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2012年12月19日

ボバース法で脳卒中の上肢痙縮がおおきく改善した


NDT-Bobath method in normalization of muscle tone in post-stroke patients.
2012  12月  ポーランド


ボバース法の脳卒中上肢リハビリ効果を評価してみたそうな。



60人の脳梗塞患者について、2週間に10セッションのボバース法治療を施した。


治療前後での上肢筋肉の緊張度合いを測定した。


次のようになった。

・16人(27%)で改善効果が見られた。

・1人(2%)で悪化。

・8人(13%)で微かな変化があった。





ボバース法により脳卒中患者の上肢筋緊張が大きく改善した


というおはなし。





感想:

ボバース法って、よく目にするわりには中身が不明。

ネットで調べても具体的な説明はほとんど出てこない。


この研究ではボバース以外の療法の比較グループを設けていない。



あとは推して知るべし。


追記:
ボバースコンセプトのリハビリ効果

2012年12月18日

メタボリックシンドロームと脳梗塞の再発について


Metabolic Syndrome and Stroke Recurrence in Chinese Ischemic Stroke Patients - The ACROSS-China Study.
2012  12月  中国



メタボリックシンドロームと脳梗塞の再発との関連を調べたそうな。


過去の患者データを見直して、メタボリックシンドロームの有無、

脳梗塞発症から1年以内の再発を調査、解析した。




次のようになった。


・2639人の脳梗塞患者のうち51.4%がメタボリックシンドロームだった。

・発症1年以内に7.4%が再発していた。

・関連する諸要因を考慮に入れると、メタボリックシンドロームと

 脳梗塞再発との関連は見られなかった。






中国人脳梗塞の再発とメタボリックシンドロームとの間には

関連がなさそうであることがわかった



というおはなし。


写真:メタボリックシンドローム中国人

2012年12月17日

週に3.5時間以上歩く女性は脳卒中になりにくい


Physical Activity and Risk of Cerebrovascular Disease in the European Prospective Investigation Into Cancer and Nutrition-Spain Study.
2012  12月  スペイン



身体活動と脳卒中との関連を調べてみたそうな。



29-69歳の男女3万2千人あまりについて、

彼らの運動の種類と量についてアンケート調査し、

脳卒中を含む心血管系疾患の有無を12年間追跡調査した。



次のようになった。

・この間に210件のTIA、442件の脳卒中があった。

・レクリエーション活動をする女性の心血管系疾患は少なかった。

・週に3.5時間以上ウォーキングする女性の脳卒中リスクは低かった。

・これらの関連は男性には見られなかった。

・余暇にする運動や激しい身体活動と心血管系疾患との関連は男女ともに見られなかった。






中強度のレクリエーション活動は女性の脳卒中リスクを下げることがわかった。

しかし男性についてはその効果はなかった。

女性はウォーキングなどの時間を増やすと脳卒中予防に良いかも知れない



というおはなし。





2012年12月16日

カラーセラピーで脳卒中患者と介護者の生きがいアップ


Effects of art therapy using color on purpose in life in patients with stroke and their caregivers.
2012  12月  韓国



カラーセラピーで脳卒中患者とその介護者の生きがいが

向上するかどうか、調べてみたそうな。




28組の脳卒中患者+介護者をカラーセラピーあり、なしグループに分けた。


週2時間×6ヶ月間のカラーセラピー前後での生きがいスコアを調査し、比較した。



次のようになった。


・カラーセラピーグループでは、その前後で被験者の生きがいスコアが著しく向上した。

・カラーセラピー無しグループではほとんど変化はなかった。

・カラーセラピーが進むにつれ、より多く種類の、より明るい色を好むようになった。



カラーセラピー前(左図)、後(右図)での色選択の結果。
color therapy
楕円が脳卒中患者、長方形が介護者が好んだ色。





カラーセラピーによって、脳卒中患者とその介護者の生きがいが

改善されることがわかった


というおはなし。





感想:

