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2024年8月10日

楽器で上肢機能改善!音楽がもたらす脳卒中リハビリ革命

2024  8月  スペイン


脳卒中後の慢性期において、多くの患者は依然として上肢麻痺を抱えており、これが日常生活の自立や生活の質(QoL)に大きな影響を与えている。

従来のリハビリテーション療法は効果が限られるため、新たな治療法が求められている。

そこで、従来の運動プログラムである「段階的反復腕補助プログラム(GRASP)」と比較して、音楽を用いた「強化された音楽支援療法(eMST)」が、上肢機能とQoLの向上において優れているかどうかをくわしくしらべてみたそうな。

2024年8月8日

脳卒中患者必見!個別化された音楽リストで認知機能があきらかに向上

2024  7月  中国


脳卒中後の認知機能障害(PSCI)は、多くの患者にとって重大な問題であり、日常生活動作(ADLs)や介護者負担にも大きな影響を与える。

近年、音楽療法が認知機能の改善に寄与する可能性が示唆されているが、特に個別化された音楽リスニングの効果についてはまだ十分な研究が行われていない。

そこで、個別化された音楽リスニングがPSCI患者の認知機能および関連する機能に与える影響をランダム化対照試験(RCT)でくわしくしらべてみたそうな。

2024年2月12日

歩き出せ、未来へ -脳卒中患者がリズムに乗って歩行を取り戻す衝撃!

2024  1月  スペイン

 
脳卒中患者の歩行機能に対するリズム聴覚刺激(RAS:rhythmic auditory stimulation)の効果については、いくつかの研究で報告されているが、系統的レビューはまだない。

そこで、脳卒中患者におけるRAS介入後の機能的歩行に関するエビデンスを統合し、その効果をくわしくしらべてみたそうな。

2023年12月8日

ダンスで脳卒中リハビリが変わる!スイス研究が示す効果

2023  11月  スイス


リハビリへのダンスプログラムの追加が、脳卒中患者の運動機能の回復とQoLにおよぼす影響をくわしくしらべてみたそうな。

2022年11月22日

脳卒中後うつの音楽療法メタアナリシス

2022  11月  中国


脳卒中後のうつはほとんどのばあい1ヶ月ほどで発症し、慢性化する傾向があり機能回復の妨げとなる。

そのメカニズムは解明されておらず、有効とされるセロトニン再取り込み阻害薬はしばしば副作用が問題となっているため代替となる治療法が求められている。

そこで、脳卒中後うつへの音楽療法の効果についてメタアナリシスをこころみたそうな。

2022年4月3日

音楽刺激がもたらす脳の構造変化

2022   3月  フィンランド


脳卒中後の神経可塑性と認知機能の回復は、刺激豊富な環境によって促されることが動物実験でわかっている。

最近では、音楽刺激によって脳卒中亜急性期の認知機能が改善するという報告がいくかある。

とくに声楽を含む音刺激が言語ネットワークの構造および機能結合の変化をもたらすという。

そこで、音刺激による言語ネットワーク以外の脳構造への影響をくわしくしらべてみたそうな。

2022年1月11日

器楽演奏療法「TIMP」の慢性期脳卒中への効果

2021  12月  カナダ


器楽演奏療法(therapeutic instrumental music performance:TIMP)は身体の正確な動作と楽器を対応させ、さらにリズム刺激を与えることで、運動の聴覚フィードバックを拡張できるとされる。

このTIMPの効果を慢性期の脳卒中患者でたしかめてみたそうな。

2022年1月10日

脳出血で絶対音感を失った日本人ピアニスト

2022  1月  日本


絶対音感(Absolute pitch)は、聴いた音の高さを参照音なしに識別する能力である。

日本人コンサートピアニストが脳出血のあと絶対音感を失ってしまったそうな。

2021年8月3日

聴くだけの高血圧コントロール方法とは

2021  6月  タイ


高血圧は脳卒中や心筋梗塞のリスク因子と考えられ、世界的に増加傾向にある。

降圧薬への抵抗性や副作用が問題になる場合には、非薬理的治療が用いられることがある。

なかでも音楽療法は簡単に実行できることで期待されていて、これまでさまざまな音楽の種類、楽器、メロディ、リズム、ピッチ、などが検討されてきた。

とくに脳神経の中に創り出される音のイリュージョンであるバイノウラルビート(Binaural Beat)刺激の血圧への影響についてはほとんど報告がないので、実験してみたそうな。

2021年7月17日

音楽に長時間さらされると脳が復活する?

