元2024 6月 中国
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2024年6月6日
脳卒中後の認知機能改善:効果的な運動の種類と時間がついに判明!
2023年5月4日
脳内出血急性期の鍼治療の予後とBDNF
元2023 4月 中国
2022年11月11日
Stroke誌:脳由来神経栄養因子がふえる運動
元2022 11月 オーストラリア
2021年7月17日
音楽に長時間さらされると脳が復活する?
元2021 7月 中国
2018年9月3日
低酸素コンディショニングの治療効果
元
Low Oxygen Post Conditioning as an Efficient Non-pharmacological Strategy to Promote Motor Function After Stroke
2018 8月 オーストラリア
ここ数年、低酸素状態におく(Low oxygen post conditioning)ことの心筋梗塞の再生効果や神経再生、血管再生、認知機能改善効果がつぎつぎと報告され、薬を必要としないシンプルな治療法として期待されている。
そこで脳梗塞にたいする低酸素コンディショニングの効果を動物でしらべてみたそうな。
ネズミを人為的に脳梗塞にした48時間後から1日8時間 酸素濃度11%の環境におき、これを2週間続けた。
運動機能と脳組織の状態を4週間後までフォローしたところ、
次のようになった。
・運動障害は低酸素コンディショニング2週間でほぼ元のレベルに戻った。低酸素コンディショニングの脳卒中後の運動機能改善と神経保護効果を確認できた。臨床試験が待ち遠しい、
・この機能改善は脳の毛細血管密度の増加とBDNFレベルの上昇、脳実質欠損の低下およびミクログリア活動の低下と関連していた。
・これらの効果は低酸素コンディショニングのさらに2週間後も持続していた。
というおはなし。
感想:
虚血コンディショニングよりももっと直接的だな。
wikipediaみると↓ 11%って意識飛ぶ寸前でマフィアの拷問なみか。
* 酸素濃度16%: 呼吸脈拍増、頭痛悪心、はきけ、集中力の低下
* 酸素濃度12%: 筋力低下、めまい、はきけ、体温上昇
* 酸素濃度10%: 顔面蒼白、意識不明、嘔吐、チアノーゼ
* 酸素濃度 8%: 昏睡
* 酸素濃度 6%: けいれん、呼吸停止
2018年2月2日
亜麻仁油とってると脳卒中になっても安心?
元
The Neuroprotective Effects of Flaxseed Oil Supplementation on Functional Motor Recovery in a Model of Ischemic Brain Stroke: Upregulation of BDNF and GDNF.
2017 12月 イラン
亜麻仁油は抗酸化作用をもち DHAやEPAのもとになるω-3不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含むことで知られている。
また、ω-3不飽和脂肪酸が不足するとBDNFといった脳の可塑性に不可欠な神経栄養因子も低下してしまうことが動物実験でわかっている。
そこで、亜麻仁油サプリメントを事前に摂らせておいたときの脳卒中の影響を運動機能と神経栄養因子の点からしらべてみたそうな。
亜麻仁油(0.8g/kg)または生理食塩水を毎日3週間 摂らせていたネズミを人為的に脳虚血にしたあと再灌流した。
24時間後の運動機能と運動皮質でのBDNF(脳由来神経栄養因子)とGDNF(グリア細胞由来神経栄養因子)の量を調べたところ、
次のようになった。
・生理食塩水グループにくらべ亜麻仁油グループの運動機能の回復はあきらかにすぐれていた。
・生理食塩水グループは脳虚血によりBDNFとGDNFがはっきりと減少していたが、
・亜麻仁油グループではBDNFとGDNFおよび遺伝子発現量が平常時よりも著しく増加していた。
亜麻仁油サプリメントを事前摂取すると 脳卒中後にBDNFやGDNFが増加して神経を保護する効果がある、
というおはなし。
感想:
亜麻仁油はさいきんスーパーでも見かける。でも経済が破綻するのでまだ買わない。
これまで健常者での実験はあった。↓
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
[BDNF]の関連記事
2017年11月3日
1回でBDNFが増える歩行強度がわかった
元
A single session of moderate intensity walking increases brain-derived neurotrophic factor (BDNF) in the chronic post-stroke patients.
