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「リマインド・トゥ・ムーブ」が上肢の運動野を活性化
元
"Remind-to-Move" Treatment Enhanced Activation of the Primary Motor Cortex in Patients with Stroke
2020 2月 香港
脳卒中経験者の70%には半身になんらかの麻痺が残る。その結果、たとえば健常なほうの手ばかりを使って麻痺側の手の使用頻度が低下する。これを「学習された不使用」とよぶ。
この対策としてCI療法があるが、CI療法ではすでに手を開いたり閉じたりできるハイパフォーマンスな患者しか対象とならない。さらに1日6時間以上 健常手を束縛する厳しさから完遂できる患者がきわめて限られる。
CI療法の代わりとしての "Remind-to-Move" (リマインド・トゥ・ムーブ:RTM)の報告がいくつかある。RTMでは麻痺手に着けたデバイスが視覚メッセージとバイブレーションで手を使うことを思い起こさせてくれる。
RTMでは健常手を抑制する必要がないもののCI療法と同レベルの効果が得られているという報告もある。
さらに振動刺激が体性感覚野を活性化する効果、運動準備のための注意をうながし背外側前頭前野の活動を高める効果も期待される。
そこで、RTMによる脳皮質の活動を脳卒中患者と健常者で比べてみたそうな。
2019年10月17日
重度上肢麻痺の両手準備運動の効果
元
Bilateral motor priming for post stroke upper extremity hemiparesis- A randomized pilot study
2019 10月 アメリカ
脳卒中の上肢リハビリにはCI療法があるが ごく軽い麻痺患者にしか適用できない。中-重度麻痺患者への ロボットやミラー、VRなどのリハビリ方法が試みられているがいずれも成果は芳しくない。
両手準備運動(Bilateral motor priming)では麻痺していない手の動きにあわせて麻痺手が左右対称に連動する装置をもちいる。この動きにより左右脳半球の働きがバランスされリハビリがすすむという報告がいくつかある。
そこで、上肢の重度麻痺患者に対し両手準備運動の効果を検証してみたそうな。
脳卒中の発症から6ヶ月以上経つ重度の上肢麻痺の患者16人について上肢の課題訓練(45分間)をおこなった。
課題訓練の直前に、
両手準備運動15分間 または
パソコンゲーム15分間(コントロール)をおこなうグループにわけた。
「両手準備運動」は両手が連動して鏡像運動する装置の上で手首の曲げ伸ばしを1周期1秒のペースでおこなった。
これらを1日2時間 x 週に2-3回ペースで 計15セッション行った。
TMSをつかって半球間抑制の程度も測定した。
上肢機能を、Chedoke Arm and Hand Activity Index9:CAHAI-9 および Fugl Meyer Upper Extremity:FMUE で6週間後までフォローした。
次のようになった。
・CAHAIスコアの改善度にはグループ間であきらかな差はみられなかった。
・FMUEでは両手準備運動グループが有意にすぐれた改善を示し、介入前後で10ポイント向上していた。(コントロールは4.4ポイントの向上)
・半球間抑制の持続性も両手準備運動グループであきらかにおおきかった。
上肢リハビリのまえに15分間の両手準備運動を加えることで重度麻痺患者の運動機能スコアがおおきく向上した、
というおはなし。
感想:
これって 両手のひらをあわせて指を絡めて離れないようにして、健常手でリードしながら両手首を左右にクキクキ動かすのと同じことと考える。特別な装置はいらないとおもうよ。
両手をパタパタ動かしてからリハビリすると左右の脳がシンクロしてどうのこうの…
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!
