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2013年3月16日

緑茶とコーヒーを飲むと相互作用で脳出血リスクが3割減ることが判明


The impact of green tea and coffee consumption on the reduced risk of stroke incidence in Japanese population: the Japan public health center-based study cohort.
2013  3月  日本

緑茶とコーヒーの脳卒中予防効果を検証してみたそうな。

45-73歳、83269人の日本人に緑茶、コーヒー摂取のアンケートを行い、13年間追跡調査した結果、

次のようになった。

・コーヒーを1日1杯飲むと脳卒中リスクが20%下がった。

・緑茶を1日2-3杯飲むと14%、4杯以上飲むと20%脳卒中リスクが下がった。

・特に、コーヒー1杯と緑茶2杯以上飲むと相互作用で脳内出血リスクが32%下がった。



というおはなし。
写真:緑茶コーヒー


感想:

緑茶は煎茶を指し、コーヒーは缶コーヒーを含まないそうである。

2013年3月15日

半側空間無視の新治療法、前庭感覚電気刺激を5日間繰り返してみた


The effect of repeated sessions of galvanic vestibular stimulation on target cancellation in visuo-spatial neglect: Preliminary evidence from two cases.
2013  3月  イギリス


身体のバランスシステムを人工的に刺激する半側空間無視治療法が関心を集めている。

そのひとつが前庭感覚電気刺激(GVS)である。

GVS(Galvanic Vestibular Stimulation)は左右の耳の後ろに電極を付け微弱電流を流すとプラス極側に身体が傾いたと感じる現象を指す。

これまでは1回の電気刺激による影響を調べた研究だけだった。

しかし効果が持続せず、すぐに症状が戻ってしまう問題があった。

今回は、繰り返し刺激を与えて、効果の持続可能性を検証してみたそうな。



脳卒中で半側空間無視の患者2人について、左側がプラス極のGVSを5日間行った。

その前後での注意力検査のスコアを比較したところ、


次のようになった。

・5日間のGVS直後、2人の患者いずれも、スコアが著しく改善した。

・さらにその3日後にも、改善効果をはっきりと確認することができた。




前庭感覚電気刺激の半側空間無視治療効果を検証するためのさらに規模の大きい研究をやってみたくなった



というおはなし。




感想:

このビデオ(2分半)、前庭感覚電気刺激(GVS)の影響がすごくよくわかる。


乾電池の電流でホントにこんなことになるのかな...


以前の記事↓(別の研究者による)
前庭感覚電気刺激で半側空間無視をやっつけろ!


2013年3月14日

嚥下障害患者の咳が弱い意外な理由


Differences in the Peak Cough Flow among Stroke Patients With and Without Dysphagia.
2013  3月  日本



咳は気道をクリアにするための防御反応であり、しっかり咳ができる嚥下障害患者は誤嚥しにくい。

脳卒中患者が咳をしたときの最大呼気流量が嚥下障害の有無でどう変わるのか調べてみたそうな。


肺活量計を使って、嚥下障害の脳卒中患者10人、嚥下障害なしの脳卒中患者20人と10人の健常人について咳の最大呼気流量を測定、比較した。

次のようになった。


・嚥下障害なし脳卒中患者の咳の最大呼気流量は毎分297リットルだった。

・健常人では462リットル、

・嚥下障害があると、160リットルだった。

・また、嚥下障害があると肺活量、予備吸気量ともに健常人よりも低かった。

・予備吸気量と咳の最大呼気流量との関連が強かった。




脳卒中で嚥下障害の患者がしっかりと咳をできるかどうかは

肺機能、特に予備吸気量にかかっていることがわかった



というおはなし。
写真:スパイロメーター



感想:

なぜ肺機能が弱って見えるのか?


