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2012年6月24日

動物実験からみるCIセラピーの未来


Exploring the Efficacy of Constraint in Animal Models of Stroke: Meta-analysis and Systematic Review of the Current Evidence.
2012  6月  オーストラリア



脳卒中患者の麻痺側を強制使用させるCIセラピー

有効である、とする人々がいる。



そこで、動物を使った過去の実験結果を見直して

CIセラピーの今後の可能性を探ってみたそうな。




研究データベースから信頼性の高い論文を厳選し、

動物への強制使用療法の有効性を解析した。




その結果、

強制使用療法によって神経行動学的なスコアが悪化していた。

・梗塞の大きさには影響がなかった。

・認知機能の改善を示す小規模な実験があった。






過去の動物実験を見る限り、

CIセラピーで言われているような有効性はまったくみられなかった。


おそらく、この種の強制使用療法は

人には役に立たないのではないか…



というおはなし。






感想:

CIセラピーの本当にスゴイところは、

既に指を開くことのできる麻痺の軽い患者のみを訓練対象にすることを、

人々になんとなく納得させてしまった点にある と考える。



この患者選別テクニックを応用すると

どんな治療法であっても必ず成果を上げることができるので、

いまや各所で利用されている。



実際、さきの(6日)のためしてガッテンで、

『磁気刺激治療を受ける条件は、

手の指最低3本以上を曲げ伸ばしできることです。』

という 女性司会者のコメントの意味に気づいた人が

いったいどれだけ居ただろう。

2012年6月23日

磁気刺激治療20年間のまとめ


Effects of Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation on Motor Functions in Patients With Stroke: A Meta-Analysis.
2012  6月  台湾




反復経頭蓋磁気刺激rTMS)を使った脳卒中患者の

上肢麻痺治療効果について過去の研究をまとめてみたそうな。



研究データベースから1990-2011の関連する論文を厳選抽出、

解析して、rTMS治療の効果を検証した。





次のことがわかった。

・主に運動機能の改善に効果があった。

・皮質下梗塞のケースで効果があった。

・低頻度rTMSのほうが高頻度rTMSより効果的である。

・副作用はほとんどなかった。

・最近では間欠的シータバースト刺激がより効果的とされている。





磁気刺激治療にはもっともっと研究が必要だ、


というおはなし。

2012年6月22日

年に たった1度の二日酔いで、脳卒中リスクが …


Hangover and the risk of stroke in middle-aged men.
2012  6月  フィンランド




二日酔いと脳卒中との関連を調べたそうな。



2466人の男性を16年間追跡調査した。


この間に206人が脳卒中になり、

そのうち167人は脳梗塞だった。




解析の結果、

1年に1回以上二日酔いを経験した者は

まったくなかった者に比べて、

脳卒中のリスクが2~3倍だった。




年に1度の二日酔いが脳卒中を招くことがわかった

というおはなし。


二日酔い
女性の二日酔いについては不明




感想:

アルコールが怖いので、最近はノンアルコールビールがお気に入り。


いろいろな種類を試したけど、アサヒドライゼロがダントツでうまい。

2012年6月21日

微小脳出血が起きやすい身長体重が判明


Severe underweight and cerebral microbleeds.
2012  6月  日本



ボディマス指数(BMI)と微小脳出血との関連を調べてみたそうな。


40歳以上の男女384人について脳全体をMRI検査して

微小脳出血の個数を数え、

BMI(体重kg/身長m/身長m)との関連を解析した結果、



年齢、喫煙習慣、他の疾患を考慮に入れてなお、

BMIが17.0(kg/m2)未満の重症低体重者には

微小脳出血が極端に多いことがわかった



というおはなし。




感想:

自分のBMIがいつも19程度なので、興味がある。

生まれつきの体質で、体重を増やしたいけど太れない。

2012年6月20日

加糖飲料と脳卒中との関連について


Consumption of sugar-sweetened beverages in relation to stroke: a case-control study.
2012  6月  イラン




加糖飲料と脳卒中との関連を調べたそうな。


イランのある大学病院に入院した患者について

発症前の食事調査の結果から日常の加糖飲料の摂取量を推定した。




次のことがわかった。

・脳卒中患者とそれ以外の患者とで加糖飲料の摂取量に違いはなかった。

・他の要因を考慮に入れても脳卒中と加糖飲料の日常摂取量との間に関連は見られなかった。






加糖飲料では脳卒中になりそうもないことがわかった

というおはなし。





感想:

糖分を気にしすぎてうっかりダイエットコーラにしたりすると

却って危ないのかもしれない。

・ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

・毎日のダイエットコーラでカロリーオフ! → 脳卒中で入院



2012年6月19日

片麻痺は一生懸命歩いても遅い  なぜなのか


The reasons why stroke patients expend so much energy to walk slowly.
2012  5月  ベルギー




