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2012年10月23日

退院後、リハビリ病院からハガキが届いたらうれしいと思う


ImProving Outcomes after STroke (POST): results from the randomized clinical pilot trial.
2012  10月  オーストラリア




退院した脳卒中患者にハガキを送ってみたそうな。


脳卒中患者のおよそ3分の1はウツを経験する。

脳卒中後のウツを防ぐために、多くの人をサポートできる経済的かつ害の無い方法が必要と考えた。


そこで、

・100人の脳卒中患者に退院後5ヶ月間にわたり、月に1度の頻度でハガキを送った。

・別の101人の脳卒中患者にはハガキを送らなかった。


6ヶ月時点でのウツの割合を評価、比較したところ、


・両グループでまったく差がなかった。

・ハガキグループの約半数はハガキサポートに好意的だった。






今回は効果がなかったけれど、

ハガキ送付は退院後もコンタクトを継続するいい方法なんじゃないかな…



というおはなし。






感想:

e-メール使えばいいじゃん、って思った。

自動送信プログラムも使えば、

もっと高頻度で、しかも

ほとんどタダで何万人もサポートできる。

2012年10月22日

脳卒中 太っているほど 長生きをする


Overweight and obesity are associated with improved survival, functional outcome, and stroke recurrence after acute stroke or transient ischaemic attack: observations from the TEMPiS trial.
2012  10月  ドイツ



脳卒中患者のBMI(ボディマス指数)と死亡率との関連を調べたそうな。



1521人の脳卒中またはTIA患者について

BMI別に

低体重 、標準 、過体重、肥満 、超肥満 に分類して

30ヶ月後の死亡率、機能障害の程度を比較、解析した。



次のようになった。

・BMIが大きくなるほど死亡率がグングン下がった。

・同様に、再発率も肥満であるほど低かった。

・低体重の患者は死亡率、再発率、後遺症等の危険度が最も高かった。






肥満の脳卒中患者は体重が軽い者に比べて

生存率や回復の程度がはるかに良いことがわかった



というおおはなし。






感想:

いくら食べても太れないので

少しうらやましい気がする。



【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明


2012年10月21日

脳卒中患者への胃瘻(いろう)ってどうなのよ?


Long-term nasogastric tube feeding in elderly stroke patients - an assessment of nutritional adequacy and attitudes to gastrostomy feeding in asians.
2012  10月  マレーシア




嚥下障害のある脳卒中患者には、

経鼻栄養よりも胃瘻栄養のほうが長期的には優れている、とされている。


でもアジアでは胃瘻栄養はあまり普及していない。


経鼻栄養と胃瘻栄養の問題点を調べてみた。




高齢の脳卒中患者(70名の経鼻栄養患者と 70名の経口摂取患者)

について、長期的な栄養状態を調べ、

並行して 治療に携わる関係者への面談を行った。





次のようになった。


・経鼻栄養グループは上腕周囲経が著しく小さく、栄養状態が非常に悪かった。


・経鼻栄養グループの多くで、管が取れたり、食べ物が気管に入ったり、

傷がついたりなどの問題が起きた。


・現場医療関係者の約半数のみが胃瘻栄養に積極的だった。


・神経学者的には胃瘻栄養がベストである、との考えだった。


・介護する側としては "必要な情報の欠如" が胃瘻栄養をためらう理由の大半だった。







高齢脳卒中患者への長期に及ぶ経鼻栄養には問題が多すぎる。

一方、胃瘻栄養が進まない理由は、

現場医療関係者が乗り気でないためであることがわかった



というおはなし。







感想:

胃瘻問題はネガティブな印象ばかりで、ほとんど考えたことがなかった。


この↓記事を思い出した。

脳梗塞後、胃ろうが必要でない患者の特徴



2012年10月20日

歩いている脳卒中患者の前に、でかい石を30個落としてみた


Deficits in Motor Response to Avoid Sudden Obstacles During Gait in Functional Walkers Poststroke.
2012  10月  オランダ




