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2013年11月26日

膝のテーピングと片麻痺リハビリについて


The Effects of Taping Prior to PNF Treatment on Lower Extremity Proprioception of Hemiplegic Patients.
2013  9月  韓国

脳卒中片麻痺患者へのテーピング効果を調べてみたそうな。


30人の脳卒中片麻痺患者について、次の2グループに分けた。

*固有受容性神経筋促通法(PNF)+キネシオテーピング

*神経発達学的治療(NDT) のみ

4週間の治療の後、膝の角度、バランス、歩行機能について測定、比較した。


次のようになった。

・テーピンググループではリハビリ前後でバランス、歩行機能が著しく改善した。

・足首の背屈、バランス、歩行機能に両グループで大きな差が見られた。


リハビリの前に膝にテーピングをすると回復がはかどるかもしれない、


というおはなし。




感想:

これって、比較実験になってるのかな?


2013年11月25日

日本の理学療法士はどういう根拠に基づいて仕事をしているのか?


Are Contents of Physical Therapy in Nine Japanese Hospitals for Inpatients with Stroke Related to Inpatients' and Physical Therapists' Characteristics?
2013  6月  日本

日本の理学療法士が普段いったいなにをやっているのかはよくわかっていない。
そこで彼らの脳卒中患者向けの活動内容を詳細に調べてみたそうな。


9施設85人の理学療法士に脳卒中患者(216人)向けのリハビリセッション内容を5分刻みで自己申告してもらった。
この結果と患者の医療データとの関連を解析した。


次のようになった。

・歩行や移動訓練に費やした時間と患者の機能回復程度とは強い関連があった。

・リハビリ時間の多くは姿勢チェックや準備作業に費やされ、患者の実動時間は非常に少なかった。

・それらの時間配分に患者の状態はあまり反映していなかった。

・施術内容と療法士の経験年数との関連も弱かった。


脳卒中患者向けのリハビリ内容と、患者の状態や療法士の経験との間にはほとんど関連が見られなかった。現場の理学療法がいったいどういう根拠に基いて行われているのかますますわからなくなってきた、

というおはなし。
図:理学療法士


感想:

とても興味深く読んだ。
リハビリ病院に入ってもちっとも良くならない理由

2013年11月24日

肥満患者は回復も早いのか?


Favorable Functional Recovery in Overweight Ischemic Stroke Survivors: Findings from the China National Stroke Registry.
2013  11月  中国

ボディマス指数(BMI)と脳卒中死亡率が相反する関係にあることは肥満パラドックスとして知られている。
そこで、脳卒中後の機能回復とBMIとの関連について調べてみたそうな。


10905人の脳梗塞患者について、BMIと発症3ヶ月時点での機能回復状態との関連を解析したところ、


次のようになった。
・ modified Rankin Scaleが0-1に相当する機能回復が非常に良好な者の割合は、

*低体重(BMI<18.5)  →52.4%
*標準体重(BMI=18.5-22.9)→55.0%
*過体重(BMI=23-27.4)→61.0%
*肥満(BMI=27.5-32.4)→59.2%
*重度肥満(BMI>32.5)→60.3%  だった。

・一方、死亡率は順に、14.9、7.8、7.1、7.2、11.5で、重度肥満では高かった。


脳卒中患者での肥満パラドックスは、機能回復についても同様であることがわかった。ただし肥満も過ぎるとその限りではなさそう...