カラーセラピーなんて聞いたことがなかったけど、

検索すると広告がバンバン出てきて

すでにちょっとした市場を形成している感。

2012年12月15日

両親の離婚経験を持つ男性の脳卒中リスクは3倍


Gender differences in the association between parental divorce during childhood and stroke in adulthood: findings from a population-based survey.
2012  12月  カナダ


子供の頃に両親が離婚した場合の

その後の脳卒中のなりやすさを男女別に調べたそうな。



親の薬物中毒、虐待、家庭内暴力などの例を除いた

男性4074人、女性5886人分の該当するデータサンプルについて、

年齢、人種、経済状況、健康状況

などを考慮にいれて解析した結果、


次のようになった。


・18歳以前に両親の離婚を経験した男性は、

 両親が離婚しなかった男性に比べ脳卒中リスクが3倍だった。


・女性については、男性ほどの強い関連は見られなかった。






さまざまな影響要因を考慮に入れてなお、

男性の両親の離婚経験と脳卒中との間に強い関連が見られた。

ここにどんな因果関係があるのかは不明



というおはなし。




感想:

たいへん関心がある。

なぜなのか知りたい。

2012年12月14日

【マメ知識】tPA治療は丁重にお断りしたほうが早く退院できる


Patient refusal of thrombolytic therapy for suspected acute ischemic stroke.
2012  12月  アメリカ


脳梗塞が疑われて入院した際に、血栓を溶解するtPA治療を

拒否した患者の予後と特徴について調べたそうな。



過去の患者データを見直し、tPA治療の有無、

人的特徴、回復程度について調べ関連を解析した。



次のようになった。

・7年半の間に30件(4.2%)のtPA治療拒否があった。

・tPA治療の拒否者に偏った人的特徴はなかった。

・tPA治療拒否者の割合は時と共に減少傾向にあった。

・tPA治療拒否者には次の特徴が共通していた。

病院到着時間がギリギリ

神経症状が軽い

脳卒中でない可能性大 

入院期間が短い


・脳梗塞と確定診断された者に限ると、軽症でなくても

tPA拒否者のほうが入院期間が非常に短かった。

・軽症、類似症状者を除くと、tPA治療を受けた者も

拒否した者も予後は変わらなかった。





tPA治療が増えない理由は、拒否されるからかも知れない。

軽症患者ほどtPA治療を拒否する傾向がある。

また、tPA 治療拒否者の6人に1人(17%)は

実は脳梗塞ですらなかったことが判明した



というおはなし。






感想:

けっこうイイカゲンな根拠でtPA治療を勧めてくるので

少なくとも治療同意を自ら判断できるほどに

頭がハッキリしている人は、

tPA治療は断った方が早く良くなる、


ってことだと理解した。




でもこれって、何かがおかしい...

2012年12月13日

1日に13時間以上労働すると脳出血リスクが2倍


Excessive work and risk of haemorrhagic stroke: a nationwide case-control study.
2012 12月  韓国




過重労働と脳出血との関連を調べたそうな。


患者データベースから940件の脳出血事例

(498人の脳内出血、442人のクモ膜下出血)を抽出し、

1880人の健常人とともに

彼らの職種、労働時間、労働強度などを面談調査して関連を解析した。




次のようになった。

・ホワイトカラーよりブルーカラー労働者の方が脳出血リスクが高かった。


・労働時間が長くなると脳出血リスクも高くなり、

1日4時間以下労働に比べ 8-12時間では4割増し、

13時間以上ではリスクが2倍になった。


・週8時間以上の激しい労働があると脳卒中リスクが6割増しになった。


・シフト勤務と脳出血リスクは関連がなかった。







ブルーカラー、長い労働時間、奮闘を要する仕事内容は

脳出血リスクを高めることがわかった



というおはなし。

過重労働

感想:

通勤時間は含まれるのかな?