予備吸気量:安静時吸息の終了からさらに最大努力により追加吸入しうる空気の容積

2013年3月13日

脳卒中にしたネズミを毎日クタクタになるまで歩かせてみた


The effects of training intensities on motor recovery and gait symmetry in a rat model of ischemia.
2013  3月  中国



脳卒中リハビリに適した運動強度を調べてみたそうな。


人為的に脳卒中にしたネズミを、次の2グループに分けた。


・ほどほど運動グループ

→1回15分間の体重支持トレッドミルトレーニングを1日3回、隔日、8日間


・限界運動グループ

→トレッドミルについて行けなくなるまでの運動を毎日、8日間


その後の歩行機能と脚の筋電記録を評価した。



次のようになった。


・ほどほど運動では歩行対称性が向上したが、限界運動ではそうならなかった。

・同様に、動作が機敏になり、麻痺脚も強くなった。

・ふくらはぎの筋電パターンも改善した。





筋肉が疲労しきってしまわない程度の運動強度が

脳卒中リハビリには適していることがわかった



というおはなし。

ネズミトレッドミル

感想:

ネズミさんはまじめだからこうなるけど、

人は全力出すまえに泣き言吐いて運動辞めちゃうと思う。

2013年3月12日

脳卒中老人は言語、運動障害でウツになるわけではない


Depressive disorders in elderly and senile patients in the period of rehabilitation after acute ischemic stroke
2012  12月  ロシア


脳卒中後のウツの特徴を若年者と高齢者とで比較してみたそうな。



脳卒中患者、70歳以上の186人と33-60歳の110人について、

ウツの頻度と、リハビリでの回復程度について調査した結果、



次のようになった。

・脳卒中後のウツの頻度とその重症度は年齢に依らなかった。

・ウツがリハビリを妨げる影響は若年者より高齢者で大きかった。

・老人は、運動機能障害がウツの原因になるわけではなかった、

・しかし麻痺とウツが重なるとリハビリが進まなくなった。

・高齢者の言語障害はウツのきっかけにはならなかった。




脳卒中後のウツの特徴は高齢者と若年者とで 対照的な面があった


というおはなし。

2013年3月11日

赤ちゃんは脳梗塞よりも脳出血が多く、ビタミンK不足が原因


Arterial ischemic stroke and hemorrhagic stroke in Chinese children: A retrospective analysis.
2013  3月  中国



小児の脳出血、脳梗塞の原因と特徴を調べてみたそうな。

重慶大学医学部小児病院の9年間分の患者データを解析したところ、


次のようになった。

・70%(119人)が男児、30%(50人)が女児だった。

・脳出血は全体の64%で、ビタミンK欠乏症が原因の60%を占めていた。

・その88%は母乳栄養中で、ビタミンKのサプリメントを摂っていないケースだった。

・脳梗塞は全体の35%、そのうち40%が軽い頭部外傷によるもので、脈管由来のケース17%より多かった。






小児では、脳出血が脳梗塞よりも多い。

乳幼児の脳出血の原因は主にビタミンK欠乏症で、

脳梗塞は頭部外傷に由来することがわかった



というおはなし。



感想:

検索したらこれ↓勉強になった。

新生児に対するビタミンK投与のあり方について(pdf)



2013年3月10日

【おいでやすぅ】京都の脳卒中事情


Characteristics, risk factors and mortality of stroke patients in Kyoto, Japan.
2013  3月  日本



京都での脳卒中患者の内訳について調べたそうな。

過去10年間に京都府内で登録された脳卒中患者1万4千人

あまりの医療データを解析したところ、


次のようになった。

・90%がCT、65%がMRI、18%が血管造影検査を受けた。

・86%が脳梗塞、26%が脳内出血、9%がクモ膜下出血だった。

・平均年齢はそれぞれ、73、69,63だった。

・脳梗塞と脳内出血は男性が多く、クモ膜下出血は女性が多かった。

・30日以内の死亡率は、クモ膜下出血28%、脳内出血15%、脳梗塞5%だった。

・年齢、性別、既往症、喫煙、飲酒などの要因を考慮した死亡危険率は、

 脳梗塞を1.0とすると、脳内出血3.7、クモ膜下出血8.9だった。




京都人の脳卒中状況の一面を明らかにすることができた


というおはなし。


京都人の脳卒中種類別 生存率曲線



感想:

