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2024年11月14日

見逃される脳卒中後の非運動性問題ー13の闇とその実態

2024  10月  イギリス


脳卒中後のリハビリや治療といえば、歩行や手のリハビリなどの「運動機能」の回復が重視されがちである。しかし、脳卒中の影響は身体の動きだけでなく、「非運動性」と呼ばれるメンタルや日常生活のさまざまな側面にも現れる。

非運動性の問題には、疲労や睡眠障害、社会参加の低下など多岐にわたり、これが生活の質を大きく左右する。

そこで、脳卒中後の非運動性問題がどの程度に及び、どのような要因が影響しているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2024年11月10日

この疲れ、ただごとではない!?脳卒中後の『感覚減衰モデル』が示す疲労の正体とは

2024  11月  イギリス


脳卒中後の疲労(Post-Stroke Fatigue, PSF)は、単なる「疲れ」とは異なる深刻な問題であり、体力的な疲労だけでなく、精神的、認知的な面にも影響を及ぼし、日常生活を難しくさせることが多い。

このような多次元的な疲労を理解し、効果的な治療法を見つけるために、PSFの原因を探る研究が進められている。

そこで、「感覚減衰モデル」という新しい枠組みがPSFの仕組みを理解するために提案されているそうな。

2024年8月11日

疲労が転帰不良の確かな「原因」!脳卒中リハビリに迫る新事実

2024  7月  中国


脳卒中は、世界中で主要な死亡原因および障害の要因であり、特に脳卒中後の疲労は、多くの患者にとって大きな課題である。

疲労は、脳卒中後の回復過程において機能的転帰に悪影響を及ぼすとされてきたが、その因果関係はこれまでの研究では明確にされていなかった。

この因果関係を解明することは、効果的な介入方法を確立し、患者のQOL(生活の質)を向上させるために重要である。

そこで、メンデルランダム化(MR)解析法を用いて、疲労が脳卒中後の機能的転帰に及ぼす影響を因果的にくわしくしらべてみたそうな。

2023年6月20日

脳卒中後の潜在的危険:5年後の疲労

2023  6月  スウェーデン


脳卒中の後遺症で見過ごされがちなのが「疲労」である。

脳卒中後疲労(PSF)は安静にしていても軽減されない慢性的な病的疲労と定義されている。

その有病率の報告は2年後39-72%と幅がある。

5年以上にわたる長期の研究はほとんどないので、予測因子もふくめてくわしくしらべてみたそうな。

2022年11月2日

脳卒中後「疲労」のメタアナリシス

2022  10月  中国


脳卒中後疲労(PSF)はよくある合併症のひとつである。

そこで、PSFの有病率や人口統計学的特徴をあきらかにするべくメタアナリシスをこころみたそうな。

2022年9月15日

「前庭リハビリ」で脳卒中後の疲労をいやす

2022  8月  イラン


脳卒中後の「疲労」はよくある合併症であり、何年も持続する。

その病因は不明であるが、視覚、体性感覚、前庭感覚などの中枢性感覚の統合障害が非効率的な姿勢制御を引き起こしている可能性がある。

これら感覚統合をうながす方法として「前庭リハビリテーション」があるので、脳卒中後疲労への影響をくわしくしらべてみたそうな。

2022年7月21日

ここをやられると脳卒中後の「疲労」

2022  6月  中国


脳卒中後の疲労は主観的な疲労であり、休息をとっても改善しない。

そのメカニズムはいまだ不明である。

病変位置との関連についてのこれまでの研究は解剖学的正確さに欠けているので、VLSM法をもちいてくわしくしらべてみたそうな。

2022年7月6日

脳卒中あとの「疲労」5年後

2022  6月  スウェーデン


脳卒中後の疲労は、活動後に突然生じる強い疲労感と精神的身体的エネルギーが欠如した感覚として説明できる。

その有病率は25-85%と幅があり、長期にわたり継続するという報告がある。

脳卒中後の疲労の原因や治療法についてはわかっていないので、脳卒中から5年間の経験を患者から聞き取りしてみたそうな。

2022年6月24日

脳卒中で「疲労」6つのテーマ

2022  6月  オーストラリア


脳卒中後の「疲労」は日常生活を困難にし回復を遅らせると考えられる。

リハビリテーション中の患者が疲労をどのように捉えているものか、介護者の視点も踏まえてくわしくしらべてみたそうな。

2022年3月30日

脳卒中後「疲労」で悩む患者の割合

2021  12月  イギリス


脳卒中後の合併症のうちもっともよく見られるものの1つに「疲労」がある。

しかしその有病率は報告によりばらつき29-68%の幅がある。

そこで、これまでの研究についてメタアナリシスをこころみたそうな。

2020年11月27日

亜急性期の視空間機能が良いと10年後「疲労」

2020  11月  スウェーデン


疲労(fatigue)は脳卒中経験者の間で一般的であり、重大な悪影響を及ぼす。

しかし脳卒中後の疲労と認知 生理学的パラメータとの関連について、長期的な傾向はよくわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2020年9月1日