2021  7月  中国


音楽が心拍数や血圧に影響することがわかっている。また、音楽療法により聴覚野、運動野、海馬を活性化できるとする報告もある。

さらに音楽療法は脳卒中後の言語障害、運動障害、認知 気分障害に良い影響を与えると考えられている。

しかし、その最適な用量とメカニズムについてはよくわかっていないので、動物実験でくわしくしらべてみたそうな。

2021年6月22日

声楽鑑賞で言語回復するメカニズム

2021  6月  フィンランド


脳卒中後の言語障害にたいする現在の治療法のおおくは 結果におおきなばらつきがあり、長期的効果も限定的である。

声楽を聴くことで脳卒中患者の言語回復が促されるという報告がある。

しかしその神経可塑的メカニズムはよくわかっていないので、くわしくしらべてみたそうな。

2021年6月15日

音楽支援療法と脳卒中麻痺上肢

2021  5月  中国


脳卒中経験者の67%は、発症後4年経っても上肢になんらかの障害が残るという。

上肢の音楽支援療法(music-supported therapy)では通常、楽器を演奏させる。ピアノを弾いたり、ドラムスティックを握る動作は、手の協調を促し、握力強化になる。

また、音楽の聴覚刺激による運動前野の働きの調節、損傷部位の血流増加がfMRIなどで示されている。

音楽による筋緊張の緩和による手指動作の改善効果も期待できる。

そこで、脳卒中患者の上肢への音楽支援療法についてシステマチックレビューをこころみたそうな。

2021年6月14日

右脳梗塞が歌っても心に響かない

2021  6月  アメリカ


韻律(プロソディ)は、音声の高さ、速度、抑揚変化を指し、感情も反映する。

たとえば「幸せ」は高音と速い発話速度で構成され、「悲しみ」は低音の遅い発話速度で表現される。

これらの特徴は言語によらず、普遍的であると考えられている。

韻律には感情韻律と言語韻律があり、感情韻律は脳の右半球に偏っていると考えられている。

左脳損傷患者にくらべて右脳損傷では失語症は現れにくく、正常に見えることがおおいため、感情韻律に関係するコミュニケーション問題が見過ごされる可能性がある。

そこで、歌唱時の韻律の異常さに右脳損傷の特徴が反映するものかくわしくしらべてみたそうな。

2020年10月9日

声楽を聴くと言語回復する理由

2020  10月  フィンランド


これまでの研究では、日常的に音楽を聴くことが脳卒中の回復を助けることが示唆されているが、この効果を促進する刺激および神経のメカニズムについてはほとんど知られていない。

いっぽう 声楽(vocal music)には脳内の広範な両側ネットワークに関与しているという神経画像学的証拠がある。

そこで、声楽が脳卒中後の認知 言語回復や神経可塑性の向上に、器楽(instrumental music)やスピーチよりも効果的であるかどうかを確かめるべく 実験してみたそうな。

2020年8月5日

音楽聴きながらエクササイズ→失語症改善

2020  8月  ギリシャ


脳卒中患者の21-38%は失語症を経験するという。

失語症の治療には通常、言語聴覚療法(speech and language therapy:SLAT)が行われるがじゅうぶんな効果は得られていない。
薬物療法やrTMSなどの脳刺激法にも公式に認可されたものはない。

いっぽう、脳卒中後の代替療法としてエクササイズトレーニングがよく利用される。

また、音楽リスニングによる脳の構造や機能の可塑的変化、辺縁系でのドーパミン調節効果が報告されている。

そこで、音楽を聴きながらのエクササイズトレーニングが失語症へおよぼす影響について実験してみたそうな。

2020年6月23日

バイノウラルビート 慢性疼痛緩和の二重盲検 RCT


2020  6月  ギリシャ


バイノウラルビート(BB:Binaural Beat)は左右の耳に提示された周波数のわずかにことなる音響刺激によって生じる。

それら周波数差に相当する周期的なうなり(ビート)が知覚され、このビート周波数に脳のはたらきが同調するエントレインメント効果が確認されている。

バイノウラルビートの疼痛緩和効果についての報告がいくつかある。しかし慢性疼痛についての報告は1件のみである。

そこで、慢性疼痛患者へのシータ・バイノウラルビートの急性および長期の効果について二重盲検のランダム化比較試験をやってみたそうな。

2020年4月28日

nature.com:バイノウラルビートで脳卒中リハを加速?


40-Hz Binaural beats enhance training to mitigate the attentional blink
2020  4月  カナダ

非侵襲的な脳刺激法には磁気のTMSや電流のtDCSがある。

このほかに、視覚や触覚 聴覚からの感覚刺激を用いた脳刺激法がある。このうちバイノウラルビート(Binaural Beat)は両耳にわずかに周波数のことなる音を聴かせたときにその周波数差に相当するビート(うなり音)が意識に生じる現象を指す。

バイノウラルビートの周波数に脳の活動が同調する(entrainment)効果が脳波や脳磁図計測から確認されている。

いっぱんに40Hzのガンマ周波数での脳活動は注意や特徴統合、記憶、学習、と関連が深いとされている。

そこで、「注意のまばたき」(attentional blink:数100ms間隔で連続提示される視覚ターゲットの2番め(T2)は、1番目のターゲット(T1)にくらべ見落とされやすい現象)がガンマ・バイノウラルビートを使った訓練により改善するものか、実験してみたそうな。

