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2014年9月20日

利き手が麻痺になるとやっぱりQOLも低いの?


Effect of dominant hand paralysis on quality of life in patients with subacute stroke.
2014  8月  韓国

利き手が麻痺になった脳卒中患者の生活の質QOLを調べてみたそうな。


亜急性期の脳卒中片麻痺患者を次の2グループに分けた。

*利き手麻痺
*非利き手麻痺

両グループに健康関連QOLアンケートおよび自立度、ウツ度の調査を行い比較した。


次のようになった。

・両グループ間で健康関連QOLに有意な差は見られなかった。

・同様に自立度、ウツ度もあまり差はなかった。


亜急性期に利き手が麻痺している脳卒中患者は、非利き手が麻痺の患者に比べてQOLにさほど違いはなかった、

というおはなし。

利き手と非利き手

感想:

なるほど利き手でないとダメなシーンって 箸、包丁、尻拭き...あまり思いつかない。

2014年9月19日

胃瘻からすぐに復帰できる脳卒中患者の特徴が明らかに


Predictors of recovery of functional swallow after gastrostomy tube placement for Dysphagia in stroke patients after inpatient rehabilitation: a pilot study.
2014  8月  アメリカ

胃瘻増設から早くに回復できた脳卒中患者の特徴を調べてみたそうな。


2008-2012に脳梗塞または脳出血で入院し、
嚥下障害のため胃瘻を増設され その後リハビリ部門に移された患者のうち、

退院までに胃瘻が必要で無くなった者とそうでなかった者との医療記録を比較したところ、


次のことがわかった。

・条件に適合する患者は胃瘻増設者の3分の1にあたる32人いた。(残り2/3は介護施設へ直行)

・胃瘻をやめられなかった患者の年齢は非常に高かった。(73 vs. 54)

・脳出血患者のほうが嚥下機能がやや回復しやすかった。(80% vs. 47%)

・左脳損傷患者は嚥下機能回復が非常に良かった 。


年齢が若く左脳損傷の脳卒中患者は、胃瘻増設となっても嚥下機能は早くに回復するであろう、


というおはなし。

胃瘻

感想:

初耳、右脳には嚥下に必要な なにか重大な機能が隠されているのではないか?

2014年9月18日

ロシアの脳卒中死亡者の4-5人に1人は酒の飲み過ぎが原因


Fraction of stroke mortality attributable to alcohol consumption in Russia.
2014  9月  ベラルーシ

ロシアでは脳卒中死亡率が非常に高い。その原因の1つとして大量の飲酒が指摘されている。

そこで大量飲酒に起因する若年者の脳卒中死亡割合を調べてみたそうな。


1980-2005の脳卒中患者登録データとアルコール消費データとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中で死亡した男性の26.8%、女性の18.4%がアルコールが原因と考えられた。

・そのうち、男性の57.5%、女性の43.5%が30-44歳の若年者だった。


ロシアの脳卒中死亡率の高さは大量飲酒が原因かも知れない。特に若い男女への飲酒対策が必要だろう、


というおはなし。

ロシアのアルコールと脳卒中死亡率


感想:

ソビエト時代のグラフがズレ過ぎ。

酒で温まる効用はないのかね。ロシアは寒くて脳出血になりそうなイメージがある。

2014年9月17日

脳卒中のあとの座りがちな行動はいつまで続くのか


Sedentary behaviour in the first year after stroke: a longitudinal cohort study with objective measures.
2014  9月  イギリス

脳卒中を経験するとどのくらい運動しなくなるものなのか1年間調べてみたそうな。


平均年齢72の急性期脳卒中患者96人を1年間追跡調査した結果、


次のことがわかった。

・脳卒中経験者は(まったく運動をせずに横になるか)座りがちな行動を取りがちだった。

・1日24時間のうち81%が座りがちな行動だった。

・身体機能にかかわらず、座りがちな行動パターンは脳卒中のあと1年間 変わらなかった。


脳卒中経験者は座りがちな行動パターンを示し、少なくとも1年間はそのままだった。このあたりを改善することがリハビリにつながるのではないか、


というおはなし。



感想:

脳卒中になる前の方が座っている時間が長かったかもしれない。

2014年9月16日

ピアノ訓練の上肢リハビリ効果について


A piano training program to improve manual dexterity and upper extremity function in chronic stroke survivors.
2014  8月  カナダ