くも膜下出血後の「疲労」の割合

2020  8月  ノルウェー


疲労は動脈瘤性くも膜下出血(aSAH)後によくある後遺症の1つである。

その原因メカニズムは脳梗塞や脳内出血後の疲労と同様にあきらかになっていない。

また、慢性期でのaSAH疲労の有病率については報告によりおおきく異なっているので、予測因子を含めてくわしくしらべてみたそうな。

2020年7月10日

脳卒中患者が重視する研究テーマ

2020  7月  スウェーデン


脳卒中はこの数十年間で治療も予防もできない病気から治療も予防も可能な疾患へと移行しており、高齢化の進展もあって脳卒中経験者のさらなる増加が予想されている。

脳卒中後の生活を改善するための研究がますます求められている。

そこで、脳卒中とその介護にあたる者が、脳卒中後の生活に関連した研究のうちどの分野により価値を見出しているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2020年5月26日

脳卒中後の疲労対策は「歩く」


2020  5月  ノルウェー

脳卒中後の「疲労」について、亜急性期から慢性期にかけてその有病率の変化と、活動内容との関連をしらべる
ランダム化比較試験 Life After STroke (LAST)研究をやってみたそうな。

2020年4月25日

脳卒中後の疲労 18ヶ月後までの軌跡


Trajectories of fatigue among stroke patients from the acute phase to 18 months post-injury: A latent class analysis
2020  4月  ノルウェー

脳卒中後の疲労(Post-stroke fatigue)は脳卒中経験者の23-75%に影響するという。

この疲労は、労作レベルとは関係のない休息をとっても回復しないタイプの疲労で、慢性的で主観的なエネルギー不足、倦怠感、努力嫌悪な状態 とされている。

これは施設入所や死亡のリスク増加と関連しており、多くの患者が脳卒中後の最悪の症状の1つと考えている。疲労の経時的変化についての研究は、関連因子を理解するのに役立つ可能性があるが、現在までに実施された研究はわずかであるのでくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月8日

Stroke誌:「疲労」は脳卒中の原因になりうるのか


Self-Reported Fatigue Predicts Incident Stroke in a General Population
2020  3月  イギリス

疲労は身体的 精神的に活動を嫌悪する状態をさす。

疲労は脳卒中経験者に著しく現れることが知られている。また一般診療での相談の25%に疲労が症状として含まれるという。疲労は死亡率と関連することがわかっている。

疲労と脳卒中の発生との関係はあきらかではなく、その間接要因として、睡眠不良、慢性ストレス、心不全、貧血、甲状腺障害が考えられる。

そこで健康状態についてのアンケート Short Form 36 に現れる疲労と、脳卒中の発生について大規模な住民調査をこころみたそうな。

2020年2月4日

「疲労」もんだいと日中の活動パターンの関係


Post-stroke fatigue and daily activity patterns during outpatient rehabilitation- An experience sampling method study
2020  1月  オランダ

脳卒中後の疲労(fatigue)はめずらしいことではなく25-85%が経験するという。

その原因はいまだあきらかでなく、神経学的、心理学的、社会学的側面がからみあった複雑なものと考えられている。

これまでの脳卒中後の疲労の研究のおおくはアンケート表に記入させ、後日それらを解析する方法がおもだった。

しかし疲労は数ヶ月、数週間、数日続くことがあり、また日中のタイミングによっても変化する。1回のアンケートではこのような変化を捉えることができず、記憶にたよることによるバイアスも問題になる。

そこで、さまざまな活動のなかでのリアルタイムの疲労状況をモニターし解析する 経験サンプリング法(experience sampling method)を採用してくわしくしらべてみたそうな。

2019年6月22日

歩けるのに運動しない理由3つ


Perceived barriers to exercise reported by individuals with stroke, who are able to walk in the community
2019  6月  ブラジル