ランセット誌:ロボット上肢リハビリ まっっったく効果ない
2019年5月27日
【結論】片手訓練と両手訓練
元
Comparison of bilateral and unilateral upper limb training in people with stroke- A systematic review and meta-analysis
2019 5月 中国
脳卒中の上肢麻痺のリハビリテーション方法として片手訓練(unilateral upper limb training)と両手訓練(bilateral upper limb training)がある。
片手訓練は麻痺側の手の課題指向型訓練が相当し、それをさらに集中的におこなうCI療法を含む。
いっぽう両手訓練は健常手とのカップリング効果を期待して麻痺手の改善をはかる方法である。
これまで片手訓練と両手訓練の効果をくらべたメタアナリシスがいくつかなされたが そのいずれもが片手訓練にCI療法を含んでいた。
CI療法は訓練量のおおさとスケジュールの緻密さにより患者の68%が訓練を完遂できず、恩恵をうけるのはわずか20-25%のみという。
さらにその適応基準は非常にきびしく、患者は手首を10度以上伸ばせて親指と他の指が開くことを事前要求される。
結果的にCI療法は軽度の麻痺患者のみが対象になってしまうことから、これをメタアナリシスに含むことはまったく適切ではないと考えられる。
そこでCI療法を除いて、片手訓練と両手訓練についてメタアナリシスをやりなおしてみたそうな。
CI療法をふくまない片手訓練および両手訓練のこれまでの研究を厳選し、データを統合 再解析して、
評価基準
Fugl-Meyer Assessment of Upper Extremity (FMA-UE),
Wolf Motor Function Test (WMFT),
Action Research Arm Test (ARAT)
Box and Block Test (BBT)
について効果を比較したところ、
次のようになった。
・被験者842人を含む21のランダム化比較試験がみつかった。
・片手訓練にくらべて両手訓練はFMA-UEスコアがあきらかに優れていた。
・しかしWMFTの完遂率および WMFT,ARAT,BBTの機能パフォーマンスの点では有意な差は確認できなかった。
両手訓練は運動機能FMA-UEの改善にあきらかに優れていた。しかし巧緻性をしめすWMFT,ARAT,BBTの点で片手訓練と有意な差はなかった、
というおはなし。
感想:
「CI療法は はじめからなかったことにしましょう」←著者が言いたいこと。
2019年4月30日
ボバースコンセプトのリハビリ効果
元
Effectiveness of the Bobath concept in the treatment of stroke- a systematic review
2019 4月 スペイン
ボバースコンセプトは1940年代に登場し、中枢神経系や感覚運動制御と筋肉構造の3つの可塑的変化をうながす神経発達学的治療法とされている。
ボバースコンセプトは脳卒中リハビリテーションでもっともおおく採用されてきたアプローチのひとつではあるものの、これまでのシステマティックレビューでは目立った成果は確認されていない。
最新のシステマティックレビューは10年前のものなので、こんかいあらためてレビューしてみたそうな。
2018年1月までの関連論文を複数のレビュワーが厳選し、そのエビデンスレベルをPDroスケールで評価したところ、
次のことがわかった。
・15の臨床試験がみつかった。
・ボバースコンセプトは他のアプローチにくらべ、下肢の運動機能、バランス、日常生活動作 の点でなんら優れた点はなかった。
・上肢について CI療法よりはやや効果的だった。
ボバースコンセプトの脳卒中リハビリテーションは下肢で優れた点はなく、上肢でやや効果がある程度だった、
というおはなし。
感想:
CI療法はいまやこの状況↓なのでボバースも推して知るべし。
課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない
治療法に人のなまえがついたままであることそれ自体が、手法の一般化ができずに限られた信者だけのものになっているあかしと考える。
2019年3月5日
理学療法とADLのアンブレラレビュー
元
Subacute stroke physical rehabilitation evidence in activities of daily living outcomes: A systematic review of meta-analyses of randomized controlled trials
2019 2月 スペイン
脳卒中のリハビリテーションの主軸は理学療法であると考えられている。
脳卒中の理学療法について、これまでおおくの研究がなされてきたがメタアナリシスのメタアナリシスであるアンブレラレビューはわずかしかないうえに古い。
そこで、理学療法の最近の治療法もふくめてくわしいアンブレラレビューをこころみたそうな。
複数のレビュワーにより 亜急性期の脳卒中の理学療法について、
日常生活動作ADLを評価したランダム化比較試験RCTのメタアナリシスを厳選した。
データを統合 再解析して、
標準化平均値の差:Standardized mean differences (SMD)と統計学的異質性を評価したところ、
次のようになった。