2012年12月12日

【リハビリ革命】HANDS療法と促通反復療法

【脳卒中リハ】脳からの信号捉え、麻痺側を動かす注目されるHANDS療法と促通反復療法
2012  12月  日経メディカル


         ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
脳卒中で重度麻痺の上肢機能を改善する画期的な2つの治療法についての解説記事(無料)。





HANDS療法促通反復療法

いずれも マスコミ媒体への露出機会が多く、

脳卒中の上肢リハビリ法を調べているとほぼ必ず出会う。



その改善効果は、従来の作業療法など比較にならないほど凄まじい。


以下、記事本文より引用

『...120人ほどの慢性期脳卒中片麻痺患者に施行したところ、約半数が麻痺手の指の分離運動ができるようになった』(HANDS療法)

『...一般的にリハビリテーションとして行われている他動運動を、患者に運動を指示して大脳からの信号に合わせて動かす自他動運動に変えるだけで治療効果は2~3倍になる』(促通反復療法)






しかしその割にはリアルな体験談を目にすることがほとんどない。



関心のある脳卒中経験者は是非これらを試して、

その感想をブログやホームページなどで紹介してもらいたいと考える。

2012年12月11日

禁煙で脳卒中再発リスクが低下


Baseline Smoking Status and the Long-Term Risk of Death or Nonfatal Vascular Event in People with Stroke: A 10-Year Survival Analysis.
2012  12月  オーストラリア



脳卒中になった際の喫煙習慣の影響について調べてみたそうな。


脳卒中経験者1589人について10年間にわたり、

死亡、再発、心筋梗塞などの発生を追跡調査し、

喫煙習慣との関連を解析した。



次のようになった。

・現在喫煙者もしくは前喫煙者は、非喫煙者よりも予後が悪かった。

・現在喫煙者は前喫煙者よりも再発リスクが高かった。






現在喫煙者または前喫煙者は

非喫煙者よりも死亡、再発リスクが高かった。

前喫煙者の再発リスクが現在喫煙者よりも低いことから、

禁煙の効果があることがわかった



というおはなし。

写真:禁煙

2012年12月10日

授動と触覚刺激で慢性期脳卒中患者の手が動いた


The effects of Mobilization and Tactile Stimulation (MTS) on chronic upper-limb sensorimotor dysfunction following stroke.
2012  11月  イギリス



脳卒中麻痺手への"授動と触覚刺激" の効果を調べてみたそうな。



脳卒中後1年以上経過している患者8人

(左麻痺4人、右麻痺4人)について、

1日1時間の麻痺手への授動と触覚刺激を6週間行い、

その前後での改善程度を評価した。




次のようになった。


・実験前、患者の上肢機能の回復は明らかに止まっていた。

・実験後、4人の患者で特に著しい運動機能の回復が見られた。

・実験開始から改善効果が出るまでに最長で1ヶ月程度を要した。

・実験終了後も改善効果は維持された。







脳卒中で1年以上も弱っていた上肢機能を

授動と触覚刺激によって改善できることがわかった。

効果はすぐに現れることもあるし、若干の時間を要することもある



というおはなし。






感想:

麻痺した手に授動(×受動)して さする。

これって、いわゆる促通手技のことだと思う。


なぜかちょっとガッカリ。

2012年12月9日

牛乳をよく飲む日本人女性は脳卒中にならない


Consumption of Dairy Products and Death From Cardiovascular Disease in the Japanese General Population: The NIPPON DATA80.
2012  12月  日本


牛乳など乳製品の摂取量と脳卒中との関連を調べたそうな。


日本中から募集した30歳以上の男女9243人について、

1980年から24年間追跡調査した結果、


次のようになった。


・この間に417人が脳卒中で死亡した。

・乳製品をほとんど摂らない女性は、たくさん摂る女性に比べ脳卒中リスクが3割増しになった。

・乳製品の摂取量が一日に100g増えるごとに女性の脳卒中リスクが2割減少した。

・男性については乳製品との関連はみられなかった。






牛乳など乳製品の摂取量が増えるほど日本人女性の脳卒中が減ることがわかった



というおはなし。


写真:乳製品日本人

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