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2013年12月12日

脳卒中患者ってボーっとしてるか眠ってるかだよね


Post-Stroke Apathy and Hypersomnia Lead to Worse Outcomes from Acute Rehabilitation.
2013  10月  アメリカ

脳卒中後のアパシー(無気力状態)や過剰睡眠が予後にどんな影響があるのか調べてみたそうな。


急性期リハビリ施設に入院した213人の脳梗塞、脳出血患者の医療データを見なおして解析したところ、


次のようになった。

・21%がアパシーと診断された。

・5.6%が過剰睡眠だった。

・これらの患者には認知機能や注意力の低下、ウツが見られた。

・アパシー患者は自立度が低く、介護施設に送られる可能性が2.4倍で、

・過剰睡眠も同様に自立度が低く、介護施設への可能性は10倍だった。


アパシー、過剰睡眠患者を早くみつけることでなにか対策がとれるかもしれない、


というおはなし。

写真:過剰睡眠


感想:

当時、入院中はとてもヒマで、おまけに現実がつらすぎて、みんな眠るしかやることがなかった。

いまはスマホとかあるから 状況違うんじゃないかな。


2013年12月11日

ロボット上肢トレーニングやってみた


Randomized Trial of a Robotic Assistive Device for the Upper Extremity During Early Inpatient Stroke Rehabilitation.
2013  12月  イタリア

脳卒中患者の早期のロボット上肢トレーニングは効果的であると言われている。
確かめてみたそうな。


発症後15日以内の脳卒中片麻痺患者34人について、ロボットトレーニングあり、なしのグループに分けた。

両グループともに上肢リハビリを、1回120分×週5日×5週間行った。
ロボットトレーニンググループはNeReBotを使用し、リハビリ時間のうち35%をこれに充てた。

トレーニング後7ヶ月間効果を追跡した。


次のようになった。
・追跡期間中、運動機能、器用さ、日常生活動作いずれも両グループ間で差は見られなかった。


ロボット上肢トレーニングは通常のリハビリを超えるものではなかった、


というおはなし。


写真:上肢支援ロボット

2013年12月10日

Wii Fitでリハビリやってみた


Visual Biofeedback Balance Training Using Wii Fit after Stroke: A Randomized Controlled Trial.
2013  8月  ブラジル

視覚フィードバック装置を使った脳卒中片麻痺患者のバランス訓練の効果を調べてみたそうな。


任天堂のWii Fitをバランス機能の視覚フィードバック装置として採用し、これを用いた場合とそうでない場合での理学療法の成果を20人の患者について比較した。


次のようになった。
・両グループ共にバランス機能、自立度が大きく向上した。

・両グループ間で統計的に有意な差は見られなかった。


Wii Fitを用いたバランス訓練を行ったが、通常のリハビリを上回るような効果は確認できなかった、


というおはなし。





感想:

リハビリ病院にWii Fitあったけど、ほこりかぶってた。

1回やったらすぐに飽きた。

療法士さんを相手にするのが楽しいのにゲームなんてやってられない、と思った。

2013年12月9日

やっぱり効果なし? ビタミンBで脳卒中予防


Effect of B-vitamin Supplementation on Stroke: a Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials.
2013  11月  中国

ビタミンBは動脈硬化を防ぐすると言われている。
そこで、ビタミンBサプリメントの脳卒中予防効果を調べてみたそうな。


医学研究データベースから関連する論文を厳選し、データを統合、再解析した結果、


次のようになった。
・57143人、2555件の脳卒中事例を含む18件の臨床試験がみつかった。

・ビタミンBサプリメントで脳卒中リスクはあまり下がらなかった。

・被験者の男/女比率が2を超えるセッティングだと若干のリスク減少効果が見られた。


ビタミンBサプリメントの脳卒中予防効果は認められなかった。でもひょっとしたら男性には効果があるかも知れない、


というおはなし。

2013年12月8日

脳卒中後のボケはエアロビクスで治る


Aerobic exercises enhance cognitive functions and brain derived neurotrophic factor in ischemic stroke patients.
2013  11月  エジプト

脳卒中にはなんらかの認知障害がつきものである。

そこで、有酸素運動が認知機能を改善するものかどうか、神経の成長を司るタンパク質に着目して調べてみたそうな。


前頭部の脳梗塞で入院した患者30人について、通常の理学療法に加えて有酸素運動を行うグループと なしのグループに分けてその前後での認知機能テストおよび脳由来神経栄養因子(BDNF)の血中濃度を測定、比較した。


次のようになった。

・有酸素運動グループで認知機能テストスコアが著しく向上した。

・同様に、有酸素運動グループでBDNF濃度も大きく上昇した。

・BDNF濃度の上昇度と認知機能テストのスコアの改善度とは関連があった。


脳梗塞患者の認知機能は有酸素運動で改善した。これは血中BDNF濃度と関係していた、


というおはなし。


2013年12月7日

高齢者の視床出血が急増中 日本で


Trends in the Incidence and Survival of Intracerebral Hemorrhage by its Location in a Japanese Community.
2013  11月  日本

脳内出血の日本での発症数と発症部位の傾向を調べてみたそうな。


久山町住民を対象に行った3回の追跡調査の結果を解析したところ、
1回目:1961- (1618人)
2回目:1974- (2038人)
3回目:1988- (2637人)


次のようになった。
・各調査は13年間フォローされた。

・1回目→2回目にかけて脳内出血件数は大きく減少した。

・60-69歳での被殻出血は減少傾向にあるものの、

・視床出血は70歳以上で急増した。

・危険要因である高血圧と飲酒の割合はおおきく減少した。


高血圧とアルコール対策によって脳内出血者は一時期減少傾向にあったが、高齢者の視床出血の急増により相殺されてしまった、


というおはなし。

図:視床出血
Putamenが被殻、Thalamusが視床出血


感想:

視床出血の増加は高齢者が長生きするようになったのが理由かな。

ちなみに自分は被殻出血だった。


2013年12月6日

クライストチャーチ地震で脳卒中は増えたのか?


