元2024 10月 中国
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2024年12月17日
リハビリが命を奪う!?超早期介入のリスクと現実
2024年7月19日
半側空間無視からの驚異的な回復: 脳卒中後の劇的なリハビリの真実
元2024 7月 イギリス
2024年7月16日
脳出血リハビリの真実:効果的な開始時期と超早期介入のリスクに迫る
元2024 6月 ポーランド
2023年2月13日
Stroke誌:脳卒中のリハビリやってなかった
元2023 2月 アメリカ
2022年9月20日
2021年12月30日
6ヶ月以降の上肢運動機能の回復は
元2021 12月 ドイツ
2021年10月20日
Stroke誌:比例回復則は生活の質QoLに影響する?
元2021 7月 アメリカ
2021年5月1日
片側感覚症候群がじつは脳梗塞の割合
元2021 4月 シンガポール
2020年8月14日
第一週の上肢の使用頻度
元2020 8月 アメリカ
2020年3月30日
Brain誌:急性期発話機能の前頭 側頭-頭頂での乖離
元
Dissociation between frontal and temporal-parietal contributions to connected speech in acute stroke
2020 3月 アメリカ
人は単語を検索して複雑な文章に統合することができる。
これまでの研究では、発話に必要な脳領域の特定は 主に慢性期脳卒中の患者を対象とすることがおおかったが、慢性期では脳の機能がすでに再編成しおえて他の領域に移行している可能性があった。
急性期患者であれば重症でない小病変の患者も対象にすることができ、機能と病変とのマッピングがより詳細にできると考えられる。
そこで、脳卒中急性期の52人の自発的な発話内容の構造と脳の損傷パターンとの関連をくわしくしらべてみたそうな。
2020年3月20日
慢性期での触覚訓練の効果
元
Sensory retraining improves light touch threshold of the paretic hand in chronic stroke survivors- a single-subject A-B design
2020 3月 イラン
触覚(light touch)の障害は脳卒中経験者の32-89%にみられるという。
触覚の再訓練による触覚しきい値や上肢運動機能の改善についての研究はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。
2019年11月28日
反対側へのシータバーストと慢性期脳卒中の機能回復
元
Low-intensity contralesional electrical theta burst stimulation modulates ipsilesional excitability and enhances stroke recovery
2019 10月 ニュージーランド
脳の両半球は互いのはたらきを抑制しあっているという考え方があって、脳卒中によりいっぽうの脳半球がダメージを負うと反対側からの抑制に歯止めが効かなくなりダメージを負った脳のはたらきがさらに悪化するという。
このアンバランスを正すために反対側にrTMSをあてて過剰な抑制が起こらないようにする臨床実験が数おおくおこなわれてきたが、いまだ一致した結果が得られていない。
動物実験では反対側の脳に電極から直接シータバーストパルスをあてることで過剰抑制を低下させ脳卒中の運動機能を回復させることに成功している。
これらの実験は急性期のものしかなかったので、慢性期であらためてその効果を確認してみたそうな。
2019年3月14日
短下肢装具を与えると転倒3倍
元
The effect of ankle-foot orthoses on fall-near fall incidence in patients with (sub-)acute stroke- A randomized controlled trial
2019 3月 オランダ
入院中に転倒を経験する脳卒中患者は14-65%、退院後6ヶ月間の転倒は37-73%という。
これは年間1.3-6.5回の転倒頻度に相当し、一般高齢者の0.65回をおおきく上回る。
短下肢装具はつま先のクリアランスを確保しかかと着地を促す。短下肢装具によって転倒を防ぐ効果が期待できるがくわしい調査はまだない。
そこでランダム化比較試験を試みたそうな。
急性期の脳卒中で片麻痺の患者33人をすぐに短下肢装具を与える早期グループ16人と9週間後から与える遅延グループ17人にわけた。
1-8週、さらに9-52週目まで転倒の有無をフォローしたところ、
次のようになった。
・1-8週では、短下肢装具を早期に与えられたグループで転倒があきらかにおおく 11回 vs. 4回で、頻度は2.9倍だった。
・さらに 転倒した早期グループのうち63.6%は装具を着けていないとき(移乗や立ち上がり)に転倒していた。
・転倒しそこねたケースは 1-8週、9-52週でグループ間に差はなかった。
・骨折を含む重症を負ったケースは6件あった。
早期に短下肢装具を与えられた患者グループで転倒回数があきらかにおおかった。しかも彼らの63.6%は装具を着けていないときに転倒していた、
というおはなし。
感想:
急性期は自発的な回復が起こっている真っ最中(比例回復則)なわけで、そんなタイミングに足首の固定をこころみるのはおかしい。
また 早い時期に物々しい装具を与えることは「じぶんはもうまともに歩けないんだ」という意識を強化して歩行への自信を失わせるだけである。だから装具を着けてもいないのに転ぶ。
これ↓とおなじ。
脳卒中リハビリは害!? 骨折しやすくなることが判明
そもそも装具を急ぐ理由はなさそうだ。
下肢装具をやめてしまう理由
短下肢装具を始めるに適した時期は、、
短下肢装具は使ったほうがいいの?