・被験者13787人を含む314のRCT、21種類(ロボット、スリング、Nintendo Wii、tDCS、灸、鍼、CI療法、mCI療法、仮想現実、FES、繰り返し訓練、両手訓練、拡張現実、イメージ訓練、電気鍼、太極拳、水中訓練、ミラー療法、rTMS、サーキット、末梢電気刺激)の介入方法についての55のメタアナリシス論文がみつかった。
・仮想現実、CI療法、拡張現実、tDCS と理学療法の組み合わせでは異質性の低いわずかながらの改善効果がみられた。
・灸、太極拳、鍼(はり)はもっとも高い効果が得られていたが、異質性が高かった。
・これらのなかで鍼と理学療法の組み合わせのみが勧められるレベルにあった。
おおくの種類の介入方法が理学療法との組み合わせで試されてきているものの、ADLの改善を裏付ける質の高いエビデンスはいずれの方法でも得られていなかった、
というおはなし。
感想:
なぜ鍼のようにまったく異なる信念体系の成果が しれっと理学療法の手柄にされているのか、不思議におもい しばらく考えて気がついた。
理学療法というのは理学療法士の指導のもとでなにかしらの体のエクササイズを行うことを指していて、
体に電気をながしながらでもいいし、
踊りながらでもいい、
おなじ動作をひたすら繰り返すだけでもいい、
鏡をみながらでもテレビゲームやりながらでもいい、
もちろん鍼をさしたあとでもいい、
そこに理学療法士がいて体をうごかしたらそれはもう「すべて理学療法」なのである!!!
ようやく理学療法のなんたるかについて理解できた気がしている。
2018年12月12日
中低所得国で成果をあげている脳卒中リハビリとは
元
A systematic review of physical rehabilitation interventions for stroke in low and lower-middle income countries
2018 12月 アイルランド
脳卒中による障害や早死による世界全体の人的損失年数の78%は中低所得国で発生しているという。
これらの国々では脳卒中リハビリにあてられるあらゆるリソースが限定的であり高所得国の真似をすることができない。
そこで中低所得国で効果的とされる脳卒中の身体リハビリテーションの種類についてこれまでの成果をまとめてみたそうな。
中低所得国の成人脳卒中患者を対象とした身体リハビリテーションに関係する質の高い研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、
次のことがわかった。
・被験者2115人を含む62の研究がみつかった。大半はインドのものだった。
・内訳は、上肢関連が26件、下肢22件、その他14件だった。
・研究の質的には、強7件、中16件、弱39件と分類でき、
・全体として身体リハビリテーションにより患者の回復が促された。
・特にエビデンスレベルが高かったものは、CI療法とミラーセラピーによる上肢リハビリおよび、
・運動イメージ訓練による歩行リハビリだった。
・次いで、立ち上がり訓練(sit-to-stand training)でのバランス改善効果だった。
中低所得国の脳卒中リハビリ研究の結果、ミラーや運動イメージによる脳内トレーニングおよび上下肢の繰り返し運動が効果的でかつ低コスト シンプルな方法として評価されていた、
というおはなし。
感想:
むしろこういう環境でこそ真の実力が試される。
CI療法(=課題指向型訓練)はナンセンスであることが最近あきらかになったので除外するとして、
ミラーセラピーの発案者はインド人だから一番人気は納得。
そして安定のメンタルプラクティス(運動イメージ訓練)か。
2018年10月9日
薬にたよらない脳卒中リハビリのおすすめは
元
Non-pharmacological interventions for the improvement of post-stroke activities of daily living and disability amongst older stroke survivors: A systematic review
2018 10月 イギリス
脳卒中のリハビリテーションでは薬を用いない方法が大勢をしめている。
しかし、これら非薬物的リハビリテーションの高齢患者での研究はおおくない。
そこで65歳以上の高齢脳卒中患者を対象とした非薬物的リハビリテーションについての、これまでの研究をまとめてシステマティックレビューを試みたそうな。
複数のレビュアーが関連する研究を厳選して、データの偏り、エビデンスの質(GRADE)を評価したところ、
次のことがわかった。
・14の非薬物的リハビリテーションについての計72の論文がみつかった。
・各方法と論文数の内訳は、鍼灸1、介護者トレーニング1、CI療法2、ロボット支援8、音楽療法1、神経刺激3、作業療法12、プリズムメガネ3、理学療法17、イメージ訓練6、自己管理教育6、ビデオゲーム1、自走車椅子1、だった。
・日常生活動作の改善が見られたのは、理学療法と作業療法のみだった。
・14あるいずれの方法も、身体障害の改善に効果的とするエビデンスはまったくなかった。
・すべてにおいてエビデンスレベルは低く、研究の数も少なかった。
高齢脳卒中患者への薬物を使わないリハビリテーション方法のうち、理学療法と作業療法のみで日常生活動作への改善効果が確認できた。全体的に報告数がすくないのでさらなる研究を期待する、
というおはなし。
感想:
理学療法と作業療法以外は、やっている内容をそれぞれ容易にイメージすることができる。
ところが理学療法や作業療法については漠然としすぎていて具体的にどんな介入内容を指すのかわからない。
だからこの2つを他と同列に比べるのはフェアでないとおもうんだ。
日本の理学療法士はどういう根拠に基づいて仕事をしているのか?
