元
Is there a role for meaningful activity in stroke rehabilitation?
4月 オーストラリア
脳卒中患者を2つのグループに分けて、
一方に
作業に焦点を当てたグループプログラムというのを施したそうな。
退院後まで調べたところ、
そのプログラムを受けたグループの患者は
そうでないグループの患者よりも入院期間が長く、
しかも作業療法に割いた時間も格段に長かったにも関わらず、
その後の社会復帰や後遺症からの回復の程度は
むしろ低い状態であった とのこと。
作業ベースのグループプログラムや個人毎の作業療法
というのは 控えめに言っても、
回復のためのなんの助けにもならなかった、という結論。
自分の入院経験からすると、
作業療法って、レクレーション、遊びの時間だと思う。
その主な目的は、患者に後遺症の深刻さをできるだけ認識させないようにするために
その作業レベルは極めて低い状態に維持して 容易に達成できる課題のみを用い、
暗くなりがちな気持ちを少しでも盛り上げようとすること、
それが主になってしまっている、 という印象がある。
だからそんな作業に何時間費やしたところで
手が動くようになるわけでもなく、
むしろ現実逃避の時間が長かったぶん
社会への適応が遅れることになる というこの調査結果は当然のことと思う。
かといって手が動くようになる別の有効なトレーニング法もないので、
改善の望みのない患者を事前に切り捨てる必要も出てくる。
CI療法のような
"手が動くことが治療を受ける条件" とする不思議な治療法の存在も、
こういった背景を考えると無理もないことなのかも知れない。