脳卒中経験者の歩行順応能力とそのメカニズムを調べてみたそうな。



退院後の脳卒中経験者25人と健常人25人について、

トレッドミル歩行をしている最中に30個の障害物を前に落とす。


これらを避ける成功率、回避動作の解析、

関連する各筋肉の筋電波形を記録、比較した。




次のようになった。


・脳卒中経験者の障害物の回避率は明らかに低かった。

・その避け方は普通だけれど、

・筋電反応の遅れ、低下が見られ、

・回避動作中の足や関節の動きが小さかった。







軽度の脳卒中であっても、

歩行順応能力は低下し、転倒につながる可能性がある。

その背景には筋肉反応の遅れによる回避行動のミスが考えられる。


この辺りを承知してリハビリに励みましょう



というおはなし。






感想:

これはよく分かる。

瞬間的に足に力が入らないんだ。


筋力は充分に強いんだけど、

なぜか反応が 0.数秒遅れる。


だから急いで階段を登ると

高頻度で左足がつまづく。

2012年10月19日

最新Webサービスで脳卒中患者家族のウツ予防に成功


Reducing depression in stroke survivors and their informal caregivers: A randomized clinical trial of a web-based intervention.
2012  8月  アメリカ



脳卒中患者とその家族を支援するインターネットを介した

ウェブベースの情報システムを構築し、

その活用効果を検証したそうな。




ウェブ上から、脳卒中回復についての

・ビデオ教材

・専門家との面談

・チャット

・掲示板

・メール

・学術情報

等のサービス機能にアクセスできるシステムをつくった。



32組の脳卒中患者とその家族について

このウェブサービスにアクセスできる組とそうでない組とに分けて、

11週間後の精神心理的な状況を比較評価した。




その結果、

患者自身に おおきな影響はなかったものの、

家族のウツの程度が著しく軽減した。






ウェブ経由の情報サービスにより

脳卒中患者を抱える家族を効果的にサポートできることがわかった



というおはなし。






感想:

このブログも多少は役に立っているかもね。

2012年10月18日

ボツリヌス療法で肩の痛みは治るのか?


Does Botulinum Toxin Type A Decrease Pain and Lessen Disability in Hemiplegic Survivors of Stroke with Shoulder Pain and Spasticity?: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial.
2012  10月  アメリカ



脳卒中で肩の痛みと痙縮に悩まされている患者への

ボツリヌス療法の効果を調べてみたそうな。




肩の痙縮と痛みのある37人の脳卒中患者を、

A型ボツリヌス毒素または生理食塩水を筋肉注射する

グループに分けて2,4,12週間後の状態を比較した。




次のようになった。


・両グループともに痛みが減少したが、その程度にグループ間で差はなかった。

・ボツリヌスグループでは手を洗う動作が改善した。

・同様に、ボツリヌスグループで着衣動作が改善した。






ボツリヌス療法は脳卒中後の肩の痛み

の改善には役に立たないことがわかった



というおはなし。






感想:

この研究で評価基準になった
Disability Assessment Scale(DAS)
について

図:disability assessment scale

どうとでも解釈できる基準をもちこまないと治療効果を検出できない。それがボツリヌス療法。


つまりこれは、

劇的な改善は最初からまったく想定していない、

ってことなんだと思った。

2012年10月17日

【喫煙と脳卒中】中国人で調べてみた


Incidence of ischaemic and haemorrhagic stroke and the association with smoking and smoking cessation: A 10-year multicentre prospective study in China.
2012  10月  中国



喫煙と禁煙の 脳卒中への影響を調べてみたそうな。




2万6千人あまりを約10年追跡調査した結果、

次のようになった。

・この間に1100人以上が脳卒中になった。


・喫煙者の脳卒中リスクは高く、

・特に脳梗塞のリスクが非常に高かった。


・一日15本以上タバコを吸う男性および

・25年以上喫煙を続けてきた男性の脳卒中リスクが非常に高かった。


・禁煙に至る率は非常に低く、脳出血の予防効果は認められなかった。






喫煙が脳卒中を招くことがわかった。

禁煙をもっと広めよう



というおはなし。



写真:中国人の喫煙

2012年10月16日

全身振動トレーニングを1回だけやってみたら…


Effects of a single session of whole body vibration on ankle plantarflexion spasticity and gait performance in patients with chronic stroke: a randomized controlled trial.
2012  10月  台湾



