もし自分がこの病気でなかったなら
片麻痺で車を運転するなんてやめてくれ! と言っているはず。
でも あきらめきれなかった。
車の運転は楽しいから。
調べてみると、平成14年ごろから脳卒中のように、意識障害を伴う発作を経験したひとは
運転免許更新時にその旨申告しなければならなくなったそうな。
私の場合 免許証更新まで1年以上あったので、県の運転免許センター の公安委員会っていうのかな、
に電話して どうしたらよいか尋ねた。
診断書の用紙を送るので医師に証明してもらい、それをもって運転免許センターへ来るよう 言われた。
診断書の内容は、今後発作が再発するかどうかの可能性の点から
運転を控えるべきか否かを医師に問う内容であり、手足の具体的な動きを問題にするものではなかった。
"控えるべきとは言えない" という診断をもらった。
で、
それを持って免許センターへゆくと 適性検査室 という大して広くない部屋へ通された。
どうやらそこは交通違反を繰り返して免許を取り上げられちゃった人たちも調べる場所を兼ねているようで、大声で、なんともおバカなやり取りが行われていた。
その部屋の一角にゲームセンターにあるドライブシミュレータのようなものがあった。
ゲームは得意だぞぉ と意気込んでみたものの、
やったことと言えば
・画面に表示される動く目盛りに合わせてハンドル、クラッチを別々にゆーっくりと動かすことができるかどうか。
・画面に表示された信号が青から赤に変わった時点ですぐにブレーキを踏むことができるかどうか。
を調べただけだった。
難易という概念を超越した ただの確認テストだった。
ちなみに、その装置には右麻痺の人用に、左手操作のアクセル、ブレーキレバーも付いていた。
あと、中型2輪の資格についても、部屋の隅にあるボロボロのスーパーカブにまたがって、
足をついて倒れずにいられるか、を確認しただけだった。
もちろんあっさりと "免許条件不要" 判定をいただくことができた。
免許証の裏にそのハンコを押してもらって帰ってきた。
任意保険も心配だったので保険会社に尋ねると、
そんなことはいちいち報告をしなくてもよい、といったニュアンスのことを言われた。
申告しようがしまいが、等級判断には影響がないそうな。
こういうケースの絶対数が少ないことと、法的に問題とならないことから
あまり関心がないのだと理解した。
というわけで、
各ハードルの低さに驚かされただけに、
逆に自分自身で体調を判断する責任の大きさに改めて気付かされた経験でもあった。