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2014年9月26日

脳卒中を経験した子供の聴覚機能は、、


Central auditory processing outcome after stroke in children.
2014  9月  ブラジル

子供の脳卒中が聴覚機能に及ぼす影響を調べてみたそうな。


脳卒中を経験したことのある7-15歳の23人(男性13人)について、

騒音の中から言葉を聴きとるテストや
両耳から同時に入った数字を聴き分けるテストなど計5種類の聴覚検査を行った。

年齢、性別の一致する健常者で同じ検査を行い比較した。

また、脳の損傷部位との関連も調べた。


次のことがわかった。

・騒音下に単語を聴きとる聴覚補完機能は健常者と同レベルだった。

・しかし選択的注意を要する聴覚能力に著しく欠けていた。


脳卒中を経験したほとんどの子供がなんらかの聴覚障害を示していた。この障害の程度は損傷した脳半球の違いに依らなかった、


というおはなし。



感想:

大人なら失語症になりかねない状況でも、子供は可塑性が半端ないため脳半球を切り替えて適応してしまった。
そういうことかな。

2014年9月25日

低頻度rTMSの慢性期脳卒中への効果について


Does inhibitory repetitive transcranial magnetic stimulation augment functional task practice to improve arm recovery in chronic stroke?
2014  8月  アメリカ

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は脳卒中後の上肢麻痺を非侵襲的に改善できる方法である、と言われている。

これを確かめてみたそうな。


慢性期脳卒中で上肢麻痺の患者22人について、損傷脳と反対側に低頻度rTMSを、週4回x4週間行った。

患者はリアルrTMSと偽rTMSの2グループに分類された。

rTMSの直前に、個別に最適化された上肢運動訓練が1時間行われた。

改善度を比較したところ、


次のようになった。

・リアル、偽rTMSの両グループ間で、上肢機能の改善度に差はなかった。

・脳の皮質興奮性を示す運動誘発電位にもグループ間の差はなかった。


この実験ではrTMSの上肢機能の改善効果は確認できなかった。患者が適していなかったのかも知れない、


というおはなし。

運動誘発電位rTMSによる


感想:

いままで「rTMS万歳!」的な報告ばかりだったのでかえって新鮮に感じた。

2014年9月24日

再発脳梗塞患者はリハビリでどこまで回復できるのか?


Functional gain following rehabilitation of recurrent ischemic stroke in the elderly: Experience of a post-acute care rehabilitation setting.
2014  9月  イスラエル

脳梗塞が再発した患者の機能回復度について調べてみたそうな。


リハビリ病院に入院した高齢脳梗塞患者919人について、入院時と退院時の機能的自立度評価(FIM)を行った。

次のことがわかった。

・716人が初回脳梗塞で、203人(22%)が再発だった。

・入院時および退院時のFIMスコアは両グループでほぼ同じだった。

・年齢、入院日数、退院時のメンタル検査スコア、入院時のFIMスコアのみが機能回復度に関連があった。

・脳梗塞の再発でリハビリ病院に入院した高齢患者は、初回脳梗塞患者に比べてほぼ同等の機能的自立度を得ることができた。


脳卒中の再発は、リハビリ的にはそう悲観する要因ではない、

というおはなし。



感想:

リハビリ病院は 皆が構ってくれてる とても居心地の良い場所である。
明確に意図せずとも、寂しさを紛らわすために再発を主張して入院してくる高齢者は少なくないのではないか。

そういう患者ならきっちり元のレベルに回復するだろう、、 と想像してみた。

2014年9月23日

脳卒中後の疲労は職場復帰を困難にする


Post-stroke fatigue is associated with impaired processing speed and memory functions in first-ever stroke patients.
2014  8月  フィンランド

