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2013年6月28日

【新たなる希望】水素療法が脳梗塞患者を救う!


Safety of intravenous administration of hydrogen-enriched fluid in patients with acute cerebral ischemia: initial clinical studies.
2013  6月  日本

水素療法の脳梗塞患者への応用はほとんど前例がない。

そこで実際に人間で試してみたそうな。


38人の急性期脳梗塞患者に水素を添加したブドウ糖溶液を静脈点滴した。

必要な患者には血栓溶解療法t-PAも併用した。


次のようになった。

・合併症が2件起きた。(下痢、心不全)

・それ以外の問題はなく、患者は順調に回復した。


水素療法は急性期脳梗塞患者にt-PAと併用して使っても安全だった、


というおはなし。




感想:

水素療法なるものを初めて知った。

検索すると何やら???なサイトしかヒットしない。

なのに、この研究は防衛医大のもので、倫理委員会の承認もあるという。


数日前のクローズアップ現代を思い出した。
追跡 再生医療トラブル~体性幹細胞治療の闇~
体性幹細胞治療は効果や副作用がはっきりしていない“未知の医療”にも関わらず、法的な規制がないため自由診療の下、全国のクリニックで実施されている。規制のない日本に海外のバイオベンチャーが患者を送り込み治療を行うケースも急増。患者が死亡したり失明したりするケースも出ている。
といった内容だった。


ちょっと思い出しただけ。

2013年6月27日

背屈筋を鍛えれば歩けるようになるという根拠について


Ankle dorsiflexor, not plantarflexor strength, predicts the functional mobility of people with spastic hemiplegia.
2013  6月  香港

脳卒中片麻痺患者の歩行能力と足首の筋力との関係を調べたそうな。


73人の片麻痺患者について、アップアンドゴーテストの時間と足首筋肉の痙縮の程度、筋肉別の筋力を測定し関連を解析した。


次のようになった。

・アップアンドゴーテストに要した時間は、麻痺側の足首背屈筋力が強いほど短かった。

・足底屈筋力とはあまり関連がなかった。



麻痺側のつま先を持ち上げる背屈筋力はアップアンドゴーテストで好タイムを出す重要なポイントだった。つまり、これを鍛えれば歩けるようになるかもしれない、


というおはなし。




これがアップアンドゴーテストだ




感想:

このテーマはときどき出てくる。

つま先を上げる筋肉を鍛えると速く歩けるようになる

2013年6月26日

ヨーガや瞑想の脳卒中リハビリ効果ってどうなの?


Yoga and mindfulness as therapeutic interventions for stroke rehabilitation: a systematic review.
2013  5月  アメリカ

ヨーガやマインドフルネス瞑想法を使った脳卒中リハビリの効果を調べてみたそうな。


医学データベースを検索して、関連のある研究を抽出し、内容を検証した。


次のようになった。

・5件のランダム化比較試験と4件の事例報告、1件の定性的研究が見つかった。

・概ねポジティブな内容で、認知、気分、バランスの改善、ストレスの低減が報告されていた。

・研究毎に実践手法が大きく異るため比較が困難だった。


ヨーガやマインドフルネス瞑想法は脳卒中患者の自己管理能力の改善に役立つかも知れないが、
さらなる研究が必要だろう、


というおはなし。

2013年6月25日

持ち家がない中年女性は脳卒中にとてもなりやすいことが判明


Educational and homeownership inequalities in stroke incidence: a population-based longitudinal study of mid-aged women.
2013  6月  オーストラリア