Kyoto限定という以外に目新しい点は無いようだけど、

Kyotoなら まぁいいか… と思った。

2013年3月9日

ウォーキングの脳卒中リハビリ効果が明らかに


Outdoor walks 'boost stroke survivors' recovery'
Post-stroke walking program improves stroke survivors’ lives
2013  3月  ジャマイカ


だれでもどこでもできる脳卒中リハビリ法としてウォーキングの効果を調べてみたそうな。


平均年齢64、発症から6-24ヶ月の脳梗塞患者128人について、

1回15-30分間の屋外ウォーキングを週3回のペースで12週間続けた。


次のようになった。

・16.7%の患者のQOL(生活の質)が向上した。

・6分間歩行テストの距離が平均17.6%延びた。

・マッサージのみ受けていた患者は心拍数が6.7%高かった。



ウォーキングは脳卒中患者の心と身体にとってもイイ


というおはなし。

写真:ウォーキング脳卒中

感想:

一方日本では、
1日に6000歩以上で脳卒中の再発予防になることを日本の研究者が解明


なぜ、いまさらウォーキングなのか?

Effect of Aerobic Exercise (Walking) Training on Functional Status and Health-related Quality of Life in Chronic Stroke Survivors: A Randomized Controlled Trial.

2013年3月8日

めまいと脳卒中を自動判別できるマシンを作ってみた


Quantitative Video-Oculography to Help Diagnose Stroke in Acute Vertigo and Dizziness: Toward an ECG for the Eyes.
2013  3月  アメリカ



めまいの患者が脳卒中であるかどうかを判別することは医者でも難しい。

それを自動でできる装置を作ってみたそうな。


眼球運動をトラッキングするカメラを内蔵したゴーグルと

データ解析用のパソコンとで構成する装置を作成し、

実際に脳卒中が疑われるめまい患者を検査した結果、


次のようになった。

・12人の被験者について、MRIでの結果と照らしあわせたところ正診率100%だった。




内耳由来のめまいと脳卒中を自動判別することができた。

もっと被験者の数を増やして実用化に取り組みたい



というおはなし。

写真:めまい脳卒中判別機
この装置



感想:

子供相手でもとりあえずすぐにCTを撮る習慣を改めるためにも、

こういう技術はどんどん普及してほしい。

2013年3月7日

脳卒中で患者と家族は否応なく運命共同体になるんだと思う


Does caregiver well-being predict stroke survivor depressive symptoms? A mediation analysis.
2013  2月  アメリカ



脳卒中患者のウツと家族介護者の健康状態との関連を調べたそうな。


146組の脳卒中患者と家族介護者について、

患者の障害やウツの程度、および介護者のウツ、人生満足度を調査し、関連を解析した結果、


次のようになった。

・脳卒中患者の障害とウツの程度には関連があった。

・さらにこの関連には介護者の人生満足度とウツの程度が大いに関連していた。





脳卒中患者の障害は家族介護者を苦しめる。

それが患者自身の回復の更なる妨げになるのかもしれない。

患者と介護者を並行してサポートすることが重要



というおはなし。




感想:

これは必ずしもネガティブな意味ばかりではないと思う。

家族間の距離が縮まっている証拠。

2013年3月6日

疲労やウツのある若い脳梗塞患者は早くに死んでしまうらしい


Poststroke fatigue and depression are related to mortality in young adults: a cohort study.
2013  3月  ノルウェー



脳卒中のあとの疲労やウツが、死亡率にどう関わってくるのか

若年脳梗塞患者について調べてみたそうな。



15-50歳の脳梗塞患者190人の疲労度とウツの程度、死亡率を12年ほど追跡調査した結果、


次のようになった。

・死亡率は、疲労度と関連があった。

・死亡率は、ウツの程度と関連があった。




若年脳梗塞で疲労やウツひどい患者は死亡率が高くなることがわかった


というおはなし。

図:生存率曲線

疲労度(FSS)別 生存率曲線

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