元2025 4月 中国
・ベースラインで高値正常BPに分類された者は、最適BP群に比べて全死亡率が4%(HR 1.04)、心血管死亡率が28%(HR 1.28)高かった。・中でも出血性脳卒中による死亡リスクは75%増加(HR 1.75)していた。・さらに、血圧が高値正常から時間とともに上昇した群(高値正常-上昇型)は、全死亡率が35%増、心血管死亡率が57%増、出血性脳卒中による死亡リスクが3.75倍に達していた。・これらの結果は特に女性や中年層(35-54歳)で顕著であった。
🔍 論文が降圧薬治療患者の拡大を狙っているように見える理由
❶ 「高値正常血圧」に病気のにおいを付けている
- 130–139/85–89 mmHgという範囲は、従来「正常高値」または「予備軍」とされてきた。
- 本来は注意すべきグレーゾーンであるにもかかわらず、「死亡リスクが上がる」「脳出血で3.75倍リスク増」と強くリスクを強調している。
- 「正常」から「病的」への心理的境界を曖昧にし、未病意識をあおっている。
❷ 論文後半に薬物治療の合理性を示唆している
- 「130–139/80–89 mmHgの人に対する薬物治療は費用対効果が高い」とする引用を用い、薬物介入の正当化を行っている。
❸ 投薬対象の再定義を狙う
- 特に35~54歳の中年層や女性を新たな投薬対象市場として示唆している。
❹ 社会政策としてのスクリーニング拡大
- 中国の国家プロジェクト「ChinaHEART」を通じて、全国的に高血圧意識を植え付け、医療化を促進している。
項目 | 内容 |
---|---|
表向きの目的 | 高値正常BPと死亡リスクの関連解明 |
背後の疑い | 高血圧患者の範囲を広げ、医療介入対象を増やす |
手法 | リスク強調、サブグループ焦点、薬物治療経済性アピール |
想定結果 | 降圧薬処方増、製薬産業の利益増、健康不安の拡大 |
💭 結論
形式的には疫学研究だが、デザインや言葉選び、引用の構成から見て、降圧薬治療患者を増やす根拠構築が背後にあると解釈できる。未病者に病気の種を植え付け、不安と介入を誘導する「プレ・ディジーズ戦略」の一環と考えられる。