれまで知らなかった。

2014年12月27日

ペットが相棒の高齢脳卒中経験者にインタビューした


Living with companion animals after stroke: experiences of older people in community and primary care nursing.
2014  12月  スウェーデン

高齢者はよくペットを飼っていて、特に病気を患っているひとにとってはその存在意義は大きい。

そこで高齢の脳卒中経験者にとってのペットを飼う意味を身体、心理、社会的側面から調べてみたそうな。


62-88歳で発症後2年以上経つ脳卒中経験者17人(女10、男7)について個別に面談調査した結果、


次のことがわかった。

・「ペットによる有意義な人生への貢献」が共通のテーマとして見えてきた。

・これは次の4つの理由に分類できた。
*リハビリのやる気のもと、
*自分を慕ってくれる誰かがいる、
*家族の一員として、
*安心と安全のもと、、。


脳卒中経験者にとってペットは病気からの回復と有意義な人生のために大切な存在である、


というおはなし。


感想:

高齢だと飼い主が先に逝く→保健所で処分ってことになる。

そのうち高性能AI搭載のペッパー君が活躍するようになると思う。20万円だし。
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