脳卒中のあとの疲労とウツ、認知機能との関係を調べてみたそうな。


若年脳梗塞患者133人について疲労、ウツの神経心理テストおよび記憶力、推理力などの認知機能テストを発症3ヶ月後、6ヶ月後、2年後に行った。


次のようになった。

・発症3ヶ月後時点で、疲労ありグループは33人、疲労無しグループは100人だった。

・疲労のある患者は無しの者に比べ6ヶ月後でも思考処理速度、記憶力が劣っていた。

・疲労とウツ症状は関連していた。

・思考処理速度と記憶力の低下はウツ症状が解決したのちも続いていた。

・疲労があると2年後時点での復職率が低かった。


脳卒中発症後3ヶ月時点での疲労は ウツ症状や認知機能の低下、復職困難と関連があった。疲労のある患者の思考処理速度や記憶力はウツ症状が収まったのちも続いた、


というおはなし。



感想:

たしかにウツと疲労は別物で、疲労のほうがずっと長く続いた。

2014年9月22日

CIミラーセラピーの効果とは


Effect of constraint-induced movement therapy and mirror therapy for patients with subacute stroke.
2014  8月  韓国

CIセラピーにミラーセラピーを加えてみたときの効果を調べてみたそうな。


亜急性期の脳卒中患者26人を次の3グループに分けた。

*通常リハビリ+CIセラピー+ミラーセラピー
*通常リハビリ+CIセラピー
*通常リハビリ

2週間の訓練の後、上肢機能を7種類の指標で評価、比較した。


次のようになった。

・CIセラピーを行ったグループは通常リハビリグループよりも高い改善度を示した。

・さらにCIセラピーにミラーセラピーを組み合わせたグループはCIセラピーのみのグループよりも box and block test, 9-hole Pegboard test, grip strengthの3テストで優れたスコアを出した。


CIセラピーにミラーセラピーを組み合わせるとCIセラピーのみ よりも効果的である、


というおはなし。
CIミラーセラピー


感想:

よく見ると
「実験意図をよーく理解したやる気マンマンの患者を選んだ」って書いてある。しかもCIセラピーなので最初から指が動く患者のみを対象にしているし、、

なるほどこういう結果が出てもなんの不思議もない。

2014年9月21日

麻痺していない手の機能も低下するものなのか


Changes in motor function in the unaffected hand of stroke patients should not be ignored.
2014  7月  中国

脳卒中での麻痺の影響は損傷脳と同側の手にも及ぶと言われている。

確かめてみたそうな。


脳卒中で右脳損傷の男女について、右利きで意識が正常レベル、座っていられる患者(30人)を選別し、右手の機能を健常者(38人)と比較した。

手の機能評価は従来型の方法(リンドマークスコア)と、時間内に指をタップできる回数を採用した。

2週間のリハビリ前後での改善度も比較した。


次のようになった。

・指のタップ回数は男女共に、健常者のほうが著しく多かった。

・リハビリの後、指のタップ回数およびリンドマークスコアは大きく改善した。

・指のタップ回数とリンドマークスコアに関連があった。


脳卒中患者の非麻痺手の機能は健常者に比べ明らかに劣っていた。非麻痺手のリハビリにも注意を払うべきではないのか、


というおはなし。



感想:

2人3脚の相方が怪我したわけだからペースを合わせてあげるのは当然のことで、問題視する必要はないと思う。

利き手が麻痺してもQOL落ちないし、、

2014年9月20日

利き手が麻痺になるとやっぱりQOLも低いの?


Effect of dominant hand paralysis on quality of life in patients with subacute stroke.
2014  8月  韓国

利き手が麻痺になった脳卒中患者の生活の質QOLを調べてみたそうな。


亜急性期の脳卒中片麻痺患者を次の2グループに分けた。

*利き手麻痺
*非利き手麻痺

両グループに健康関連QOLアンケートおよび自立度、ウツ度の調査を行い比較した。


次のようになった。

・両グループ間で健康関連QOLに有意な差は見られなかった。

・同様に自立度、ウツ度もあまり差はなかった。


亜急性期に利き手が麻痺している脳卒中患者は、非利き手が麻痺の患者に比べてQOLにさほど違いはなかった、

というおはなし。

利き手と非利き手

感想:

なるほど利き手でないとダメなシーンって 箸、包丁、尻拭き...あまり思いつかない。

2014年9月19日

胃瘻からすぐに復帰できる脳卒中患者の特徴が明らかに


Predictors of recovery of functional swallow after gastrostomy tube placement for Dysphagia in stroke patients after inpatient rehabilitation: a pilot study.
2014  8月  アメリカ

