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2019年5月29日

超早期リハビリの費用対効果


Economic evaluation of a phase III international randomised controlled trial of very early mobilisation after stroke (AVERT)
2019  5月  オーストラリア

脳卒中経験者の65%にはなんらかの障害がのこり日常生活に介助がひつようになるという。

脳卒中の回復をうながす方法として早期リハビリテーションが有効であるとながらく信じられてきた。

これをたしかめるべくおこなわれた臨床試験AVERTにはオーストラリア、イギリス、ニュージーランド、シンガポール、マレーシアの58の病院が参加し、2104人の患者についてフェイズⅢまで調査がなされた。

その結果、24時間以内に開始する超早期リハビリテーションは3ヶ月後の回復度が通常ケアよりも悪化することがあきらかになった。

しかし12ヶ月後の効果とコストとの関係についてはまだわかっていなかったので、くわしく解析してみたそうな。



AVERTのデータから、急性期病院やリハビリ病院でかかったコスト、自宅やコミュニティでのコストを推定し、
回復度mRSスコアを0-2と3-6にわけて、
質調整生存年(QALYs:Quality Adjusted Life Years)を算出し超早期リハビリと通常ケアとを比較した。



次のようになった。

・超早期リハビリと通常ケアとではリソース利用とコストの量は等しかった。

・12ヶ月後の回復良好者の割合やQALYsにも差はなかった。

超早期リハビリは通常ケアにくらべて12ヶ月後の回復度、コスト、質調整生存年に違いはなかった。しかし3ヶ月後の回復度はあきらかに悪いので、費用対効果が良いとはいえず とても勧められない、


というおはなし。

図:超早期リハビリ



感想:

AVERT関連↓記事。
Stroke誌:超早期リハビリと認知機能

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2019年8月7日

Neurology誌:早期リハビリ 気休めにもならない


Early mobilization and quality of life after stroke- Findings from AVERT
2019  7月  オーストラリア

早期リハビリテーションが脳卒中患者の生活の質にあたえる影響を、
2006-2015に56施設で国際的に行われたランダム化比較試験 A Very Early Rehabilitation Trial (AVERT) のデータをつかってくわしくしらべてみたそうな。



平均年齢70.6、2104人の脳卒中患者を
通常ケアのみと、
通常ケア+24時間以内にベッドから出る訓練を始める、
の2グループにわけた。

生活の質は、4つのドメイン(自立生活、社会関係、身体機能、精神状態)について評価する assessment of Quality of Life 4D (AQoL-4D) をもちいて12ヶ月後をしらべた。

AQoL-4Dスコアは、0は死亡 1が完全に健康、を指す。



次のようになった。

・12ヶ月後のAQoL-4Dスコアの中央値は0.49 vs. 0.47でグループ間で有意な差はなかった。

・ドメインごとにみても同様に違いはなかった。

早期リハビリテーションは脳卒中患者の生活の質に影響しなかった、


というおはなし。

図:AVERTのQoL


感想:

軽症な人が早くから動き回っていただけのことを訓練成果と勘違いしてうまれた「早期リハビリ」。

この数年でようやくおかしいことに気づいた模様↓。
コクランレビュー:超早期リハビリは効果ないし危ない

【やはり】亜急性期のリハビリは効果ないうえに危険

失語症の早期リハビリ まったく効果ない

超早期リハビリをやってはいけない理由

nature.com:脳卒中の超早期リハビリ やる意味ない

Stroke誌:早期リハビリがんばる意味ない

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2020年11月10日

Neurology誌:早期リハビリで患者が亡くなるんよ

Fatal and Nonfatal Events Within 14 days After Early, Intensive Mobilization Poststroke
2020  11月  オーストラリア


超早期リハビリテーションの効果と安全性の臨床試験(AVERT:a very early rehabilitation trial)の新たな解析結果があきらかになったそうな。

