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2011年1月6日

両側上肢トレーニング vs CI療法 ← 脳機能イメージングで勝負


Brain Reorganization after Bilateral Arm Training and Distributed Constraint-induced Therapy in Stroke Patients: A Preliminary Functional Magnetic Resonance Imaging Study.
2010 11月 台湾



両側上肢トレーニングとCI療法は慢性期脳卒中患者の
上肢機能改善に効果的であると言われている。

その効果を脳機能イメージング技術fMRIを使って
確認したそうな。


6人の脳卒中患者について、
両側上肢トレーニング、CI療法に分けて3週間、
それを受けさせる。



各運動療法を受ける前と後とで特定の上肢運動に伴うfMRIを比較観察した。



その結果、

どちらの場合も、
治療後の脳の活動領域は両半球にわたり広く増加していた。


しかし、肘を動かす運動については

両側上肢トレーニングでは小脳に広く活動領域が現れる一方、

CI療法では小脳での働きが激減した。

CI療法のファンクショナルMRI
左:CI療法前、 右:CI療法後


どちらが良い悪いということではなく、

いずれの療法も脳の可塑性を促し かつ、

その療法独自の脳への働きかけが行われていること

を確認することができた世界初の例である、

という話。

2011年1月5日

ブルーベリーで血圧が下がるよ


Feeding blueberry diets inhibits angiotensin II-converting enzyme (ACE) activity in spontaneously hypertensive stroke-prone rats.
2011 1月 カナダ



高血圧ネズミにブルーベリーを与えると血圧が下がる。

この効果が
アンギオテンシン変換酵素(ACE)の働きが抑えられることによる
ものかどうかを調べたそうな。


濃度3%のブルベリー食を2週間摂らせたところ、

高血圧ネズミの血中ACE濃度が下がった。

普通血圧ネズミではなんともなかった。


この効果は6週間以上持続し、
他の臓器にはまったく影響はなかった。



ブルーベリージャムをたべよう、というはなし。


ブルーベリーで高血圧治療

2011年1月4日

ミラーセラピーが脳に働きかける説は 文字通り "幻" かも


The neuronal correlates of mirror therapy: an fMRI study on mirror induced visual illusions in patients with stroke.
2010 9月 オランダ



ミラーセラピーの効果を詳細に探るべく、
被験者の脳の活動を直接観察することのできる最先端技術、

脳機能磁気共鳴撮影法(fMRI)を用いたそうな。



片方、両方の腕を動かしたとき、
ミラーのある時と無いとき

それぞれの組み合わせで脳の神経活動を
20人ほどの患者についてモニターしたけれども、


大脳皮質の運動野やミラーニューロンに関連した系の
活動は一切見られなかった。



この事実から
巷で言われているようなミラーセラピーの臨床効果には
疑問を感じざるを得ない…、という内容。

ミラーセラピーをfMRIで検証
実際の実験風景

2011年1月3日

頭に電流を流して脳卒中治療


Transcranial direct current stimulation induces polarity-specific changes of cortical blood perfusion in the rat.
2010 12月 ドイツ



tDCS( transcranial direct current stimulation:経頭蓋直流電気刺激)
は慢性期脳卒中患者の上肢機能を改善するといわれている。

脳血流に与える影響をネズミを使って調べてみたそうな。



陽極と陰極のどちらかの電極をあたまにくっつけることで、
脳血流を自在に、25%も増やしたり減らしたりできることがわかった。


うまく使えば急性期脳卒中患者の治療に利用できるかも、

という内容。





大雑把にあたまに電流を流すだけでそんなことができる…

こういうことがまことしやかに語られるこの業界がとても興味深い。

2011年1月2日

知らなかった…身長が低いと脳卒中になりやすいなんて

Influence of height on the clinical characteristics and prognosis of patients with ischemic stroke. 2011 1月 アメリカ



これまでのデータによると、 身長は低いほど脳卒中になりやすく、一方 心房細動のリスクは身長が高いほど高い、と考えられてきた。


脳梗塞患者881名について、その身長と 回復の程度について調べたそうな。


その結果、 身長と脳梗塞の種類、回復の程度とは関連がないことがわかった。
また、 身長の低い人ほど過去に脳卒中歴があることもわかった。

このことから
これまで言われてきたとおり、
身長の低い人ほど脳卒中になりやすいか
または 身長の高い人は心房細動由来の脳卒中で即死している、
という可能性が高いことが考えられる、
そういう内容。