というおはなし。

写真:肥満

2013年11月23日

3ヶ月後、経口摂取できる患者の割合と傾向


Temporal trends in oral intake ability 3 months after acute ischaemic stroke: Analysis of a single-centre database from 2003 to 2011.
2013  11月  日本

脳卒中の3ヶ月後に経口摂取できる者の割合と この9年間の傾向について調べてみたそうな。


2003-2011に済生会熊本病院に入院した脳梗塞患者の医療データを解析した。
ただし もともと状態の悪かった者や亡くなった者のデータは除外した。


次のようになった。

・2913人の患者のうち、発症3ヶ月時点で経口摂取できた者の割合は92%だった。

・この割合は調査期間を通して著しい増加傾向にあった。

・この傾向は年齢、性別、他のリスク要因に関わらず顕著だった。


この10年ほどで、脳梗塞患者が発症3ヶ月後に経口摂取出来ている割合は大きく増加した、


というおはなし。

図:経口摂取の割合傾向

2013年11月22日

HONDAが歩行アシスト装置の臨床試験を開始! なぜかシカゴで


Honda Walking Assist Device begins US testing at Rehabilitation Institute of Chicago
2013  11月  アメリカ

ホンダがシカゴのリハビリテーション病院で歩行アシストロボット装置の脳卒中患者への臨床試験を開始したそうな。

この装置は重さ約3kg、1回の充電で1時間使用できる。
写真:ホンダ歩行アシスト

アシモテクノロジーがついに役立つ時がきた、

というおはなし。

詳しくは、
*ニュースリリース

*使い方動画多数 →坂も階段もスイスイ


感想:

HALとはなんだったのか...

2013年11月21日

肩の痛みの原因がわかったかもしれない


Muscle Pain Intensity and Pressure Pain Threshold Changes in Different Periods of Stroke Patients.
2013  11月  台湾

脳卒中のあとの筋肉の痛みの特徴を調べてみたそうな。


平均年齢62、145人の脳卒中患者について発症からの時期別に3ヶ月、1年前.後にグループ分けした。肩や腕の筋肉の圧痛点を決めて、その痛み強度、閾値を測定比較した。


次のようになった。

・発症後3ヶ月以内がもっとも筋肉の自発痛強度が高く、さらに圧痛にも敏感で、

・48%が麻痺側に中程度から重度の痛みを感じていた。

・自発痛は健常側よりも麻痺側で激しかった。

・しかし、その圧痛閾値には両側で明らかな違いはなかった。


脳卒中患者では 麻痺側の筋肉の自発的な痛みは珍しいものではなかった。その圧痛閾値変化の左右対称性から、これは中枢感覚メカニズムに由来するものと考えられた、


というおはなし。

図:肩の痛み


感想:

なぜか肩の筋肉が痛かった。

はんぱなく痛かった。

退院後、素人に説明してもだれも真に受けてくれなかった。

1年以内にほぼ消えた。


2013年11月20日

脳波でバーチャルハンドを操作する最先端リハビリとは


American Heart Association Meeting Report: Abstract 18886 (Hall F, Core 2, Poster Board: 2197)
2013  11月  アメリカ

ミネソタ大学の研究チームが、脳とコンピュータをつなぐリハビリ装置を作ったそうな。


脳卒中患者の脳波をモニターして手の3D映像を思考イメージだけで動かす装置を開発した。


この装置をつかった運動イメージトレーニングを、脳卒中で手が麻痺した患者に2時間×3セット行ったところ、81%の高精度でバーチャルハンドを操作することができるようになった。


将来こういった技術がリハビリシーンで当たり前に使われるようになるだろう、


というおはなし。


同じ研究チームによるブレインコンピュータインターフェース実験のデモビデオ(2分半)
とてもわかりやすい。





2013年11月19日

脳卒中予防になるコーヒーの量がわかった


Long-Term Coffee Consumption and Risk of Cardiovascular Disease: A Systematic Review and a Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies.
2013  11月  アメリカ

コーヒーと脳卒中との関連を調べてみたそうな。


脳卒中を含む心血管系疾患とコーヒー摂取量との関連を調査した過去の研究を厳選、データを統合、再解析したところ、


次のようになった。

・信頼の置ける36件の研究、120万人分のデータが集まった。

・コーヒー摂取量と心血管系疾患との関係は線形的ではなかった。

・まったくコーヒーを飲まない者に比べ、

・1日に1.5カップだとそのリスクは0.89、

・3.5カップでは0.85、

・5カップでは0.95だった。


コーヒーの摂取量と脳卒中リスクは直線関係ではなかった。
1日に3-5カップほどの量を飲むともっともリスクが低かった。
また、飲み過ぎたからと言ってリスクが上がるわけでもなかった、