中年女性の脳卒中と社会経済的状況との関連を調べてみたそうな。


1946-51年生まれの女性の3年毎の調査データを解析した。


次のようになった。

・47-52歳の女性11468人のうち、12年間に177件の脳卒中が発生した。

・学歴と持ち家の有無が脳卒中と大きく関連していた。

・生活習慣(喫煙、運動、飲酒、肥満)や既往歴、抑うつ、夫婦間の状況などの因子を考慮に入れると、学歴と脳卒中の関連はさほど強くなかった。

・しかし、持ち家が無い場合の脳卒中リスクは依然高く、持ち家がある人に比べ1.6倍だった。


学歴の低い中年女性は脳卒中リスクが高かったが、これは生活習慣などで説明がついた。一方、持ち家がない場合にも脳卒中リスクが高く、この理由は不明だった、


というおはなし。

写真:持ち家

2013年6月24日

週末の脳内出血は死亡リスクが2.5倍


The influence of the day of the week of hospital admission on the prognosis of stroke patients.
2013  4月  ブラジル

平日入院と週末入院とで脳卒中患者の予後に違いがあるのか調べてみたそうな。


2006-2008に入院した35歳以上の脳卒中患者430人を1年間追跡したデータを解析した結果、


次のようになった。

・曜日ごとの脳梗塞、脳内出血の入院患者数に差はなかった。

・週末入院した脳内出血患者の1年生存率は平日入院より低かった。

・脳内出血出血の場合、週末入院での死亡リスクは平日入院患者の2.5倍だった。

・脳梗塞患者ではこのような傾向は見られなかった。


週末入院の脳内出血患者は生き残るのが難しい


というおはなし。



感想:

週末問題は何度か取り上げたことを思い出した。
週末に入院するなら "総合脳卒中センター" を選べ

週末の脳卒中入院は少しキケン

週末の脳梗塞患者はtPAをいただきやすい

2013年6月23日

喫煙習慣のある脳梗塞患者はなぜか死亡率が低い


Paradoxical association of smoking with in-hospital mortality among patients admitted with acute ischemic stroke.
2013  6月  アメリカ

喫煙習慣があると、心筋梗塞患者の死亡率が低くなるという報告がある。

脳梗塞でも同様の傾向があるか、確かめてみたそうな。


脳梗塞患者4305人分の医療データについて、喫煙習慣の有無と院内死亡率との関連を解析した結果、


次のようになった。

・喫煙者は概ね若く、男性が多かった。また、高血圧や高脂血症、糖尿病などの危険因子も少なかった。

・喫煙者の神経症状は軽く、tPA治療を受ける者も少なかった。

・喫煙者の院内死亡率は6.6%、非喫煙者は12.4%だった。

・年齢、高血圧、糖尿、高脂血症、神経症状、tPA治療の有無等の危険因子を考慮に入れてなお、喫煙者の院内死亡リスクは、非喫煙者に比べ36%低かった。


心筋梗塞の場合と同様に、喫煙習慣のある脳梗塞患者の院内死亡率は明らかに低かった、


というおはなし。

写真:喫煙習慣


感想:

かと言ってタバコを吸うと、脳梗塞になりやすいわけで、

結局、タバコは毒にも薬にもならないってことでいいんじゃないかな と思う。



2013年6月22日

ミラーセラピーで運動機能が改善する


Mirror therapy for improving motor function after stroke.
2013  1月  ドイツ

脳卒中患者へのミラーセラピーの効果についてこれまでの研究を総まとめしてみたそうな。


医学データベースから信頼の置ける14件、総計567人の被験者を含む研究がみつかった。

これらを統合、再解析した結果、

次のようになった。

・ミラーセラピーは運動機能の改善に著しい効果があり、6ヶ月後も効果が持続する。

・日常生活動作の改善にも効果がある。

・疼痛対策にもなる。

・半側空間無視には効きそうにない。



というおはなし。



感想:

この研究者は以前この↓研究を行なっていて、
ミラーセラピーの最新成果: 麻痺していた手が…
今回とはまったく逆の結果を得ている。

これで改心したのだろうか。

2013年6月21日

脳卒中経験者の4人に1人が心的外傷後ストレス障害(PTSD)と判明


Prevalence of PTSD in Survivors of Stroke and Transient Ischemic Attack: A Meta-Analytic Review
2013  6月  アメリカ

