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2011年9月11日

魚を食べると脳卒中が減る は本当


Fish Consumption and the Risk of Stroke: A Dose-Response Meta-Analysis.
2011  9月  スウェーデン




魚の摂取は脳卒中の予防になると考えられてきた。


過去の研究をおもいっきり洗い出して

その予防効果について調べ直してみたそうな。




信頼のおけそうな研究が15件見つかった。

それら38万人あまり、9360件の脳卒中事例を分析したところ、



魚料理が週に3回増えるごとに

脳卒中になる危険性が6%減る
ことがわかった。




どうやら本当に魚を食べると脳卒中になりにくくなるようだ、

というおはなし。





写真:魚料理

2011年9月10日

アパシー:無気力・無感動な態度。またはその状態。


Apathy in acute stroke patients.
2011  9月  ポルトガル



脳卒中患者のアパシー(無気力、無関心)の特徴について調べたそうな。



94人の急性期脳卒中患者(脳出血22人、脳梗塞72人)と

冠動脈患者50人について比較したところ、



次のことがわかった。

・脳卒中患者の38%がアパシーになる。

・冠動脈患者も その24%がアパシーになった。

・脳卒中患者は冠動脈患者に比べアパシーの自覚が低かった。

・脳出血、低学歴、右脳損傷だとアパシーになりやすい。

・認知障害、うつ とアパシーとの関連はなかった。

・アパシー患者の予後は良くなかった。


というおはなし。

アパシーの図

感想:

アパシーと うつの違いを調べてみると

『生活全般に対する無気力・無関心を示すうつ病とは異なる。また、うつ病はしばしば睡眠障害を伴うのに対し、アパシーの場合、昼夜逆転生活になっても睡眠はとることができる。』


とある。


また

『日常生活の喜怒哀楽から離れ、世界の秩序を観照する平静な精神状態を示すギリシア語の“apatheia”という語に由来する。』


という意味もあり、 こっちの方がカッコイイと思う。

2011年9月9日

充分な睡眠で脳がよみがえる


Sleep disturbance impairs stroke recovery in the rat.
2011  9月  スイス




脳梗塞後の睡眠妨害が脳の回復に与える影響を調べたそうな。


ネズミを人為的に脳梗塞にし、その12時間後から 

3日間の睡眠妨害を行った。


その後 5週間にわたり知覚運動機能の回復具合を評価し、

解剖して脳組織の修復程度を確認した。


比較のため、脳梗塞もしくは睡眠妨害のないグループも作成した。



結果、

睡眠妨害を受けたグループのネズミは

上肢機能の回復が著しく遅かった。


また、脳組織の再生程度も非常に低かった。





脳梗塞後、睡眠妨害を受けると予後が非常に悪くなることがわかった。


睡眠は脳の回復にとても重要であると考えられる、


というお話。

2011年9月8日

チベット住人はキレやすいという科学的根拠


Characteristics of Stroke in Tibet Autonomous Region in China: A Hospital-Based Study of Acute Stroke.
2011  8月  中国



チベット自治区住人の脳卒中の傾向を調べたそうな。


チベットの病院と中国西病院の脳卒中患者それぞれ

301人、3334人について比較した。


その結果、

・チベットの脳卒中患者は10歳ほど若く、

74.1%が脳内出血だった。

・高血圧と飲酒が主な危険要因と考えられた、




というおはなし。

図:チベットの脳卒中うちわけ




感想:

脳出血の割合の高さにオドロイタ。

(日本では 10数%…)


親近感が湧く。


きっと 性格もキレやすいと推測。

2011年9月7日

院内死亡率:脳梗塞3.5%、脳出血15.1%


In-hospital Mortality in Patient with Acute Ischemic and Hemorrhagic Stroke.
2011  9月  日本





急性期脳卒中患者の院内死亡率について調べたそうな。




・2009年に入院した急性期脳卒中患者738人のうち

・53人(7.2%)が死亡した。


内訳は、

・脳梗塞:3.5%

・脳内出血:15.1%

・くも膜下出血:17.9%


であった。 また、


・くも膜下出血の患者は若い人が多く、

・糖尿病持ちの脳出血患者の死にやすさは顕著だった。



というおはなし。

2011年9月6日

リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ


Sleep enhances implicit motor skill learning in individuals poststroke.
2008  2月  アメリカ

脳卒中患者の動作学習に対する睡眠の影響について調べたそうな。


18人の脳卒中患者と同年齢18人の健常人について、

パソコンスクリーンに映るグラフィックを追跡する動作学習を

訓練の合間に睡眠を挟むグループと

睡眠無しのグループとに分けて実施し、

前回の動作エラーからの改善の大きさを評価し 学習効果とした。



その結果、

動作訓練の合間に睡眠を取らせた脳卒中患者は学習効果が著しく大きかった

一方、健常人では睡眠の有無に関わらず学習効果は見られなかった。


リハビリ訓練は就寝直前に行うか、

訓練の合間にお昼寝をすると効果があがりそう、


っておはなし。
図:昼寝のあとの脳卒中患者の学習効果



感想:

先日のNHKスペシャル(脳がよみがえる)の中で紹介されていたカンザス大学のキャサリン・シエングシュコン准教授の研究。
とても感じのよい人だった。

番組の他の話はもう忘れてしまったけど、

この睡眠学習の話だけは印象的だった。
こういうシンプルな内容は好き。

2011年9月5日

[感想] NHKスペシャル|脳がよみがえる ~ 脳卒中・リハビリ革命 ~


2011年9月4日(日) 午後9時00分~9時49分 総合テレビ

脳がよみがえる ~脳卒中・リハビリ革命~


これ 録画して観た。

おかげでアクセスも増えたし記念に感想を記しておく。



促通反復法川平法)と呼ばれるリハビリ方法の紹介がメインだった。



およそ人の名前の付いた治療法にロクなものはない、

という 私なりの人生経験則があったことと、


施術者に非常に特殊な技能が要求され、その習得に時間がかかることから


これはサイエンスと言うよりは

宗教に近いものだろうと考えて、


これまで あえて一度も記事にしたことはなかった。



触れるのは これが最初で最後だと思う。







テレビの罪深さを感じた。


川平先生ご自身も、これだけセンセーショナルな放映内容を許可したのだから

それなりの覚悟はあった と思う。



視聴者はきっと こう考える。


『あんなに素晴らしい治療法があるのに、なぜわたしは麻痺が改善されなかったのだろうか…

そうか! きっと自分を担当していたリハ医は わたしたちの税金を貪ることに執心のあまり新しいリハビリ法の勉強をまったくしていなかったに違いない!無能なリハ医を相手取って訴訟を起こすべきなのかもしれない… 』

って。


怪しげなスプリントを腕に付け 

薄暗い部屋で顔にボカシを入れて証言する正体不明の患者など、

久しぶりに矢追さんの木曜スペシャルを観ているような気分になり

とても楽しめました。


ありがとうNHK

追記:
最新の脳卒中治療ガイドラインによると
促通手技は科学的根拠のない治療法とされています。
引用
ファシリテーション(神経筋促通手技)、〔Bobath法、neurodevelopmental exercise(Davis)、Proprioceptive neuromuscular facilitation(PNF)法、Brunnstrom法など〕は、行っても良いが、伝統的なリハビリテーションより有効であるという科学的な根拠はない(グレードC1)。

http://www.jsts.gr.jp/guideline/296_299.pdf

2011年9月4日

手の感覚麻痺を視覚で補う


Correlations between motor and sensory functions in upper limb chronic hemiparetics after stroke.
2011  8月  ブラジル



片麻痺患者の上肢運動機能と皮膚感覚との

関連を調べてみたそうな。



体性感覚機能を複数の評価方法で調べ、

運動機能、視覚情報の有無との関係を分析した。




結果、

体表の感覚機能と上肢運動機能との間に関連が見られた。


この関連性は患者が視覚を失っている場合に強かった。



このことから 脳卒中で失われた感覚機能を視覚情報が補っている

であろうことがわかった、


というおはなし。







感想:

とても共感できた。


自分も、いまだに左半身の皮膚感覚が弱く、

キーボードで文字を打つ際も

指はほぼ自由に動くのだけれども

どこにどの文字キーがあるのかが

触覚ではまったくわからない。



常に左手の動きを視野の隅に捉えて

腕や指が正しい方向へ進んでいることを確認、修正している。




なので、いまのところ 

再びブラインドタッチができるようになる気はまったくしない。




体性感覚ホムンクルス
写真:体性感覚ホムンクルス

2011年9月3日

イメージトレーニングの上肢リハビリは効果が持続する


Retention of Motor Changes in Chronic Stroke Survivors Who Were Administered Mental Practice.
2011  8月  アメリカ



イメージトレーニングを組み合わせた

上肢リハビリの効果を検証してみたそうな。




慢性期脳卒中患者21人をランダムに振り分けて、

イメージトレーニングを加えた上肢リハビリプログラムを

10週間受けさせた。


イメージトレーニングは録音したものを用いた。


このリハビリプログラムの前後および3ヶ月後の上肢機能の評価を行った。



その結果、


イメージトレーニングを組み合わせたグループでの

上肢機能改善効果はプログラム終了後3ヶ月経っても

維持されていることがわかった、


というおはなし。




写真:イメージトレーニング

2011年9月2日

脳卒中で入院  4人に1人は合併症


In-Hospital Medical Complications, Length of Stay, and Mortality Among Stroke Unit Patients.
2011  8月  デンマーク



脳卒中後の合併症と在院日数との関連を調べたそうな。


2003-2009に入院した1万3千人あまりの患者について、

2011年9月1日

情動失禁とは抑えるべき感情をお漏らししてしまうこと


Health-Related Quality of Life in Patients With Poststroke Emotional Incontinence.
2011  8月  中国


脳卒中後の情動失禁の影響を調べたそうな。



385人の脳卒中経験者にアンケートをとったところ、 

15.1%情動失禁が見られた。


情動失禁のある者の回復度は心身共に低かった。

情動失禁の有無それ自体が健康関連QOLに影響を及ぼすことがわかった、

というおはなし。



* 情動失禁 emotional incontinence とは

情動は正常な場合には意志の力で統制され発現が抑制されているが、

この意志による統制力が病的に低下するため、情動が過度に発現される状態。

ちょっとしたことで涙もろくなり、すぐに泣いたり、喜んだり、怒ったりする。

脳血管障害 (脳梗塞など) に特徴的であるとされる。







感想:

スードバルバーアフェクト(PBA:Pseudobulbar Affect)との違いがよくわからない。

同じものかな。
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