2017 10月 ブラジル
脳由来神経栄養因子(BDNF)は神経細胞の可塑性をうながし運動学習やリハビリに不可欠なタンパク質である。
BDNFは脳卒中患者の長期の有酸素運動によって増加することがわかっているが 短い運動でも増える可能性はある。
そこで、1回でBDNFが増える運動の種類と強度をさぐるべく実験してみたそうな。
2017年8月20日
脳梗塞に効く植物油の種類があきらかに
元
Comparative effects of plant oils and trans-fat on blood lipid profiles and ischemic stroke in rats.
2017 8月 韓国
動物性の飽和脂肪酸にくらべて植物油におおい不飽和脂肪酸は心血管疾患によいと考えられてきた。
ところが数ある植物油(菜種油、大豆油、とうもろこし油、オリーブ油、シソ油)のなかでもαリノレン酸を多く含むシソ油以外はすべて 「脳出血」の発生をうながすと指摘されるようにもなった。
こんかいは「脳梗塞」との関連を実験でたしかめてみたそうな。
シソ油、菜種油、ごま油、ショートニング(トランス脂肪酸)を含む餌を2週間食べさせたネズミを人為的に脳梗塞にして、その後も同じ食事を3週間続けて 梗塞のおおきさや運動機能をしらべたところ、
次のようになった。
・シソ油以外のグループはすべて体脂肪と体重が増加した。
・ごま油とショートニンググループはコレステロールと中性脂肪が上昇したがシソ油グループでは低下した。
・シソ油グループは梗塞体積がいちばん小さかったばかりか歩行機能とロータロッドテストの結果がもっともすぐれていた。
シソ油にはほかの植物油にくらべて肥満を防ぎ かつ脳梗塞の回復を促す効果が期待できる。シソ油を積極的に使うべきである、
というおはなし。
感想:
植物油の毒性問題はかなり深刻そうなんだよね、、唯一の例外であるシソ油(エゴマ油とも言う)は価格が菜種(キャノーラ)油の10倍以上で手がでない。
高血圧+キャノーラ油で脳出血が確定?
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
2017年5月15日
上肢機能の回復はBDNF遺伝子の型で決まっていた
元
Association Between Brain-Derived Neurotrophic Factor Genotype and Upper Extremity Motor Outcome After Stroke
2017 5月 韓国
脳卒中後の回復の鍵となる神経可塑性には脳由来神経栄養因子(BDNF)が深くかかわっていると考えられている。
BDNFには遺伝子多型 "Val66Met"(66番目のアミノ酸がバリン→メチオニンに変化)があり、BDNFの分泌能低下との関係が報告されている。
そこで、脳卒中後の上肢運動機能とBDNF遺伝子型との関連をしらべてみたそうな。
2017年1月17日
刺激豊富な環境っていうけど、どの刺激がいいの?
元
Effect of Physical and Social Components of Enriched Environment on Astrocytes Proliferation in Rats After Cerebral Ischemia/Reperfusion Injury.
2017 1月 中国
グリア細胞の1つであるアストロサイトはさいきんまで脳の回復の妨げになると考えられてきたが、実はとても重要であることがわかってきた。
いっぽう刺激豊富な環境が脳の回復をうながすという報告が数多くある。どの種類の環境刺激が脳にいいのかアストロサイトに着目してしらべてみたそうな。
人為的に脳虚血にしたネズミを5つのグループにわけた。
*運動刺激環境(PE):ひろいケージに1匹で遊具がいっぱい
*社会刺激環境(SE):ひろいケージに12匹飼い
*運動社会刺激環境(PSE):ひろいケージに遊具と仲間12匹
*虚血+通常環境(IS):せまいケージに食べ物だけ
*虚血なし+通常環境:せまいケージに食べ物だけ
次のことがわかった。
・行動テストの結果は通常環境にくらべて刺激豊富な環境のネズミで回復がおおきかった。
・梗塞体積が減少したのは運動刺激のあるPE,PSEグループのみだった。
・PE,PSEグループではSEグループにくらべアストロサイトとBDNF(脳由来神経栄養因子)が激増していた。
・アストロサイトとBDNFの増加は機能回復度とよく相関していた。
アストロサイトとBDNFの点で、環境刺激のうち "身体活動" が脳卒中からの回復により重要な刺激要素であった、
というおはなし。
感想:
これ↓思い出した。
刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
2016年9月13日
BDNFって脳卒中やると少なくなるの?
元
Decreased Brain-Derived Neurotrophic Factor Serum Concentrations in Chronic Post-Stroke Subjects.