2023年2月13日

Stroke誌:脳卒中のリハビリやってなかった

2023  2月  アメリカ


脳卒中は長期にわたる障害のおもな原因である。

脳卒中リハビリテーションを充実させることは機能転帰の改善につながると考えられているので、

発症後1年間のリハビリ量とその予測因子についてくわしくしらべてみたそうな。

2024年7月16日

脳出血リハビリの真実:効果的な開始時期と超早期介入のリスクに迫る

2024  6月  ポーランド


脳卒中には脳出血と脳梗塞の2種類があり、それぞれの回復には異なるアプローチが必要である。

特に早期リハビリテーションの効果とその開始時期については議論が続いている。

そこで、早期リハビリテーションにおける脳出血と脳梗塞の違い、機能転帰との因果関係、および24時間以内に開始する超早期リハビリでの注意点に焦点を当て、最新の研究結果をもとにその有効性とリスクのレビューをこころみたそうな。

2015年4月23日

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない


Efficacy and safety of very early mobilisation within 24 h of stroke onset (AVERT): a randomised controlled trial.
2015  4月  オーストラリア

脳卒中の発症から24時間以内に患者をベッドから引きずり出して、立ったり座ったりの訓練を行う超早期リハビリテーションの効果と安全性を調べてみたそうな。


5カ国56箇所の脳卒中の急性期治療施設に入院した患者について、通常治療のみグループと超早期リハビリグループとに分けて3ヶ月後の回復度を比較した結果、


次のことがわかった。

・2006-2014年の2104人の患者を調査対象とした。

・3ヶ月後、回復良好だった患者の割合は46%vs.50%で超早期グループが少なかった。

・死亡者数は、8%vs.7%で超早期グループが多かった。

・超早期グループの19%、通常治療グループの20%に重大な有害事象があった。

・動かないことが原因の合併症は 超早期グループで減らなかった。


発症後24時間以内に移動訓練を始めたところ、3ヶ月後の回復可能性はむしろ低下した。早期リハビリが流行っているが、少し頭冷やしたほうがいい、


というおはなし。

超早期リハと自立歩行



感想:

超早期リハビリやりたがる根拠にはいくつかあるんだけど、いちばんは動物実験の結果だろう。動物の場合 グダっと寝てたら捕食されるか餓死するわけで、DNAレベルから必死に回復しようとする。

同じことを病院に手厚く保護された人間に期待するのは無理、、 と思う。

追記:
Stroke誌:早期リハビリがんばる意味ない

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!

Stroke誌:これ エビデンス? 早期リハビリの...

2010年12月20日

脳卒中で入院したら即日リハ開始。患者に休む暇はない!


Very Early Mobilization After Stroke Fast-Tracks Return to Walking. Further Results From the Phase II AVERT Randomized Controlled Trial.
2010 12月 オーストラリア



超早期リハビリテーション(AVERT)トライアルの報告。


脳卒中後24時間以内の患者をベッドからたたき出して
むりやり歩行訓練をさせる実験。


平均年令75歳、71人の患者について調査した結果、
50mを補助なしで歩けるようになった日数は、

・超早期リハグループ:3.5

・普通のリハグループ:7.0日

であった。




要するに、
できそうな患者は1日たりとも寝かせておくな!って内容。


超早期リハビリテーションで早期快復

2018年11月6日

Stroke誌:超早期リハビリと認知機能


Early Mobilization After Stroke Is Not Associated With Cognitive Outcome
2018  9月  オーストラリア

脳卒中のあとの認知障害や認知症はめずらしくない。

いっぱんに身体活動レベルが高いほど認知機能も良好であると考えられている。脳卒中患者についても同様の傾向がみられるという。

しかし早期リハビリの認知機能への影響はわかっていない。動物実験ではポジティブな報告があるものの、人間では脳循環を低下させ かえって認知機能を悪化させる可能性もある。

そこで、脳卒中患者への超早期リハビリと認知機能の関連をAVERT研究のデータからしらべてみたそうな。


56施設の脳卒中で、認知機能検査スコア(Montreal Cognitive Assessment)30以下の患者2104人について、
24時間以内にベッドから離床させ座位、立位、歩行などを行う「超早期リハビリ」と通常ケアのグループにわけた。

3ヶ月後の認知機能との関連を解析したところ、


次のようになった。

・年齢や脳卒中の重症度で調整したところ、3ヶ月後の認知機能スコアは超早期リハビリグループと通常ケアグループでまったく差がなかった。

脳卒中急性期の患者をできるだけ早い時期に動かしてみたものの、その後の認知機能にはなんの影響もなかった、


というおはなし。

図:超早期リハビリと認知機能

感想:

