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2014年4月13日

慢性期脳卒中患者に幹細胞を注入したところ 翌朝には歩き出し話せるようになった


Stem Cells Show Promise for Stroke Recovery
2014  4月  アメリカ

骨髄から培養した幹細胞を脳卒中患者の脳に移植してみたそうな。

米国脳神経外科学会で先週発表された内容。


33-75歳の慢性期脳卒中患者18人に幹細胞を移植した。

幹細胞は他人の骨髄から培養したもので、移植前に免疫拒絶が起きないことを確認していた。

ドリルで頭蓋骨に穴を開け、5-10百万個の幹細胞を脳の損傷部位周辺に注入した。


次のようになった。

・6ヶ月間のフォロー中にすべての患者で改善が見られた。

・3人は手術の際の出血やひきつけ、感染症を生じたがすぐに回復した。

・免疫抑制なしでも有害事象は起きなかった。

・特に2人の女性で奇跡的な回復があった。

・彼女たちは71歳、33歳で発症後2年以上経っていて、それぞれ親指しか動かない、言葉を話せない状態だったが、手術の翌朝手足が動き やがて話せるようになった。


脳卒中患者への幹細胞治療の安全性とその効果の可能性が示された、


というおはなし。




感想:

スタップ細胞の実用化に期待しています。

2014年4月12日

脳卒中経験者に歩数計を持たせてみた


Feasibility and outcomes of a community-based, pedometer-monitored walking program in chronic stroke: a pilot study.
2014  4月  アメリカ

脳卒中を経験すると身体活動が低下する。

そこで歩数計を与えて運動が促される効果を調べてみたそうな。


平均年令60、発症後12年前後の脳卒中経験者11人に歩数計を与えて、毎日の歩数や体調を記録させた。

毎週 電話でウォーキングのアドバイスも行った。

6週間後、歩行機能、バランス、QoL等を測定し、開始前と比較した。


次のようになった。

・全員が歩数計を装着することができた。

・91%は歩数を自ら読むことができた。

・80%はこのプログラムに満足していた。

・有害事象はなかった。

・測定項目の全体的に大きな変化はなかった。

・病状と歩行可能距離に若干の変化があった。

・歩数増加と身体機能のへの関心の強さが関連していた。


歩数計ウォーキングプログラムが脳卒中経験者の身体活動を促す可能性が示された、


というおはなし。


感想:

数ヶ月前に歩数計を購入した。なるほど歩くのが楽しくなった。

これが選びに選び抜いた逸品。
3軸加速度センサー、ノイズ振動をカウントしない、シンプル操作、見やすい、安い、という特長。
写真:歩数計
タニタ(TANITA) 3Dセンサー搭載歩数計 FB-731


2014年4月11日

下肢のCI療法を試してみた


Modified constraint-induced therapy for the lower extremity in elderly persons with chronic stroke: single-subject experimental design study.
2014  4月  スウェーデン

上肢のCI療法はよく研究されているけれど、下肢のCI療法の研究はほとんどない。

そこで 実験してみたそうな。


高齢の慢性期脳卒中患者3人(男2女1)について、下肢のCI療法を1回2時間x週5日x4週間行いその効果測定を3ヶ月間フォローした。

下肢CI療法は、健側の脚全体を装具で固めて使えないようにし、麻痺脚のみを集中的に訓練した。


次のようになった。

・複数の評価項目の半分以上で著しい改善を示した。

・それらの効果が3ヶ月後も持続していた。


下肢のCI療法はバランス、歩行機能の改善に効果的かも知れない、



というおはなし。

図:下肢のCI療法


感想:

上肢CI療法の優れたところは、明らかに良くなりそうな患者のみを選別し、そうでない患者をぜったいに治療対象としないための基準を明確にした点にあると考える。

下肢の場合はいったいどのような表現で選別しているのか関心を持った。
読むと「補助なしで10メートル以上歩けること」が条件だった。

2014年4月10日

脳卒中で死なないためのお酒の飲み方


The frequency of alcohol consumption is associated with the stroke mortality.
2014  3月  フィンランド