TIAを含む脳卒中経験者に、心的外傷後ストレス障害(PTSD)がどれくらい見られるのものなのか、調べてみたそうな。


医学データベースから関連のある研究を厳選して、データ統合の後、再解析した結果、


次のようになった。

・計1138人の被験者が参加する9件の研究が見つかった。

・発症後1年以内のPTSDの割合は、23%だった。

・1年以上にわたりPTSDが続く者の割合は11%だった。


PTSDは戦闘や性的暴行により生じると考えられているが、脳卒中患者の4人に1人はPTSDであり珍しいものでは無かった


というおはなし。

図:PTSDと脳卒中

2013年6月20日

血圧のくすり?面倒だからもういいよ... → 再発して死亡


Impact of a better persistence with antihypertensive agents on ischemic stroke outcomes for secondary prevention.
2013  6月  中国

脳卒中で高血圧治療中の患者の服薬遵守率と予後について調べてみたそうな。

8409人の脳梗塞患者について、発症後3,6,12ヶ月後に電話アンケートを行い、
高血圧治療薬をちゃんと飲んでいるか調べ、その後の再発や死亡との関連を解析した。


次のようになった。

・参加者の40%は女性、平均年齢67だった。

・1年後、32%の参加者が服薬遵守率75%以上で、68%はそれ未満だった。

・高遵守率グループは、低いグループに比べ、再発リスクが22%、死亡リスクが56%低かった。


少なくとも脳卒中後1年間は、まいにち降圧薬を飲んだほうが良いでしょう


というおはなし。




感想:

現在 降圧薬は、効き過ぎるので最低用量のタブレット1個を1日置きに飲んでいる。

トイレがやたら近くなるので、すぐにでも飲むのやめたいけど、ビビってやめられない。

これでますますやめられない。

2013年6月19日

で、結局 rTMSの磁気刺激治療ってどうなのよ


Repetitive transcranial magnetic stimulation for improving function after stroke.
2013  5月  中国

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を使って、健常側の脳活動を抑制したり、損傷側の脳を活発にすることで脳卒中リハビリがはかどると言われている。

その効果を検証するべく、世界の医学論文データベースから、信頼の置ける研究を2名の調査員が厳選し、その内容を吟味したそうな。

次のようになった。

・19件の論文が見つかった。これら被験者の総計は588人に及んだ。

・183人が関わった2つの研究ではrTMS治療による自立度の改善は見られなかった。

・73人参加の4つの研究では、運動機能に何の影響もなかった。

・刺激の頻度や発症からの適用時期を変えた研究でも、何の違いも見られなかった。

・有害事象として、ごく稀に軽い一時的な頭痛が見られた。


現在のところ、rTMS治療が脳卒中リハビリに有効であるとする証拠は見つからなかった


というおはなし。

写真:rTMS



感想:

歴史もないし、いまはしょうがないと思う。

にしても最近はrTMSリハビリ関連の論文をすっかり見かけなくなった...気がする。


2013年6月18日

電気刺激装置を脚に埋め込んだらすごく良かった


Towards physiological ankle movements with the ActiGait implantable drop foot stimulator in chronic stroke.
2013  6月  ドイツ

体内埋め込み型の神経電気刺激装置で脳卒中患者の歩行が改善するのか調べてみたそうな。


5人の慢性期脳卒中患者について、腓骨神経刺激装置(ActiGait)を着けた。
これは埋め込み型のため、電極やケーブルを貼り付ける必要がない。

装着前後での足首の角度と、歩行速度、歩行距離を計測したところ、


・尖足が改善され、歩行速度も距離も向上した。

というおはなし。



これがActiGaitだ。






感想:

日本で使ってる例はないか調べてたら、

唯一 2009脳卒中治療ガイドラインの中で、このActiGaitが


『埋め込み型腓骨神経刺激装置も合併症なく、歩行速度・歩行距離を改善する』
と好評価されていた。

きっと経験ないけど論文読んだだけなんだろうな...と思った。

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