脳卒中経験者の身体活動レベルがひくいままだと再発しやすくなる。

いっぱんに1日30分程度の中強度の運動を週5日こころがけるよう薦められているが、脳卒中経験者の77%は座ったままになりがちで運動不足という。

かれらの運動をさまたげる要因の調査は これまで慢性期患者についてのものがおおかった。

そこで、亜急性期で自立して歩行できる患者について 運動のさまたげになっている主観的要因をくわしくしらべてみたそうな。



軽度の脳卒中から4ヶ月前後で、退院して自立歩行速度0.8m/s以上の患者95人について運動状況について聞き取り調査した。

運動の29のベネフィットと14の障害について評価する exercise Benefits/Barriers Scale(EBBS) をもちいた。



次のことがわかった。

・運動のさまたげになる主な理由は、「疲労」「場所がない」「遠い」で、

・EBBS項目以外では「介助人がいない」「どう運動したらいいかわからない」が挙げられた。

・主観的な運動の妨げの程度はうつと社会経済的ステータスと関連していた。

歩行できるのに運動しないのは、疲労と利用できる場所 そこまでの距離がおもな理由だった、


というおはなし。

図:運動する理由としない理由



感想:

退院したてのころ、運動のためにひるま近所を散歩していると すれ違う小学生にやたら挨拶され、交差点の見守りじじいにあからさまに不審者を見る目で睨まれて、とてもこころが痛んだおもいで。

2019年1月15日

軽い脳卒中のあとの疲労とQoL


Health-Related Quality of Life and Fatigue After Transient Ischemic Attack and Minor Stroke
2019  1月  スペイン

脳卒中患者が疲労をうったえる率は非常に高い。この疲労感がしばしばリハビリや復職をさまたげる原因になっている。

いっぽうTIAや軽い脳卒中では後遺症はないとされているがじっさいにはなんらかの障害をうったえる患者はすくなくない。

疲労にはいくつもの要因が考えられる。これまでのおおくの調査ではコントロール群を設けたものがほとんどない。

そこでTIAや軽い脳卒中のあとの疲労について認知機能をふくめくわしくしらべてみたそうな。


TIAまたは軽い脳卒中の患者92人と別の病気の患者89人について、

疲労評価スケール(Fatigue Assessment Scale)
認知機能評価(Montreal Cognitive Assessment)
QoL指標(European Quality of Life index)

について3ヶ月後までフォローしたところ、


次のことがわかった。

・強い疲労感をうったえる率は 65.2% vs 23.5%(コントロール)で、

・さらに非常に強い疲労の率は 20.7% vs. 4.5%(コントロール) だった。

・認知機能スコアは、24.1 vs. 27.3 であきらかに低かった。

・疲労スコアが高い者のQoLはあきらかに低かった。

・疲労スコアと認知機能スコアに関連はなく、認知機能スコアはQoLに関連しなかった。

TIAや軽い脳卒中患者の強い疲労感はめずらしいことではなかった。この疲労感は生活の質におおきく影響していた、


というおはなし。

図:脳卒中後の疲労


感想:

経験的に、TIAや軽い脳卒中は症状弱いから病院にゆかずがまんして乗り切っている人ってすくなくないとおもう。

ってことは ひどく疲れた顔してるサラリーマンの脳にはちいさな梗塞や出血があるんじゃないかね。

2018年9月10日

疲労体験がもっともキツイ年齢層がわかった


Investigating post-stroke fatigue- An individual participant data meta-analysis
2018  9月  オーストラリア

脳卒中のあとに疲労を訴える患者はおおくこれまでたくさんの調査がなされてきた。

いくつものメタアナリシスもあったが、疲労の重症度として Fatigue Severity Scaleが共通して用いられてきたにもかかわらず結果のばらつきは非常におおきかった。

そこでメタアナリシスの精度向上のために個人ごとの生のデータ(Individual Participants Data)を利用した解析をやってみたそうな。


個人ごとの生データを取得できる関連研究を厳選してデータを統合 再解析した。

個人データには、FSSスコア、年齢、性別、脳卒中後の期間、うつ症状、脳卒中重症度、身体障害、脳卒中の種類、をもたせた。


次のようになった。

・被験者2102人を含む12の研究がみつかった。

・高レベルの疲労は、女性、うつ症状、脳卒中からのより長い期間、と強く関連していた。

・疲労と年齢は直線関係ではなく3次関数に近似でき、中年期と最高齢域でピークを示した。

個人データレベルで統合したメタアナリシスにより、疲労が脳卒中からの期間が長いほど強く、年齢とは非線型の関係にあることがあらたにわかった、


というおはなし。
図:脳卒中後の疲労スケールと年齢

感想:

上図をみると40代はピーク。なっとくしてしまうよ。

脳卒中からの期間については調査の上限が12ヶ月間だからあまり参考にならないな。
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