全身振動トレーニングの歩行改善効果を調べてみたそうな。



30人の慢性期脳卒中患者について、

半数の15人に全身振動トレーニングを1セッションだけ行い、

足首の痙縮、歩行能力、バランス機能等を調べ、

残りの15人と比較した。




その結果、

・足底屈筋の痙縮が大いに減った。

・歩行速度が大きく改善した。

・両足にかかる体重バランスもたいへん良くなった。






たった1回の全身振動トレーニングで

慢性期脳卒中患者の足の痙縮を減らすことができた。

これは歩行リハビリに大いに役立つに違いない


というおはなし。






全身振動装置の揺れ がわかる動画。


2012年10月15日

頭を鍛えておくと脳卒中になったあとも安心


Educational History Is an Independent Predictor of Cognitive Deficits and Long-Term Survival in Postacute Patients With Mild to Moderate Ischemic Stroke.
2012  8月  フィンランド




脳卒中患者の学歴と 認知機能の低下、再発率、死亡率との関連を調べたそうな。



486人の軽中程度の脳梗塞患者を

神経心理テストの対象とし、12年間追跡調査した。




解析の結果、次のようになった。

・学歴の長い患者は年齢、性別等に係わらず、遂行機能障害が少なかった。

・学歴があると記憶障害、失語症、視空間障害、痴呆になりにくかった。

・学歴と脳卒中再発率とは関連はなかった。

・学歴があると生存率がよかった。







脳卒中患者の学歴が長いほど認知障害や痴呆が少なく、予後も良い。


学歴が長いってことは脳が良く鍛えられているわけで、

脳卒中による障害への耐性が強いのかも知れない



というおはなし。

2012年10月14日

山元式鍼療法で脳卒中のハンガリー人がミラクル回復!


Rehabilitation of stroke patients using yamamoto new scalp acupuncture: a pilot study.
2012  10月  ハンガリー



日本の医師が考案した山元式新頭鍼療法(YNSA)

脳卒中リハビリ効果を検証してみたそうな。



脳卒中患者をランダムに

YNSAグループ、

・比較グループ

に分けて、

回復の程度を2年間追跡調査した。




その結果、

YNSAグループでは自立度、運動機能、関節の動き等、ブッチギリで回復がよかった。


特にバーセルインデックス(100点満点)は、4→95に跳ね上がった。

(寝たきりの人が飛び起きるレベル)



山元式新頭鍼療法は脳卒中患者の回復を大いに促すことがわかった


というおはなし。




感想:

詳しくはこの↓ニュースビデオを是非最後まで観て欲しい。

宮崎にトキ現る! 

2012年10月13日

片麻痺患者の感覚異常は、両側に及んでいることが判明


Position Sense of the Hemiparetic and Non-Hemiparetic Ankle after Stroke: Is the Non-Hemiparetic Ankle also Affected?.
2012  10月  トルコ



片麻痺患者の麻痺していない側の位置感覚について調べてみたそうな。


20人の脳卒中患者と10人の健常人について、

足首の位置感覚テストを行った。


次のようになった。


・足首を底屈5度、10度、背屈15度

にされた時の位置認識の誤差を計測したところ、


・健常人の利き足での結果に比べ、


・脳卒中患者では、麻痺側、非麻痺側共に

誤差が非常に大きかった。






脳損傷の影響を受けていない健常な側の脳の

支配下にあるはずの足首に

感覚異常が及んでいることがわかり

大変ビックリした



というおはなし。






感想:

これは実感ないね。


もし本当なら 自分の自動車運転の

アクセルコントロールが

危なくてしょうがないと思う。

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