2019年3月7日
Brain誌:半側空間無視のシータバーストと比例回復則
元
Theta burst stimulation in neglect after stroke- functional outcome and response variability origins
2019 2月 スイス
脳卒中で半側空間無視の患者の、過活動状態にある健常側の脳半球のはたらきを磁気刺激などの非侵襲的な方法で抑えると 無視症状が緩和されるという報告がいくつかある。
ただしこの効果はすべての患者にあてはまるものではなく個人差がおおきい。
そこで、健常脳を抑制する条件と、効果があらわれる個人の特徴をくわしくしらべてみたそうな。
亜急性期の右脳の脳卒中で、左の半側空間無視の患者30人と無視症状のない30人について、
右脳の後頭頂葉に連続シータバースト磁気刺激をあたえた。
適した刺激量をさぐるため、1バーストトレイン44秒の磁気刺激を4日間で計8トレインまたは16トレイン、偽刺激 の3グループにわけて実験した。
無視症状と日常生活動作ADL、機能的自立度FIMを3ヶ月後までフォローした。
損傷の位置と拡がりを画像ボクセル解析VLMSでしらべた。
また比例回復則(proportional recovery rule)で予想される回復程度(~70%)とも比較した。
次のようになった。
・全体としてシータバースト刺激グループ(8と16トレイン)で無視症状のあきらかな低下が見られ、効果が3ヶ月以上持続して、
・彼らは身体機能の回復もすぐれていた。
・個人レベルではシータバーストの効果が見られない者は脳梁の、とくに背側注意ネットワークのある後頭頂葉に損傷がおよんでいた。
・シータバーストにより無視症状と機能的自立度があきらかに改善した者の脳梁構造は無傷に保たれていた。
・さらに比例回復則から予測されるADLと無視症状の回復幅はシータバーストにより大きくなっていた。
無視症状のある脳卒中患者で左右脳半球の結合が保たれている場合は、健常脳への連続シータバースト刺激により無視症状はおおきく改善する、
というおはなし。
感想:
比例回復則はリハビリの有無にかかわらず 運動機能や無視 失語について 機能低下したぶんの70%が数ヶ月間で自発的に回復するという経験則をさす。これに従うものをFitter、はずれる者をnon-Fitterと呼ぶ。
シータバーストにより non-FitterがFitterになるわけではなく、70%の期待回復度が100%ちかくになるようだ。
でもこんな↓はなしもあるからうのみにはできない。
半球間抑制のアンバランスは片麻痺の原因ではなかった
2018年11月16日
上肢感覚リハビリの方法と効果予測
元
Initial severity of somatosensory impairment influences response to upper limb sensory retraining post-stroke
2018 10月 オーストラリア
脳卒中患者のおよそ半数は触覚や深部感覚の障害を経験する。しかしリハビリテーションはおもに運動機能にフォーカスしているため感覚障害はあつかわれないことがすくなくない。
上肢の運動機能障害に関しては Proportional Recovery Rule(比例回復則)があって、初期の障害程度に比例した自発的回復が予想できる。
しかし重度の障害患者ではこのルールに則らないことがわかっている。
そこで感覚障害患者に積極的な感覚リハビリをおこなったときに、その回復が初期の障害程度に比例するものか実験してみたそうな。
感覚の弁別能と認識能を再訓練するための方法 "SENSe therapy" (→7つの原理の 詳しいYoutubeリンク)を用いた2つの臨床試験のデータを用いた。
脳卒中で上肢感覚麻痺の80人の患者について、感覚訓練の効果を質感弁別、手首の深部感覚、触覚による物体認識について訓練前後で評価したところ、
次のことがわかった。
・訓練後の感覚障害の回復は訓練まえの障害程度に比例していた。
脳卒中で上肢感覚麻痺患者への感覚訓練の効果は、訓練まえの障害程度と比例関係にあり予測が可能だった。この感覚訓練は重度の感覚障害にも期待できる、
というおはなし。
感想:
比例回復則からのおちこぼれ(non-fitter)を救えるんだね この感覚リハビリは。
感覚障害も比例回復則するの?
2018年10月20日
下肢動作観察のミラーニューロンシステム
元
Activation of mirror neuron system during gait observation in sub-acute stroke patients and healthy persons
2018 10月 日本
歩行訓練と動作観察の組み合わせが慢性期脳卒中の歩行リハビリをうながすとする報告がいくつかある。
これにはミラーニューロンシステム(下頭頂小葉-上側頭溝-下前頭回)が関与していると考えられている。
亜急性期の脳卒中患者でも動作観察でミラーニューロンシステムが活性化するのか については報告がないので、実験してみたそうな。
入院していて歩行リハビリ中の神経症状の軽い脳卒中患者5人と健常者9人について、
健常者の歩行ビデオを30秒おきに見せながらのfMRIをトータル6分間撮影した。
次のようになった。
・動作観察中、脳卒中患者の左側の下頭頂小葉と左右の下前頭回の活動があきらかに高くなった。
・健常者では、左側の下頭頂小葉と下前頭回 中前頭回 上側頭葉および左右の中側頭回で活動が高くなった。
亜急性期の脳卒中患者でも動作観察によりミラーニューロンシステムが活性化することが確認できた、
というおはなし。
感想:
ミラーニューロンシステムが活性化したから脳卒中患者の歩行が改善したとは思わない。
なぜなら運動神経の経路にダメージがなければ、なにもしなくても勝手に治るものだから。↓
Stroke誌:下肢運動機能の比例回復則からわかること
2018年9月1日
やる気があるから回復するの?