2019年6月29日

リズム刺激をあたえても歩行は変わらない


Walking with rhythmic auditory stimulation in chronic patients after stroke- A pilot randomized controlled trial
2019  6月  ドイツ

脳卒中患者の歩行に際して外部から音刺激でリズムキュー(rhythmic cue)を与えると歩行パラメータが改善したとする報告が多数ある。

しかしこれらのおおくは脳卒中の早期の患者を対象にし、しかも評価をブラインドにしていないものがほとんどである。

そこで、慢性期の脳卒中患者についてリズム音響刺激(rhythmic auditory stimulation:RAS)の効果をくわしくしらべてみたそうな。



平均年齢67、発症から6年前後の脳卒中患者12人をRASの有無で2グループに分けた。

1回30分間の歩行訓練セッションを、週3回、4週間継続して
歩行速度、6分間歩行テスト、バランス能力、歩長を測定した。

実験担当や評価者にはRASの有無を知らせなかった。

RASグループにはmp3プレーヤをもたせてヘッドフォンで音楽を聴かせた。ただし音楽と歩行についてなんのアドバイスも行わなかった。



次のことがわかった。

・両グループともに歩行速度や歩行能力、バランス、歩長は改善した。

・しかしグループ間のあきらかな違いはみられなかった。

慢性期脳卒中患者の歩行に際し、リズム音響刺激をあたえてみたがなんのベネフィットもなかった、


というおはなし。

図:リズムキューと脳卒中の歩行速度



感想:

ふつう患者が実験意図を忖度(そんたく)して 歩行テストでいつもよりがんばってあげるんだけど、それがなかったってことだな。

よほど趣味にあわない音楽を聴かされたか 実験担当者の態度が悪かったか、、。

2019年2月25日

nature.com:リズム歩行訓練の効果的な時間と頻度


Effects of (music-based) rhythmic auditory cueing training on gait and posture post-stroke- A systematic review & dose-response meta-analysis
2019  2月  インド

音楽のリズムに合わせて歩行訓練をおこなう rhythmic auditory cueing は聴覚と運動機能の結合性を高め、脳卒中患者の損傷脳側の運動皮質のはたらきを活発にするとかんがえられている。

最新の知見を含めたレビューがないので、その効果と適した訓練量についてメタアナリシスをこころみたそうな。


9つの医学データベースから、脳卒中患者へのリズム歩行訓練の臨床試験について、理学療法の臨床試験での信頼性を示す PEDroスケール4以上の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・患者968人を含む38の研究がみつかった。

・リズム歩行訓練は患者の歩行と姿勢安定にあきらかに効果的で、

・1回あたり20-45分間、週に3-5回おこなうと、

・歩行速度、歩幅、歩調 の改善につながっていた。

脳卒中患者へのリズム歩行訓練をつよく勧めたい、


というおはなし。

図:リズミックキュー 脳卒中歩行リハビリ


感想:

さいきんスマートフォンを胸ポケットにいれて、Youtubeで米津玄師のフラミンゴをリピートしながら歩くようにしている。

2019年1月6日

リハビリの不安と音楽療法


Music as a Therapy to Alleviate Anxiety During Inpatient Rehabilitation for Stroke
2019  1月  アメリカ

脳卒中患者は不安がつよく、不安症の率はアメリカ一般人の20%にたいし脳卒中リハビリ中の患者で26%とやや高い。

音楽で気分や覚醒度、ストレスが改善され脳血流もふえるという。

そこで、リハビリ患者にすきな音楽を聴かせたときの不安程度を評価してみたそうな。


脳卒中でリハビリ入院中の患者50人を2グループにわけて、

いっぽうには、ゴスペル、クラシック、ロック、カントリー、ポップのなかから好みの音楽を1時間聴かせた。

もういっぽうのグループは音楽はなしですきにさせておいた。

この1回の介入前後での2種類の不安尺度検査(State–TraitAnxiety Inventory と Hospital Anxiety De-pression Score)の結果をくらべたところ、


次のようになった。

・音楽グループでは不安度スコアが介入まえよりもあきらかに低くなった。

・音楽なしのグループでは不安度スコアに変化はなかった。

・年齢、性別、脳卒中の種類で調整しても結果はかわらなかった。

リハビリ入院中の脳卒中患者に好きな音楽を聴かせることは不安緩和に効果的かも、


というおはなし。

図:脳卒中患者の音楽療法と不安

感想:

脳卒中の音楽療法でリスニングのメンタル効果を調べた研究はすくない。

リズムにのって身体を動かす系のはなしばかり。

片麻痺におすすめの曲は 米津玄師のフラミンゴ(←リンク)踊りやすい。このMVを観ていっきに米津ファンになった。
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