2016 9月 ブラジル
脳由来神経栄養因子(BDNF)は 脳卒中のあとの感覚運動機能の回復に重要な役割を担うタンパク質である。
そこで脳卒中患者についてBDNFの量を健常者と比較してみたそうな。
平均年齢62、発症から6ヶ月以上の脳卒中で片麻痺の患者17名と 同性 同年齢の健常者17名について血液中のBDNF濃度を測定したところ、
次のことがわかった。
・脳卒中患者のBDNF濃度は健常者の57%程度だった。
・BDNF濃度と脳卒中からの期間、年齢、QoL、移動能力、上肢機能との関連は見られなかった。
慢性期脳卒中患者の血中BDNF濃度はかなり低下していた、
というおはなし。
感想:
これ↓思い出した。
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
2016年5月2日
脳卒中の高齢一人暮らしがすぐに死んでしまう理由
元
Reversal of the Detrimental Effects of Post-Stroke Social Isolation by Pair-Housing is Mediated by Activation of BDNF-MAPK/ERK in Aged Mice.
2016 4月 アメリカ
社会的な孤立は脳卒中死亡率に関連する。
高齢者を想定して、高齢ネズミをつかってこのメカニズムを調べるべく実験してみたそうな。
3週間 2匹ずつペアで飼った高齢ネズミ計140匹を人為的に脳梗塞にして、
*1匹飼いの孤立グループと
*引き続きペアのグループに分けた。
3日後、3週間後の死亡率、神経症状、梗塞の体積およびシナプス可塑性に関する84種の遺伝子を調べたところ、
次のことがわかった。
・3日間死亡率 7.1% vs. 14.2%、 3週間死亡率 19.0% vs. 28.5% でいずれも孤立グループが高かった。
・梗塞の体積は明らかに孤立グループで大きかった。
・感覚運動障害および学習、記憶能力がペアグループで大きく改善した。
・シナプス可塑性に関するいくつかの遺伝子の発現が両グループで異なっていた。
・ペアグループでは脳由来神経栄養因子BDNFが増加しミエリン構成タンパク質を調整していた。
脳卒中のあとの社会的な孤立による死亡率の上昇、神経症状の悪化、梗塞の拡大、特徴的な遺伝子発現、BDNFレベルの低下が確認できた、
というおはなし。
感想:
これ↓思い出した。
一人暮らしの男性脳卒中経験者はなぜ長生きできないのか?
2014年7月28日
早期リハビリに適した運動強度がわかった
元
Gradually increased training intensity benefits rehabilitation outcome after stroke by BDNF upregulation and stress suppression.
2014 6月 香港
脳卒中早期の身体トレーニングは効果的なリハビリに欠かせない。しかし通常その運動強度は一定である。
リハビリ運動強度とその効果との関係を調べてみたそうな。
人為的に脳梗塞にしたネズミ60匹を運動強度別に次の4グループに分け、1回30分間のトレッドミル訓練を7日間行った。
*比較(なにもしない)グループ
*低速度グループ(5m/分)
*低速度から高速度に徐々に速くするグループ
*高速度グループ(26m/分)
訓練後の運動機能、血中コルチコステロンでストレス度、脳神経再生を促すタンパク質(BDNF)を測定、比較した。
次のようになった。
・徐々に運動強度を強くするグループで運動機能の著しい改善があり、
・同時に海馬でのBDNF濃度がもっとも高くなった。
・高強度グループではストレスレベルが非常に高かった。
徐々に運動強度を高めてゆくトレーニングは効果的でかつストレスも少ない。この結果は人に応用できるかも知れない、
というおはなし。
脳の各所でのBDNF濃度 グループ別
感想:
こういう結果になる理由として、運動のストレスはありすぎても なさすぎても良くないから、と考察している。
ほどほどの見極めが大切らしい。
2013年12月8日
脳卒中後のボケはエアロビクスで治る
元
Aerobic exercises enhance cognitive functions and brain derived neurotrophic factor in ischemic stroke patients.
2013 11月 エジプト
脳卒中にはなんらかの認知障害がつきものである。
そこで、有酸素運動が認知機能を改善するものかどうか、神経の成長を司るタンパク質に着目して調べてみたそうな。
前頭部の脳梗塞で入院した患者30人について、通常の理学療法に加えて有酸素運動を行うグループと なしのグループに分けてその前後での認知機能テストおよび脳由来神経栄養因子(BDNF)の血中濃度を測定、比較した。
次のようになった。
・有酸素運動グループで認知機能テストスコアが著しく向上した。
・同様に、有酸素運動グループでBDNF濃度も大きく上昇した。
・BDNF濃度の上昇度と認知機能テストのスコアの改善度とは関連があった。
脳梗塞患者の認知機能は有酸素運動で改善した。これは血中BDNF濃度と関係していた、
というおはなし。
2013年11月16日
脳が再生する運動強度がわかった
元
Effects of exercise intensity on spatial memory performance and hippocampal synaptic plasticity in transient brain ischemic rats.