超早期リハビリは「危険」という報告がおおいなか、認知機能が悪化しなかっただけマシ。
コクランレビュー:超早期リハビリは効果ないし危ない

【やはり】亜急性期のリハビリは効果ないうえに危険

nature.com:脳卒中の超早期リハビリ やる意味ない

Stroke誌:早期リハビリがんばる意味ない

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない
ほかにも↓
失語症の早期リハビリ まったく効果ない

超早期リハビリをやってはいけない理由

超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!

2018年6月14日

【やはり】亜急性期のリハビリは効果ないうえに危険


Aerobic Fitness Training: No Benefit in Early Subacute Stroke

PHYSICAL ACTIVITY IN SUBACUTE STROKE – PHYS-STROKE
2018  6月  ドイツ

ながらく脳卒中後の有酸素運動は脳の血液循環をうながし可塑性がすすみ、ひいては運動機能、日常生活動作の改善につながると考えられてきた。

しかし "超早期"の運動については最近のAVERT研究によりまったく効果がないばかりか危険すぎるとしてその意義は否定された。

そこで、"亜急性期" の患者についてはどうか、大規模にしらべてみたそうな。

先月の欧州脳卒中協会会議(ESOC 2018)でのPHYS-STROKE研究の報告。


複数施設での発症から5-45日の脳卒中患者200人を、
トレッドミルをつかった有酸素運動グループとリラックスしているだけのグループにわけた。

1回50分間x週5回x4週間のトレーニングを行い、3ヶ月後の歩行スピード、生活自立度、有害事象を複数の指標でしらべたところ、


次のようになった。

・両グループともに歩行スピード、日常生活動作にまったく差はなかった。

・しかし運動グループでは深刻な有害事象たとえば、再発 転倒 疼痛、のリスクがあきらかに高かった。

これまでにない大きな規模のマルチセンタースタディにより、脳卒中亜急性期のリハビリトレーニングはまったく効果がないばかりか非常に危険であることがわかった、


というおはなし。
図:PHYS-STROKE研究

感想:

すくなくとも2ヶ月間はトレーニングの類は一切しないで 美味しいものをたくさんたべてネットで映画でも観てることがベストな過ごし方だとおもうよ。

[AVERT]の関連記事

2017年10月24日

超早期リハビリをやってはいけない理由


Exacerbation of Brain Injury by Post-Stroke Exercise Is Contingent Upon Exercise Initiation Timing.
2017  10月  中国

脳卒中後の身体リハビリは神経の可塑性を刺激して回復をうながす。しかしどのタイミングでリハビリを開始するべきかについてはいまだ答えがでていない。

発症から24時間以内に身体を動かす「超早期リハビリ」の大規模臨床試験AVERTでは、期待に反して患者の状態が悪化してしまうことが明らかになった。

この理由をさぐるべく動物実験をおこなったそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミ230匹について
再灌流後6時間、24時間、3日のタイミングでロータロッド運動を開始させるグループをつくった。

運動のあとの梗塞の大きさ、細胞死、活性酸素、ATPなどを定量したところ、


次のことがわかった。
・6時間後の運動によって梗塞と細胞死がより悪化した。しかし24時間後 3日後の運動ではこの悪化はなかった。

・6時間後の運動による悪化は活性酸素の増加やATPの減少と関連していた。

超早期の運動が脳のダメージをより悪化させていた。背景には活性酸素の生成によるエネルギー代謝不全がありそうである、


というおはなし。
図:超早期リハビリと細胞死

感想:

リハビリを救急医療と勘違いした結果がこれ。
超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

2016年11月1日

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報


Early Intensive Rehabilitation Intervention Raises the Risk for Death in Severe Stroke
2016  10月  オーストラリア

超早期リハビリテーションの安全性を調べた臨床試験(AVERT)の続報が先週インドの世界脳卒中会議であったそうな。


脳卒中患者2104人を超早期リハビリグループと通常ケアグループに分けた。

超早期リハビリは発症から24時間以内に患者をベッドから引きずり出し 立ったり座ったりの訓練を1日3セット以上 ほぼ毎日14日間継続した。


次のようになった。

・死亡者の割合は 4.6% vs. 3.0%で超早期グループが高く、通常ケアグループよりも1.76倍死んでしまいやすかった。

・主な死因は脳卒中の悪化で超早期グループに倍ちかく多かった。

・血栓溶解治療の有無は関連がなかった。

早期リハビリが流行っているけど ちょっと危な過ぎるんじゃない?