2011年1月1日

6ヶ月以内に自立歩行できるようになる2つの条件とは


Is Accurate Prediction of Gait in Nonambulatory Stroke Patients Possible Within 72 Hours Poststroke? The EPOS Study.
2010 12月 オランダ



脳卒中6ヶ月後の自立歩行の可能性を予測するための
発症直後の判定ポイントを調べたそうな。


自立歩行のできない脳梗塞患者154名について、
発症3日、5日、9日、6ヶ月後の様子を記録、解析した。



その結果、発症3日の時点で、

・座位の姿勢をとることができて

・麻痺側の脚にある程度ちからが入る


この条件を満たすことのできる患者は、
6ヶ月後に自立歩行ができる可能性は98%であった。


それができない場合、可能性は27%であり、

9日目でもダメな場合には10%であった、

という内容。

2010年12月31日

脳卒中後の環境が遺伝子レベルで回復に影響する


Gene expression associated with an enriched environment after transient focal ischemia.
2010 12月 日本



脳卒中後に刺激豊富な環境に置かれると
機能回復が促されることが近年、動物実験などでわかってきた。



それを 遺伝子の働きについても調べてみたそうな。



人為的に脳梗塞にしたネズミを、

・刺激豊富な環境 グループ
・普通の籠 グループ

に分けて、
4週間後 解剖して働いている遺伝子の量を調べた。




なるほど刺激豊富な環境のネズミは運動機能の回復が早かった。

そして、Egr-1, - 2, BDNFというタンパク質の量が脳全体的に減っていた。



脳梗塞後の環境の違いにより、わずか4週間の間に遺伝子の
働き方まで変化していることがわかった、という衝撃的な内容。


遺伝子レベルで脳梗塞を改善

2010年12月30日

運動直後の脳梗塞に注意、しかしビビって動かないのはもっと危険


Physical Activity and Onset of Acute Ischemic Stroke: The Stroke Onset Study.
2010 12月 アメリカ



規則的な運動習慣が心血管系疾患を予防することは
よく知られている。


そこで 運動直後の脳梗塞リスクを調査したそうな。


390人の脳梗塞患者にインタビューしたところ、
5%の人が発症直前に中程度の運動をしていたそうな。



週3回程度の頻度で中程度の運動をする人は、
運動直後の1時間に脳梗塞のリスクが2倍に
なることがわかった。


しかしあまり動かないでじっとしている生活を送っている人の
脳梗塞リスクは7倍も高いということは憶えておこう、

というはなし。



動かない生活は脳梗塞リスク大

2010年12月29日

日本人、コレステロールは高いが勝ち


Low Cholesterol is Associated With Mortality From Stroke, Heart Disease, and Cancer: The Jichi Medical School Cohort Study.
2010 12月 日本



日本人12000人あまりについて総コレステロールと死亡率との関連を
12年間追跡した結果、

平均的なコレステロール値(160-200mg/dl)のひとに比べ

・コレステロール値が160mg/dl より低いと、男女共に
死亡率が5割増しになる。

・コレステロール値が240mg/dl より高くても
死亡率には影響がない。

・コレステロールが低いと脳内出血、心筋梗塞、ガン
いずれの死亡率も高くなる、ことがわかった。


コレステロールの高い日本人は死亡率が低い



自分は発症時、総コレステロールが140mg/dl だった。

なるべくしてなった感…

2010年12月28日

赤肉の好きな女性は脳梗塞になりやすい


Red Meat Consumption and Risk of Stroke in Swedish Women.
2010 12月 フィンランド


牛や豚などの赤肉やソーセージなどの加工肉をよく摂る女性は
脳梗塞にたいへんなりやすいことがわかった、という話。

脳出血やくも膜下出血には関連ないとのこと。


赤身肉を摂る女性は脳梗塞になる

2010年12月27日

股関節骨折と脳卒中の蜜な関係


Increased Risk of Stroke in the Year After a Hip Fracture: A Population-Based Follow-Up Study.
2010 12月 アメリカ



脳卒中後に股関節骨折を起こしやすいことはよく知られている。

逆に、股関節骨折後の 脳卒中へのなりやすさを調べたそうな。


2100人あまりの股関節骨折患者のうち、
その1年以内に脳卒中になったのは86人(4.1%)であった。

一方
健常人での骨折は6300人中170人(2,7%)だった。


他の要因を考慮してもなお、
股関節骨折経験者の1年内脳卒中の危険性は
普通のひとの5割増しになった、という内容。


なぜそうなるのかはよくわからない。


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