というおはなし。

写真:コーヒー

感想:

2-3年まえまではコーヒーを飲むと左半身がひどく痺れて起きて居られないほどだったけど、最近はいつの間にか眠気覚ましにコーヒー飲むようになっていることに気づいた。


2013年11月18日

障害受容できない脳卒中患者の特徴とは


Acceptance of disability and its predictors among stroke patients in Taiwan.
2013  11月  台湾

障害の受容が進めば適切なリハビリを行うことができて健康増進にもつながる。
脳卒中患者の障害受容度と関連要因について調べてみたそうな。


発症3ヶ月以降の脳卒中患者175人にアンケート調査を行い、障害受容スコアを算出し、医療データとの関連を解析した。


次のようになった。

・障害受容スコアの平均は72で(範囲32-128)、かなり低い値だった。

主に、

*信仰する宗教がない

*発症後間もない

*再発した

*身体機能が衰えている

という患者ほど障害受容スコアが低かった。


これらの特徴から 障害受容度の低い患者を早期に見分けることができ、適切なリハビリ計画の助けになるだろう、


というおはなし。


感想:

脳卒中患者は他の病気にくらべ障害受容度が低いらしい。

わかる気がする。

外傷もなく しかも脳のほとんどの領域が まだまともに残っているのだから...




2013年11月17日

脳卒中予防には歩く時間が大切 距離やスピードじゃなくてジ・カ・ン


Protective Effect of Time Spent Walking on Risk of Stroke in Older Men
2013  11月  イギリス

高齢男性の歩行時間と脳卒中との関係を調べてみたそうな。


60-80歳の健康な男性3435人について10年間追跡調査したところ、


次のようになった。

・歩行時間が週に3時間未満の者に比べ、8-14時間の者は脳卒中リスクが3割低下した。

・週に22時間以上歩行する者の脳卒中リスクは6割低下した。

・8時間以上歩く者の割合は42%で、22時間以上の者は9%だった。

・歩行時間が週に3時間未満の者は1年間に1万人中80人が脳卒中になり、

・週に8-14時間の者は1年間に1万人中55人が脳卒中になった。

・この傾向は歩行のペースに依らなかった。

距離やスピードではなく、週に何時間歩くかが脳卒中リスクに大きく影響することがわかった、


というおはなし。

写真:ウォーキングマン


感想:

やばい、ぜんぜん足りてない。


2013年11月16日

脳が再生する運動強度がわかった


Effects of exercise intensity on spatial memory performance and hippocampal synaptic plasticity in transient brain ischemic rats.
2013  10月  台湾

脳卒中のあとの運動が記憶障害を改善することが知られている。
そこで、脳卒中のあとの運動強度と記憶を司る海馬神経の可塑性との関連を調べてみたそうな。


人為的に脳虚血状態にしたネズミを次の3グループに分けた。

*じっとしてるグループ
*低強度運動グループ
*高強度運動グループ

脳虚血の翌日からトレッドミルを使って毎分8mまたは20mペースで1日30分間×14日間運動させた。

記憶力、神経成長関連蛋白質(BDNFなど)、神経の樹状構造を評価した。


次のようになった。

・じっとしてるグループに比べ低強度運動グループの記憶力テストの結果がよかった。

・高強度運動グループではこのようにはならなかった。

・神経の樹状構造の複雑さと関連蛋白質は低強度運動グループでのみ増加した。

・高強度運動グループのコルチコステロンが多く、高ストレス下状況を示していた。


脳虚血のあとの無理のない運動は、神経の可塑性を促し、記憶機能を向上させることがわかった、


というおはなし。



写真:延びた神経
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