The Christchurch earthquake stroke incidence study.
2013  11月  ニュージーランド

震災と脳卒中との関連を調べてみたそうな。

ニュージーランドで起きた最近2回の震災前後での脳卒中発生数を調べた。

2010/9/4と2011/2/22の震災後の6週間の入院患者数と前年同時期のそれを比較した。


次のようになった。

・2010/9/4の震災では、
地震後97人(81%は脳梗塞)の入院患者があった。
前年は、104人(77%が脳梗塞)だった。

・2011/2/22の震災では、
地震後71人(79%は脳梗塞)の入院患者があった。
前年は、96人(75%が脳梗塞)だった。

・この調査期間中、心塞栓症や心房細動由来の脳梗塞比率は変化なかった。

・2011の震災直後は退院して自宅に戻る患者の数が若干減った。

・震災前後での週ごとの入院者数にも前年比で変化はなかった。


震災による強い心理的ストレスは短期的な脳卒中リスクにはなりえなかった、


というおはなし。

写真:クライストチャーチ地震


感想:

この記事と一致する。
東日本大震災のあと、脳卒中はぜんぜん増えていなかった…

2013年12月5日

ビタミンCは脳卒中予防にイイのか?


Vitamin C intake, circulating vitamin C and risk of stroke: a meta-analysis of prospective studies.
2013  11月  中国

ビタミンCの脳卒中予防効果は実はよくわかっていない。
そこで、これまでの研究を見なおしてみたそうな。


医学研究データベースから関連する論文を厳選し、データを統合、再解析した。


次のようになった。

・ビタミンCをほとんど摂らない人と比べた脳卒中の相対リスクは下図のようになった。
図:ビタミンCと脳卒中リスク
一日のビタミンC摂取量と脳卒中リスク


・ビタミンCサプリメントについての研究はほとんどなかった。



ビタミンCを多く摂るほど脳卒中リスクが概ね下がることがわかった、


というおはなし。



2013年12月4日

脳卒中患者はヤバイくらいに動いていないことが判明


Measuring activity levels at an acute stroke ward: comparing observations to a device.
2013  10月  オーストラリア


加速度センサーを使った脳卒中患者の活動測定が当てになるものかどうか調べてみたそうな。


発症後2週間以内、18歳以上の脳卒中患者20人について、2軸加速度センサー記録装置を脚に付けて朝8時から夕5時までの行動を記録した。
並行してビデオ記録を取り、患者の状態を、寝ている、座っている、立っているの3つの状態に分類し、比較した。


次のようになった。

・各状態の割合の中央値は、寝ている:36%、座っている51%、立っている:2% だった。

・加速度センサーの結果と実際の観察結果とは非常によく一致していた。


急性期脳卒中患者の活動レベルは非常に低くかった。加速度センサーを使った観測結果は妥当なものだった、


というおはなし。

図:行動時間


感想:

当時、ちょっと歩いただけですごい達成感があったから
実際の活動時間を知ると異常に短い印象を受ける。


現在もデスクワークが多いから、ほんとうの活動時間を知りたいね。

本気でFitBitが欲しくなってきた。
歩数計はもう古い!FitBitを着けた脳卒中患者が増える予感

2013年12月3日

脳卒中で便秘は異常なことなのか?


Poststroke constipation in the rehabilitation ward: incidence, clinical course and associated factors.
2013  11月  台湾

脳卒中後の便秘とその特徴について調べてみたそうな。


リハビリ施設に入院した急性期脳卒中患者の医療データを解析した結果、

2013年12月2日

神童と呼ばれていた人ほど脳卒中になりにくい理由とは


IQ in childhood and atherosclerosis in middle-age: 40 Year follow-up of the Newcastle Thousand Families Cohort Study.
2013  12月  イギリス

子供のころ知能の高かった人は冠動脈疾患になりにくいといわれている。
そこで、子供のころの知能指数(IQ)と脳卒中の原因でもあるアテローム性動脈硬化との関連を調べてみたそうな。


1947年に生まれた1142人について、11歳時点でのIQを測定した。
その結果と、49-51歳時点の健康診断で得られたアテローム性動脈硬化の指標でもある頸動脈内膜厚の測定結果との関連を解析したところ、


次のようになった。

・子供の頃IQの高かった者は中年時の頸動脈内膜厚が薄かった。

・同様の関連が国語や算数の成績との間にも見られた。

・教育など他の要因を考慮に入れてなお、この関連は明らかだった。


子供のころIQが高かった人は、のちにアテローム性動脈硬化になりにくいことがわかった、


というおはなし。






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