というおはなし。

図:世界脳卒中会議2016


感想:

これ↓思い出した。
超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2024年12月17日

リハビリが命を奪う!?超早期介入のリスクと現実

2024  10月  中国


急性脳梗塞後のリハビリテーションの適切な開始時期は長年議論されている。特に、発症後48時間以内に開始される“超早期リハビリテーション(VER)”は、機能回復を促進する可能性があるとされるが、一方でリスクも伴う。

そこで、VERの安全性と有効性について、科学的根拠を基に総合的に評価してみたそうな。

2018年10月21日

コクランレビュー:超早期リハビリは効果ないし危ない


Very early versus delayed mobilisation after stroke
2018  10月  イギリス

入院してまもない脳卒中患者の離床をうながして座位 立位 歩行訓練などを始める「超早期リハビリテーション」をすすめる臨床ガイドラインが世に存在しているが、その効果については結論がでていない。

これまでの研究をまとめてみたそうな。


19の医学データベースから信頼性の高い研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者2958人を含む9の臨床試験がみつかった。

・超早期リハビリの平均開始時期は入院後18.5時間以内で、通常ケアでは33.3時間後だった。

・超早期リハビリグループではセラピー時間と活動量が通常ケアよりもおおかった。

・回復不良率 51% vs. 49%、死亡率 8.5% vs. 7% でいずれも超早期リハビリで高かった。

・超早期リハビリの入院期間は通常ケアよりも1日短かったが、エビデンスレベルは低かった。

入院した脳卒中患者に24時間以内の離床を勧める「超早期リハビリテーション」により死亡者と回復不良者はむしろ増えた。入院日数の短縮効果はせいぜい1日であり、そのエビデンスレベルは低かった、


というおはなし。
図:早期離床


感想:

いったん信じ込んでしまったことをくつがえすのは大変なんだね。

【やはり】亜急性期のリハビリは効果ないうえに危険

nature.com:脳卒中の超早期リハビリ やる意味ない

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ほかにも↓
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超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!

2019年9月20日

BMJ誌:亜急性期の体トレは効果ないうえに危険


Physical Fitness Training in Patients with Subacute Stroke (PHYS-STROKE)- multicentre, randomised controlled, endpoint blinded trial
2019  9月  ドイツ

トレッドミルをつかった体力トレーニング(physical fitness training)は脳卒中患者の神経可塑性をうながし歩行や日常生活動作を改善すると考えられている。

じっさいアメリカ心臓協会のガイドラインでは、
亜急性期に最大心拍数の55-80%の有酸素運動20-60分間を週に3-5セットおこなうことを勧めている。

しかし亜急性期の体力トレーニングの効果をしらべたこれまでのランダム化比較試験9件のうち実際に効果を示したものは2件のみだった。

そこで体力トレーニングの効果と安全性についてマルチセンター(PHYS-STROKE)トライアルできっちりとしらべてみたそうな。



ドイツ7箇所の施設にて、発症から5-45日
NIHSSスコア8前後の中程度以上に神経症状の重い脳卒中患者200人について、

体力トレーニング105人と
リラクゼーション95人 の2グループにわけた。

体力トレーニンググループは体重支持つきトレッドミル上を最大心拍数の50-60%で25分間歩かせる。

リラクゼーショングループでは心拍に影響のない強度での筋肉緊張を解くエクササイズを25分間おこなった。

両グループともにこれらを週に5回 x4週間継続した。

3ヶ月後の日常生活動作をバーセルインデックスで、最大歩行速度を10m歩行テストでしらべた。
有害事象もフォローした。



次のようになった。

・体力トレーニングはリラクゼーションにくらべ最大歩行速度のあきらかな向上はみられなかった。

・日常生活動作についても差はなかった。

・有害事象は 22 vs. 9件 で体力トレーニングにはっきりと多く、とくに転倒リスクが高かった。

亜急性期の体力トレーニングはまったく効果ないばかりか危険だった。ガイドラインを見直したほうがいい、


というおはなし。

図:PHYS-STROKE



感想:

急性期の運動は効果ないし危険、亜急性期も効果ないし危険。

脳卒中の早期リハビリはがんばる人がバカを見る↓。
Neurology誌:早期リハビリ 気休めにもならない

コクランレビュー:超早期リハビリは効果ないし危ない

【やはり】亜急性期のリハビリは効果ないうえに危険

失語症の早期リハビリ まったく効果ない

超早期リハビリをやってはいけない理由

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Stroke誌:早期リハビリがんばる意味ない

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2016年12月28日

Stroke誌:早期リハビリがんばる意味ない


AMOBES (Active Mobility Very Early After Stroke)
2016  12月  フランス

脳卒中のあとすぐに運動訓練を行う「早期リハビリ」が有効であるという報告が少なからずある。

どのくらいの運動量を課すとより効果的なのか実験してみたそうな。


脳卒中患者103人を次の2グループにわけ、発症から72時間以内に理学療法(PT)訓練をほどこした。

*ソフトPT:寝たきり防止もくてきの低強度の訓練を1日20分間。
*集中PT :上記にプラスして個別最適化した高強度訓練を1日45分間。

90日後までの運動能力を複数の指標で評価したところ、


次のようになった。

・両グループともに運動能力が改善したが、

・集中訓練を取り入れた効果はまったく確認できなかった。

・Fugl–Meyerスコアの改善ぶんはソフトPTで27.5、集中PTは22.0だった。

脳卒中のあとすぐに集中的な運動訓練をおこなっても特別な効果はみられなかった。寝たきり防止のための短時間のゆるい運動とほぼ同じ改善レベルだった、


というおはなし。
図:早期集中リハビリの効果

感想:

エビデンス↓がそろってきた。
超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2013年5月21日

早期リハビリって効果があるのかな...


Early Mobilization after Acute Stroke.
2013  5月  ノルウェー

早期リハビリがほんとうに良いのか調べてみたそうな。


発症後24時間以内に入院した脳卒中患者について、

・入院から24時間以内に移動訓練を始めるグループ(27人)

・入院から24-48時間経ってから移動訓練を始めるグループ(25)

に分けて、3ヶ月後の回復程度を比較した。

また、年齢、性別、神経症状の程度、脳卒中リスク要因などとの関連も解析した。


次のようになった。

・早期グループでは中央値で7.5時間後、比較グループでは30時間後に訓練を始めた。

・55%の患者で回復が良かった。

・良好な回復と関連のある要因は見つからなかった。



移動訓練を始める時間と予後との関連は見られなかった


というおはなし。

写真:早期リハビリ

追記:(2018)
【やはり】亜急性期のリハビリは効果ないうえに危険

nature.com:脳卒中の超早期リハビリ やる意味ない

Stroke誌:早期リハビリがんばる意味ない

超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報

ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない

2020年8月19日

重度脳損傷への早期上体起こし

2020  8月  デンマーク

脳卒中患者での早期リハビリテーションは長く注目されてきた。

これに外傷性や低酸素性の脳損傷もふくめた重度の後天性脳損傷(acquired brain injury)での、早期の上体起こし(head-up mobilisation)のリスクとベネフィットについてメタアナリシスをこころみたそうな。

2021年9月25日

超早期リハビリと、ウルトラ早期リハビリの違いとは

2021  8月  中国


急性脳卒中患者への早期リハビリテーションに適した介入タイミングについてはいまだよくいわかっていないので、くわしくしらべてみたそうな。

2020年8月3日

早期リハビリの個人データ メタアナリシス

2020  7月  オーストラリア


脳卒中の早期リハビリ(early mobilisation)の安全性と有効性をしらべるために、

これまでの研究参加者の個人レベルのデータ(IPD:individual participant data)統合による精度の高いメタアナリシスをこころみたそうな。
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