飲酒の頻度と男性の脳卒中死亡率との関連を調べてみたそうな。


脳卒中歴のない2609人の男性を20年間あまり追跡調査した結果、


次のようになった。

・この間に66人が脳卒中で死亡した。

・飲酒頻度が週に0.5回未満の場合、飲酒しない人に比べ脳卒中死亡リスクは0.70だった。

・週に0.5-2.4回の場合は1.08、週2.5回以上の場合2.44だった。

・飲酒量を考慮に入れてもこの関連はほとんど同じだった。


飲酒頻度と脳卒中死亡率に強い関連があった。これは飲酒量に依らなかった。週に2.5回以上飲酒するとこのリスクが最大になった、


というおはなし。




感想:

たまに飲むのはかえってイイみたいね。

2014年4月9日

帯状疱疹のあとの脳卒中リスクはどのくらいヤバイのか


Risk of Stroke Following Herpes Zoster: A Self-Controlled Case-Series Study.
2014  4月  イギリス

帯状疱疹のあとは脳卒中になりやすいと言われている。

そこで帯状疱疹後の脳卒中リスクの上昇程度について詳しく調べてみたそうな。


1987-2012の医療データから帯状疱疹+脳卒中になった患者を抽出し、帯状疱疹後の期間別に脳卒中リスクを解析した。


次のようになった。

・6584人の患者データが集まった。

・帯状疱疹のあと脳卒中リスクが上昇し、高い状態が約6ヶ月間続いた。

・詳しくは、1-4週で1.63倍、5-12週に1.42倍、13-26週で1.23倍で、その後の上昇はなかった。

・特に、眼部帯状疱疹では脳卒中リスクが5-12週に3倍以上になった。

・55%に抗ウィルス薬治療が行われた。

・抗ウィルス治療を受けたグループでは脳卒中リスクが低かった。


帯状疱疹のあとの脳卒中リスクの上昇過程が明らかになった。抗ウィルス治療によって脳卒中リスクを低下できる可能性が示された、


というおはなし。




感想:

おれは退院してすぐに帯状疱疹になったぞ。いちどだけ。

2014年4月8日

豆腐は脳卒中にいいのか


Dietary Soy Intake Is Not Associated with Risk of Cardiovascular Mortality in Singapore Chinese Adults.
2014  4月  シンガポール

大豆食品は脳卒中や心臓病にイイと聞く。

そこで大豆蛋白質やイソフラボンの心血管系疾患死亡率との関連を長期的に調べてみたそうな。


シンガポールに住む45-74歳の中国人63257人について食事アンケートをとり追跡調査した結果、


次のようになった。

・大豆蛋白質の摂取量の中央値は1日あたり5.2gで、豆腐87gに相当した。

・大豆蛋白質を摂る量と心血管系疾患死亡率とのあいだにほとんど関連はなかった。

・同様に、イソフラボンや豆腐摂取量とも関連が見られなかった。

・脳卒中と冠動脈疾患を分けても関連がなかった。


大豆食品と脳卒中や心臓病死亡率との関連はほとんどないことがわかった、


というおはなし。


感想:

そんな説があるのか、と思って調べてみたら あった。
豆腐,納豆,味噌など大豆食品を多く食べると脳梗塞や心筋梗塞になる危険度が1/3以下に.しかし男性には効果無しと厚生労働省


2014年4月7日

ストレスと脳卒中


Stress resilience in male adolescents and subsequent stroke risk: cohort study.
2014  4月  スウェーデン

ストレスを跳ね返す力と脳卒中との関連について調べてみたそうな。


1952-1956年生まれの男性237879人について面談し、1987-2010まで追跡調査したところ、


次のようになった。

・この間に3411人が脳卒中になった。

・ストレス抵抗性の高い者に比べ低いグループでは脳卒中リスクが5割増しになった。

・この関連は社会経済状況や身体能力を考慮に入れるとかなり弱くなった。

・この関連は脳梗塞よりも脳出血で、軽い脳卒中よりも致命的な脳卒中でより明らかだった。


個人のストレス感受性や社会心理的ストレスが脳卒中の要因と考えられた。また、この関連には体力不足の問題も影響しているかも知れない、


というおはなし。


感想:

ストレスは脳卒中とすごく関連ありそうだと皆 思ってはいるけど、なかなか そうと口に出せない雰囲気がある。

2014年4月6日

すぐに亡くなるだろうと思って家族に臓器提供をお願いしたら患者にバッチリ聞かれていたという恐怖体験


Paralysed stroke victim experiences every patient's worst nightmare as he hears doctors discuss donating his organs but couldn't speak out
2014  4月  イギリス

スウェーデン人のジミーフリッツ43歳は、彼女との旅行中に脳内出血のため緊急入院した。

脳の画像を見た医師は、もう長くないから最後のお別れに彼の家族を呼ぶように言った。

ベッドを囲む家族に向かって医師が「彼が亡くなったあとの臓器提供を検討してほしい」と告げた。

ところが彼は 周囲の会話をすべて理解していた。麻痺のため意思表示をすることができなかったのだ。

3日後、休暇から戻った別の医師に 家族がセカンドオピニオンを求めたところ、治療可能であることがわかり快方に向かった。


3週間後 意思疎通ができるようになり、彼はこの恐怖体験を語った。


さらに2年後 彼は、脳死になっていない患者の前で臓器提供の話をした医師、病院、保健福祉庁を訴える手続きを始めた、


というおはなし。

写真:脳卒中患者臓器摘出


感想:

これは氷山の一角で、おおくは意識があるまま臓器を抜かれているんだろうね。

2014年4月5日

不眠症と脳卒中との関連について


Insomnia May Raise Stroke Risk
2014  4月  台湾

不眠症と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


21000人の不眠症患者と不眠症でない64000人を4年間追跡調査したところ、


次のようになった。

・この間に不眠症患者で583人、非不眠症者で962人の脳卒中が発生した。

・不眠症があると脳卒中になるリスクが54%増加した。

・特に、18-34歳に限定するとそのリスクは非不眠症者の8倍になった。

・不眠症状が重いほどそのリスクも高くなった。

・不眠症があると糖尿病や高血圧、高コレステロールのリスクも増える傾向にあった。



不眠症は脳卒中リスクを上昇させる。特に若年成人は要注意である、


というおはなし。



Insomnia Subtypes and the Subsequent Risks of Stroke: Report From a Nationally Representative Cohort.

2014年4月4日

高齢者の自殺の動機 ダントツNo.1は脳卒中と判明!


Health status and suicidal ideation in Korean elderly: the role of living arrangement.
2014  4月  韓国

韓国での近年の自殺者の増加は 主に高齢者で起きている。

そこで高齢者の自殺願望と身体的、心理的要因との関連を調べてみたそうな。


65歳以上の1743人について行ったアンケート調査の結果を解析したところ、


次のようになった。

・脳卒中経験と自殺願望の非常に強い関連が突出して目立っていた。

・日常動作の制限、抑うつ体験、高ストレスが自殺願望と強く関連していた。

・この関連は1人暮らしか否かに依らなかった。



脳卒中経験者で日常動作に障害のある人への自殺予防対策が必要だろう、


というおはなし。

図:自殺率 国別
by wikipedia


感想:

自殺率世界第3位の韓国からの報告だけにすごい説得力だ。

2014年4月3日

栄養失調になる割合と原因


The Long-term Nutritional Status in Stroke Patients and its Predictive Factors.
2014  3月  フランス

脳卒中後の栄養失調は珍しくなく予後に悪影響を与える。

そこで長期的な体重変化とその要因を調べてみたそうな。


71人の脳卒中患者について、
*入院直後、退院時、1年後、2年半後の体重
*栄養失調の有無
*関連要因
を調査した。


次のようになった。

・脳卒中専門病棟で体重が4.0kg減少した。

・リハビリ病院に移ると2.0kg増加した。

・そして時間をかけて徐々に元の体重に近づいた。

・最終的に、40.1%が元の体重を下回った。

・38.0%は発症前より大きく体重が増えた。

・21.1%は比較的安定していた。

・体重変化の要因は、食べ物への嗜好の変化だった。

・47.9%が栄養失調で、食事量の減少、施設への入所、糖尿病と関連があった。


栄養失調はよくあることで、食事量の減少や食べ物への嗜好の変化が原因と考えられた、


というおはなし。

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