脳卒中片麻痺患者の歩行距離当たりの

エネルギー消費量が高いことは知られている。


その理由を調べてみたそうな。




20人の脳卒中片麻痺患者について

トレッドミルを用いてその速度を変えながら

歩行中の力学的動作を解析した。




次のことがわかった。


・片麻痺患者の歩行中のエネルギー消費量は健常人の1.7倍だった。


・特に、最大歩行スピードの遅い患者は力学的仕事量が大きく、

 エネルギー消費量も多かった。


・健常脚で身体を支えているときに体重心を引き上げようとする

 動作がエネルギー消費量の増加につながっていた。








全力で歩いても遅い片麻痺患者は

要らぬ動作のためにやたらエネルギーを消費していることがわかった



というおはなし。

2012年6月18日

脳卒中後の疲労を "甘え"と思わないで欲しい


Frequency and natural history of fatigue after stroke: A systematic review of longitudinal studies.
2012  7月  イギリス



脳卒中後の疲労
について過去の研究を調べ直したそうな。



医学データベースから関連する研究論文101件を抽出して、

さらに9件を厳選し 分析した。




次のことがわかった。

・脳卒中後の疲労は3-9割の患者で見られた。

・時が経つにつれて疲労が減るとする論文が7件、増えるとする論文が2件あった。

・3件の論文が疲労が気分的なものであるとしていた。

・うつが疲労をもたらすとする論文もあった。





脳卒中後の疲労は珍しいことではなくて、

発症初期から長く続くものもある。

心理的な関連は未だよくわかっていない



というおはなし。





感想:

これは未だに悩んでいる問題でもある。


ほんとうに疲れやすい。


筋肉ではなく、頭の中が疲れる。


(きっと以前も同じ事を書いているハズ。)


この感覚は経験者でないと理解してもらえないと思う。



脳に乳酸がたまるような感じで

あたまの中の歯車が動かなくなる。


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2012年6月17日

評判が良いので超早期リハビリをやってみたら... 死者続出


Outcome After Mobilization Within 24 Hours of Acute Stroke: A Randomized Controlled Trial.
2012  6月  ノルウェー



超早期リハビリの評判が良いので実際に試してみたそうな。



発症後24時間以内の脳卒中患者56人について、

・入院から24時間以内に移動訓練を始める27人(超早期リハビリグループ

・入院から24-48時間経ってから移動訓練を始める29人(比較グループ)

の2グループに分けて、

その後の回復の程度、死亡率などを比較した。




次のような結果になった。


・超早期リハビリグループでは回復が思わしくなく、死亡率も高かった。

・比較グループの回復はまあまあだった。






入院後24時間以内に移動訓練を始める超早期リハビリを試したらヒドイ目に遭った。


超早期リハビリってほんとうに良いの?



というおはなし。

2012年6月16日

脳出血が増える季節 それは...


Ambient temperature and spontaneous intracerebral haemorrhage: a cross-sectional analysis in Tainan, Taiwan.
2012  6月  台湾




気温と脳出血との関連について調べたそうな。


933人の脳出血患者について、

発症時の気温ごとに分類し、

その関連を解析した。


次のことがわかった。

・脳出血は冬に多かった。

・気温の変動が激しいときに起きた。





冬はしっかり暖房しましょう

というおはなし。




気温、季節と脳出血
気温、気温変動と脳出血件数

2012年6月15日

片麻痺で骨密度が低下、腕か 脚か


Bone Loss in Chronic Hemiplegia: A Longitudinal Cohort Study.
2012  6月  ブラジル



脳卒中片麻痺患者の骨密度の変化について調べたそうな。



発症後1年以上経過した慢性期脳卒中患者57人について

骨密度等の体組成調査を期間をあけて何度か行った。




次のことがわかった。

・麻痺のあるの骨密度が著しく低かった。

・大腿骨は麻痺側、健常側で骨密度の大きな違いはなかった。

・血液凝固阻止剤、抗てんかん薬を使っている患者の

大腿の骨密度は著しく低く、これは発症時期に依らなかった。






脳卒中患者の骨密度は減る傾向にあり、

特に脚よりも腕で顕著であることがわかった



というおはなし。

2012年6月14日

勃起不全(ED)になる脳卒中経験者たち...


Erectile dysfonction after stroke in Brazzaville.
2012  6月  コンゴ

脳卒中後の勃起不全(ED)について調べてみたそうな。


脳卒中経験のある外来患者104人について

調査したところ、次のことがわかった。


52%が脳卒中後に勃起不全を経験し、その平均年齢は56歳だった。

・脳卒中後、平均5ヶ月で勃起不全になった。

・そのうち70%の勃起不全は続いている。

・勃起不全と高コレステロール血症がよく相関していた。

61%の勃起不全は さほど重症ではなかった。



脳卒中後の勃起不全は珍しくなく、

高コレステロールがリスク要因であることがわかった



というおはなし。

図:脳卒中後の勃起不全の程度分布

感想:

勃起不全(wikipedia)をみると、50代後半のEDは47%とある。

この調査結果はそう驚くことではなさそう。

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