コクランレビュー:作業療法のエビデンス信用できない
2018年2月9日
急性期もOK 両手両腕集中訓練法 HABITとは
元
Short-term Efficacy of Hand-Arm Bimanual Intensive Training on Upper Arm Function in Acute Stroke Patients: A Randomized Controlled Trial.
2018 1月 中国
脳卒中の急性期は上肢機能の改善がいちじるしい時期である。
さいきん片手訓練よりも両手訓練の成果が注目されている。
これまで脳性小児麻痺患者を対象に開発された両手両腕集中訓練法 HABIT(Hand-arm bimanual intensive training)を脳卒中の成人に応用した例はないので実験してみたそうな。
急性期の脳卒中患者128人をHABITと従来リハビリ(課題指向型訓練)グループにわけた。
HABIT では 1)胸帯の強化、2)触覚、3)両腕の協調、4)手の細かい動作、にフォーカスした訓練をおこなった。
2週間の訓練ののち 成果を比較したところ、
次のようになった。
・上肢機能FMAスコアは 52 vs. 44 でHABITグループがあきらかに高く
・ARATスコアも 35 vs. 33 でHABITグループが高く、運動誘発電位も高かった。
HABITでは急性期脳卒中患者の上肢運動機能の改善度が従来リハビリよりもあきらかにすぐれていた、
というおはなし。
感想:
根性論ではなく科学的なリハビリを、、ってことなんだろな。
JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない
急性期脳卒中患者へのCI療法は?
2018年2月3日
感覚遮断が脳の可塑性をうながす理由
元
Sensory deprivation after focal ischemia in mice accelerates brain remapping and improves functional recovery through Arc-dependent synaptic plasticity
2018 1月 アメリカ
脳卒中のあとの手足の麻痺からの回復はダメージをうけた脳皮質周辺での機能の再編能力にかかっている。
このプロセスをうながすべくネズミのヒゲを刈り取り無感覚にすることで脳に機能的空きスペースを作ってみたそうな。
2017年8月2日
リハビリにクロスエデュケーションを使うべき理由
元
Clinician perspectives on cross-education in stroke rehabilitation.