音楽サポートセラピーは脳卒中リハビリによいとされている。

その効果は持続するものなのか 実験してみたそうな。


13人の脳卒中経験者に、1回60分x週3回x3週間のピアノ訓練をおこなった。

訓練ではコンピュータスクリーンに叩くべき鍵盤が表示され 曲を演奏する。

上達度に合わせて徐々に訓練難度が上がってゆく仕組み。

訓練前後と、3週間後の手の器用さ、機能について評価した。


次のようになった。

・訓練前に比べ、訓練直後、3週間後ともにすべての評価で著しい向上があった。

・訓練前の運動レベルが高いほど、訓練後の向上度も大きかった。


ピアノ訓練は慢性期脳卒中患者の上肢訓練に持続的な改善をもたらしうる、


というおはなし。

音楽サポートセラピー


感想:

タブレットアプリにも似たようなのがあるからどんどんやってみればいいと思う。

2014年9月15日

大麻をやった若者が脳梗塞になったという事例


Acute temporal lobe infarction in a young patient associated with marijuana abuse: An unusual cause of stroke.
2014  9月  トルコ

若者の薬物中毒と脳卒中との関連は多く指摘されている。
一方、大麻はコカイン、ヘロイン、アンフェタミンなどに比べるとずっと広く使われているのものの、関連する脳卒中の報告は多くない。

大麻が原因と考えられる事例があったそうな。


・23歳の男性が救急搬送されてきた。

・右半身の脱力と強い眠気があった。

・それまで病気はなく、
・喫煙以外の脳卒中家族歴などのリスク要因はなかった。

・アルコールは正常値だった。

・尿から大麻関連物質(THC)が検出された。

・MRIで脳梗塞と判明した。


若者の脳梗塞と薬物使用は関連がある。若い脳梗塞患者には薬物検査が必要だろう、


というおはなし。

大麻 オバマ


感想:

最近オバマが「大麻はアルコールほど危険ではない」って言っていただけに、大麻よりは喫煙のほうが原因としてはるかに実績あるしそっちを疑うべきなんじゃないか、、、と思った。


2014年9月14日

歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について


The effect of various dual task training methods with gait on the balance and gait of patients with chronic stroke.
2014  8月  韓国

歩行訓練中に運動または認知関連の別の課題を加えた場合の回復程度の違いを調べてみたそうな。


33人の慢性期脳卒中患者について、トレッドミル歩行訓練を1回30分x週3回x8週間行った。

この訓練最中に運動課題、または認知課題を与えた。

運動課題は、ボール投げ、ボタンどめ、水移しなど5種類の計15分間。

認知課題は、連続引き算、単語の反対読み、カウントダウンなど5種類の計15分間。

そして被験者を、

*運動課題x2セット
*認知課題x2セット
*運動課題x1+認知課題x1セット

の3グループに分けてリハビリ後の歩行能力を複数の指標で比較したところ、


次のようになった。

・ タイムアップアンドゴーテストを除く、 Four square stepテスト、10m歩行テスト、6分間歩行テストなどほとんど全てで運動課題+認知課題グループが著しく良い成績を収めた。


脳卒中患者の歩行訓練に別の課題をプラスする場合、運動課題と認知課題を両方行ったほうが一方のみよりも効果が高い、


というおはなし。



感想:

歩きスマホには繊細な指の動きが要求され、同時に考え事に没頭できる。リハビリに最適だと思った。

2014年9月13日

精確な鍼刺激で脳卒中患者の脳の特定の領域が反応した


Acupuncture at Waiguan (SJ5) and sham points influences activation of functional brain areas of ischemic stroke patients: a functional magnetic resonance imaging study.
2014  2月  中国

脳卒中患者への鍼刺激が特異的に脳の活動に影響するものか調べてみたそうな。


16人の脳梗塞患者について、脳卒中に効くとされている Waiguan (SJ5)というツボ(右側)への鍼刺激を行った。

このうち半数は Waiguan (SJ5)に近接する別の場所を刺激した。(偽刺激)