2013 10月 台湾
脳卒中のあとの運動が記憶障害を改善することが知られている。
そこで、脳卒中のあとの運動強度と記憶を司る海馬神経の可塑性との関連を調べてみたそうな。
人為的に脳虚血状態にしたネズミを次の3グループに分けた。
*じっとしてるグループ
*低強度運動グループ
*高強度運動グループ
脳虚血の翌日からトレッドミルを使って毎分8mまたは20mペースで1日30分間×14日間運動させた。
記憶力、神経成長関連蛋白質(BDNFなど)、神経の樹状構造を評価した。
次のようになった。
・じっとしてるグループに比べ低強度運動グループの記憶力テストの結果がよかった。
・高強度運動グループではこのようにはならなかった。
・神経の樹状構造の複雑さと関連蛋白質は低強度運動グループでのみ増加した。
・高強度運動グループのコルチコステロンが多く、高ストレス下状況を示していた。
脳虚血のあとの無理のない運動は、神経の可塑性を促し、記憶機能を向上させることがわかった、
というおはなし。
2012年6月28日
脳梗塞を治す経絡秘孔が判明
神経細胞の生存・成長・シナプスの機能亢進などを司る
脳由来神経栄養因子(BDNF)は、脳梗塞からの回復に
重要な役割を果たしているという。
電気鍼がBDNFの増加と機能回復に
関わっているかどうか 調べてみたそうな。
人為的に脳梗塞にしたネズミ12匹について、
一部のネズミのツボ:百会(GV20)に電気鍼治療を施し、
機能回復とBDNFおよびその受容体の検出を試みた。
結果は次のようになった。
・電気鍼治療をおこなったネズミの運動機能の回復がみられた。
・同時に梗塞側の脳半球にBDNFおよびその受容体が多く検出された。
ツボ百会への電気鍼刺激は脳梗塞ネズミの運動機能回復と
脳由来神経栄養因子の増加をもたらすことがわかった、
というおはなし。
経絡秘孔というのは本当にあるのでしょうか?(by ヤフー知恵袋)
2011年2月26日
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
自発的な運動、強制された運動、筋肉への電気刺激、
この3つの どのリハビリ方法がもっとも効果的なのか、
を調べたそうな。
117匹のネズミを次の4グループに分けて
人為的に脳梗塞にした。
1.籠にほったらかし
2.回し車で好きなだけ運動
3.トレッドミルで強制ランニング
4.歩行周期で筋肉を電気刺激
これを各グループで7日間続けた後に
運動機能回復の程度を評価し、
最後に解剖して
ストレスホルモンと
脳に含まれる神経栄養因子(BDNF)の量を測定した。
その結果、
回し車で運動していたグループがもっとも運動機能が回復し、
ストレス量を示すホルモンは少なく、
神経の成長を促すとされるBDNFの量も
他のグループと比較して一番多かった。
また、強制ランニングさせられていたグループでは
運動機能の回復程度が低く、
ストレスホルモンの量がハンパなく多かった。
また、BDNFは最低だった。
リハビリの強制はよくない。
本人のやる気がいちばん大切、ってはなし。
各グループでの海馬のBDNFの量
ちなみに、筋電気刺激がなかなかイイらしい。(図の2番目の棒)
2010年12月31日
脳卒中後の環境が遺伝子レベルで回復に影響する
Gene expression associated with an enriched environment after transient focal ischemia.
2010 12月 日本
脳卒中後に刺激豊富な環境に置かれると
機能回復が促されることが近年、動物実験などでわかってきた。
それを 遺伝子の働きについても調べてみたそうな。
人為的に脳梗塞にしたネズミを、
・刺激豊富な環境 グループ
・普通の籠 グループ
に分けて、
4週間後 解剖して働いている遺伝子の量を調べた。
なるほど刺激豊富な環境のネズミは運動機能の回復が早かった。
そして、Egr-1, - 2, BDNFというタンパク質の量が脳全体的に減っていた。
脳梗塞後の環境の違いにより、わずか4週間の間に遺伝子の
働き方まで変化していることがわかった、という衝撃的な内容。
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