2017 7月 カナダ
脳卒中患者のおおくが上肢に麻痺をのこして生活の質の低下に悩んでいる。
これにたいして CI療法や電気刺激、メンタルイメージ、バーチャルリアリティー、ミラーセラピー、ロボティクスなどの治療法が提唱されてはいるが、どれも制限がおおく適応になる者はわずかである。
たとえば CI療法では手首が20度 指が10度以上開くことのできる患者以外は相手にされない。
さいきん、片方の手で訓練した成果がもういっぽうの手に移る「クロスエデュケーション」が重度の上肢麻痺患者にも耐えうる治療法として注目されている。いくつかの研究では健常者よりも脳卒中患者でよりおおきなクロスエデュケーション効果を得られることもわかってきた。
そこでクロスエデュケーションをリハビリ現場にもちこむにあたって何が問題になりそうかをセラピストたちに議論させてみたそうな。
救急病院やリハビリ病院から経験年数0-30年の作業療法士23人、理学療法士2人をあつめて、
*従来の上肢麻痺患者のリハビリ訓練法
*クロスエデュケーションの理解
*クロスエデュケーションの可能性と問題点
について議論させ、その内容を定性的に分析した。
次のようになった。
・全体をとおして浮かび上がったテーマは「受け入れがたいけど有望」である。
・これには3つの段階があって、
(1)従来のリハビリは麻痺手を強制使用させる考え方にもとづいている。・健常な手を訓練するクロスエデュケーションについて患者や家族、医療関係者に理解を得るための資料が必要と考えられた。
(2)麻痺が重度で強制しようのない患者には従来法は無力である。
(3)クロスエデュケーションは従来法に簡単に追加できる。
麻痺手のために健常手を訓練するクロスエデュケーションは重症麻痺の患者に適している。従来法を置き換えるものではなく補助的な治療法である。一見して従来法とは矛盾した考え方がもとになっているため関係者の理解を促す資料が必要だろう、
というおはなし。
感想:
クロスエデュケーション研究には120年の歴史がある。その効果はたぶん本物なんだろう。
ならば、健常な手に袋をかぶせて2週間使えない状態にするCI療法はクロスエデュケーション的には最凶最悪の治療法といえるだろう。共存はむりだな。
[クロスエデュケーション OR 両側性転移]の関連記事
2016年12月9日
課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない
元
Does Task-Specific Training Improve Upper Limb Performance in Daily Life Poststroke?
2016 12月 アメリカ
脳卒中患者の上肢機能がリハビリ訓練により 気のせいではなくほんとうに改善するのなら 日常生活にも必ず反映されるはずである。
そこのところをきっちりと実験してみたそうな。
発症後6ヶ月以上経ち中等度の上肢麻痺の脳卒中外来患者78人について、
課題指向型訓練のセッションあたりの反復回数ごとにつぎの4つのグループに分けた。
*個人の最大回数
*100回
*200回
*300回
訓練は1セッション1時間x週4回x8週間 計32時間とした。これは課題指向型訓練の代表例であるCI療法の時間と等しい。
訓練期間中、週に1度 両腕に加速度計を6つ装着し連続26時間の活動記録を取った。
各グループと加速度計の記録との関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・加速度計記録の上肢パフォーマンスに 有意な変化はまったく確認できなかった。
・上肢の機能評価ARATスコアの改善は加速度計の記録に反映しなかった。
・もとの上肢能力や訓練量によらずなんの変化もなかった。
8週間の課題指向型訓練では訓練量にかかわらず 日常生活での上肢パフォーマンスはまったく改善しなかった。病院に通い懸命に訓練して「良くなったよ」と言われても、家に帰ると実はなにも変わっていなかった、、、
というおはなし。
感想:
エビデンスがそろってきた。これらは↓ぜんぶ今年の報告。
(11月)コクランレビュー:反復課題訓練 エビデンスない
(7月)訓練繰り返すほど良くなると思ってたら そうでもなかった
(2月)JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない
「特定の課題を集中的に繰り返し訓練することで麻痺は改善する」
この考え方って 裏を返せば
「いつまで経っても良くならないのはあなたの努力不足のせいです」 って言ってるのと同じだよね。
(●`ε´●)
2016年11月21日
コクランレビュー:反復課題訓練 エビデンスない
元
Repetitive task training for improving functional ability after stroke.
2016 11月 イギリス
特定課題の反復訓練は脳卒中リハビリの基本と信じられており、CI療法やロボット訓練、トレッドミル訓練の根拠にもなっている。
はたして反復課題訓練にリハビリ効果があるものか 今更ながらに検証してみたそうな。
現在までの関連する信頼性の高い研究を厳選し、データを統合 再解析したところ、
次のようになった。
・被験者1853人を含む33の臨床研究がみつかった。
・通常の理学療法やプラセボにくらべて 反復課題訓練での上下肢の運動機能の改善度は小さかった。
・その効果はせいぜい6ヶ月程度しか持続しなかった。
・転倒などの有害事象はなさそうだった。
反復課題訓練のエビデンスは上下肢ともに低レベルかつ効果限定的であり とても薦められるものではない、
というおはなし。
感想:
そんなことより もうかれこれ7年間この種の情報を調べているけど、理学療法が具体的に何を指すのかいまださっぱりわからない。
JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない
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