両グループについて脳機能MRI検査を行い、比較したところ、


次のことがわかった。

・本刺激により、右脳のブロードマンエリア7,18,19,23,39野に活動が見られた。

・さらに両側の4,6,45、右の1,5、左の21野に抑制が見られた。

・偽刺激によって、右の7野で活動が、左の10野に抑制が見られた。

・統計学的比較により、本刺激では健常側脳のブロードマン5野への抑制反応が特異的だった。


ブロードマン5野の特異性変化が、ツボWaiguan (SJ5)への鍼刺激が脳卒中患者に効く理由なのかも知れない、


というおはなし。

Waiguan (SJ5)
Waiguan (SJ5)と偽刺激の位置



感想:

ほんとうだとしたら ツボが実在する証拠になるんじゃないのか?

2014年9月12日

中国でも脳卒中で肩が痛くなるの?


Pain management of hemiplegic shoulder pain post stroke in patients from Nanjing, China.
2014  9月  中国

中国での脳卒中患者の肩の痛みの特徴を調べてみたそうな。


2007-2012、南京の病院3施設の脳卒中患者106人について医療記録を調査したところ、


次のことがわかった。

・肩の痛みのある患者の人数は年々増加傾向にあった。

・56.6%が癒着性関節包炎、17.9%が肩関節亜脱臼、13.2%が複合性局所疼痛症候群、12.6%が中枢性疼痛とされた。

・主な症状は、肩の痛みで100%、肩関節の動き制限で98.1%、肩関節の固着で56.6%だった。

・MRIでは57.1%に腱靭帯の損傷、38.1%に腱板損傷が見つかった。

・包括的なリハビリによって肩の痛みは著しく改善した。

・特に鍼治療を併用すると効果が高かった。


というおはなし。


感想:

「肩手症候群」って診断はないのかな。
「肩手症候群」って知ってた? →肩が痛くなって手がむくむ

ちゃんと鍼治療を滑りこませるところが中国。

2014年9月11日

僻地の病院が脳卒中患者数を増やすために採ったマーケティング戦略とは


Stroke Education for Multidisciplinary Medical Personnel in a Rural Area of Japan for Promotion of Hospital Visit of Acute Stroke Patients.
2014  9月  日本

病院を訪れる脳卒中患者数を増やすために、日本のある田舎の病院が職員向けに脳卒中教育を行ってみたそうな。


病院職員217人を対象に急性期脳卒中の特徴、FAST(顔、手、言葉、時間)の意味などについて、20分間の講義を行った。

講義前と3ヶ月後の知識をテストした。


次のようになった。

・FASTの意味について正答率が78%→90%になった。

・FAST以外の知識(視野欠損など)についての正答率は3ヶ月後時点で50%ほどだった。

・急性期脳卒中患者、特にTIA患者の数が講義のあとに大きく増加した。


病院職員へのFAST教育により彼らの脳卒中知識が向上した。田舎の病院がより多くの脳卒中患者を迎え入れるためには全職員一丸となった意識改革が必要である、


というおはなし。


国保水俣市立総合医療センター

感想:

たった217人への教育だけど 田舎だけに対人口比率が無視できないレベルってことなんだろうな。

2014年9月10日

脳卒中は善悪判断に影響を与えるか?


Comparing Moral Judgments of Patients With Frontotemporal Dementia and Frontal Stroke.
2014  7月  チリ

脳の同部位に原因のある認知症患者と脳卒中患者とで道徳的判断に違いが見られるか調べてみたそうな。


前頭側頭型認知症患者19人、前頭部に血管病変のある脳卒中患者9人および同人数の健常者について、

あるシナリオ下での出来事と介在する主人公の意図の組み合わせを提示し、各々のケースの善悪を判定させたところ、


次のようになった。

・両疾患患者は、主人公が危害を加える意図がありながら実行しなかったケースを、健常者に比べて より「許せる」と判断した。

・さらに両疾患患者は、そうする意図はなかったのに危害を加えてしまったケースを、健常者に比べて より「許せない」と判断した。

・両疾患患者は、主人公の意図を汲み取ることをせず、結果重視だった。


この実験から両疾患患者は、結果と意図を統合する認知機能が低下していることがわかった、


というおはなし。

善悪判断

感想:

成果主義にかぶれて 「結果が全てだ!」といつも言っているひとは、ひょっとしたらある種の認知症なのかも知れない。

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