胃瘻増設から早くに回復できた脳卒中患者の特徴を調べてみたそうな。


2008-2012に脳梗塞または脳出血で入院し、
嚥下障害のため胃瘻を増設され その後リハビリ部門に移された患者のうち、

退院までに胃瘻が必要で無くなった者とそうでなかった者との医療記録を比較したところ、


次のことがわかった。

・条件に適合する患者は胃瘻増設者の3分の1にあたる32人いた。(残り2/3は介護施設へ直行)

・胃瘻をやめられなかった患者の年齢は非常に高かった。(73 vs. 54)

・脳出血患者のほうが嚥下機能がやや回復しやすかった。(80% vs. 47%)

・左脳損傷患者は嚥下機能回復が非常に良かった 。


年齢が若く左脳損傷の脳卒中患者は、胃瘻増設となっても嚥下機能は早くに回復するであろう、


というおはなし。

胃瘻

感想:

初耳、右脳には嚥下に必要な なにか重大な機能が隠されているのではないか?

2014年9月18日

ロシアの脳卒中死亡者の4-5人に1人は酒の飲み過ぎが原因


Fraction of stroke mortality attributable to alcohol consumption in Russia.
2014  9月  ベラルーシ

ロシアでは脳卒中死亡率が非常に高い。その原因の1つとして大量の飲酒が指摘されている。

そこで大量飲酒に起因する若年者の脳卒中死亡割合を調べてみたそうな。


1980-2005の脳卒中患者登録データとアルコール消費データとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中で死亡した男性の26.8%、女性の18.4%がアルコールが原因と考えられた。

・そのうち、男性の57.5%、女性の43.5%が30-44歳の若年者だった。


ロシアの脳卒中死亡率の高さは大量飲酒が原因かも知れない。特に若い男女への飲酒対策が必要だろう、


というおはなし。

ロシアのアルコールと脳卒中死亡率


感想:

ソビエト時代のグラフがズレ過ぎ。

酒で温まる効用はないのかね。ロシアは寒くて脳出血になりそうなイメージがある。

2014年9月17日

脳卒中のあとの座りがちな行動はいつまで続くのか


Sedentary behaviour in the first year after stroke: a longitudinal cohort study with objective measures.
2014  9月  イギリス

脳卒中を経験するとどのくらい運動しなくなるものなのか1年間調べてみたそうな。


平均年齢72の急性期脳卒中患者96人を1年間追跡調査した結果、


次のことがわかった。

・脳卒中経験者は(まったく運動をせずに横になるか)座りがちな行動を取りがちだった。

・1日24時間のうち81%が座りがちな行動だった。

・身体機能にかかわらず、座りがちな行動パターンは脳卒中のあと1年間 変わらなかった。


脳卒中経験者は座りがちな行動パターンを示し、少なくとも1年間はそのままだった。このあたりを改善することがリハビリにつながるのではないか、


というおはなし。



感想:

脳卒中になる前の方が座っている時間が長かったかもしれない。

2014年9月16日

ピアノ訓練の上肢リハビリ効果について


A piano training program to improve manual dexterity and upper extremity function in chronic stroke survivors.
2014  8月  カナダ

音楽サポートセラピーは脳卒中リハビリによいとされている。

その効果は持続するものなのか 実験してみたそうな。


13人の脳卒中経験者に、1回60分x週3回x3週間のピアノ訓練をおこなった。

訓練ではコンピュータスクリーンに叩くべき鍵盤が表示され 曲を演奏する。

上達度に合わせて徐々に訓練難度が上がってゆく仕組み。

訓練前後と、3週間後の手の器用さ、機能について評価した。


次のようになった。

・訓練前に比べ、訓練直後、3週間後ともにすべての評価で著しい向上があった。

・訓練前の運動レベルが高いほど、訓練後の向上度も大きかった。


ピアノ訓練は慢性期脳卒中患者の上肢訓練に持続的な改善をもたらしうる、


というおはなし。

音楽サポートセラピー


感想:

タブレットアプリにも似たようなのがあるからどんどんやってみればいいと思う。
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