元
Stroke Patients Motivation Influence on the Effectiveness of Occupational Therapy
2018 7月 リトアニア
脳卒中患者のおおくは無気力で無関心なアパシー状態になる。それはリハビリ結果にもおおきく影響することが予想される。
脳卒中患者の「回復への動機」の種類と関連要因についてしらべてみたそうな。
2018年7月16日
感覚障害も比例回復則するの?
元
Is There Full or Proportional Somatosensory Recovery in the Upper Limb After Stroke? Investigating Behavioral Outcome and Neural Correlates
2018 7月 ベルギー
近年、脳卒中で麻痺した上肢の運動機能は リハビリの有無にかかわらずその機能低下ぶんの70%が数ヶ月内に自発的に回復することが確認され、比例回復則(proportional recovery rule)と呼ばれている。
しかし皮質脊髄路の健全性に問題がある患者では このルールに則らない(nonFitter)ことがあると考えられている。
今回、上肢の体性感覚機能についても比例回復則があてはまるものかくわしくしらべてみたそうな。
32人の脳卒中患者について発症から4日、7日、6ヶ月後の感覚機能をEm-NSA(Erasmus MC modification of the revised Nottingham Sensory Assessment)で評価した。
Em-NSAでは、体性感覚機能を
1)感覚の有無
2)シャープさや鈍さを受動的に識別する能力(パッシブ処理)
3)感覚を統合して立体物を能動的に識別する能力(アクティブ処理)
にわけて評価した。
また、MRIを使って視床-皮質、島-弁蓋路の病変量を測定し関連を解析したところ、
次のようになった。
・上肢運動機能には比例回復則がみられ、nonFitterグループも確認できた。
・上肢の体性感覚は6ヶ月後にはほぼ全員が回復していた。
・パッシブおよびアクティブ感覚処理には比例回復則が確認でき、それぞれ86%、69%が自発的に回復した。
・4,7日時点で感覚障害のあった患者には視床-皮質、島-弁蓋路の病変量がおおきかった。
今回のサンプルでは全員がはやくに体性感覚を取り戻したが、パッシブおよびアクティブ感覚処理の回復は比例回復則にしたがっていた、
というおはなし。
感想:
たしかに今も左腕の感覚は弱いものの、まったくの「ゼロ」だった期間は短く数週間だったよ。
[比例回復則 "proportional recovery rule"]の関連記事
2018年7月9日
半側空間無視はほとんどが自然に治る
元
Impact of clinical severity of stroke on the severity and recovery of visuospatial neglect
2018 7月 オランダ
半側空間無視は通常、損傷脳半球の反対側に注意障害がおきる。そして脳卒中が重症のばあいには同側にも無視が生じる。
そこで、重症脳卒中の半側空間無視とその症状の時間的変化をしらべてみたそうな。
右脳の脳卒中患者90人を非常に重症である 完全前循環梗塞(total anterior circulation infarct:TACI)38人と非TACIグループ52人にわけた。
半側空間無視の程度は文字抹消検査(letter cancellation test:LCT)で損傷脳の対側、同側についてしらべた。
発症から 1, 2, 3, 4, 5, 8, 12, 26週までその自発的な改善変化をフォローしたところ、
次のことがわかった。
・同側と対側の無視については臨床的重症度とLCTの取りこぼし数とのあきらかな関連はなく、
・いずれの場合も その数は時間が経つにつれ徐々に減少した。
・TACIタイプの重症脳梗塞では同側の無視症状の回復スピードがあきらかに遅かった。
広範囲におよぶ脳梗塞では同側への空間無視症状の回復があきらかに遅かった。しかしこれら症状は時間が経つにしたがい自発的に回復していった、
というおはなし。
感想:
この回復パターンは比例回復則 (proportional recovery rule)のそれとおなじで、そこから外れる患者こそが治療対象になるべきだって。
2018年5月15日
刺激豊富な環境と課題訓練の相乗効果
元
Synergistic Effects of Enriched Environment and Task-Specific Reach Training on Poststroke Recovery of Motor Function
2018 5月 カナダ
刺激豊富な環境や集中的なリーチ課題訓練は神経の可塑性をうながすと考えられている。これらを単体でおこなったときと組み合わせた時の効果を実験してみたそうな。
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