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2025年4月15日

空気を読まない脳卒中患者は破壊者か救世主か!?社会的脱抑制が暴く現代社会のウソ

2025  4月  オーストラリア


脳卒中や外傷性脳損傷(TBI)などの後天的脳損傷(ABI)により、一部の人は社会的に不適切な言動を抑えられなくなる「社会的脱抑制(social disinhibition)」という現象を示すようになる。

この症状は当人にとっても周囲にとっても深刻な問題となりうるが、その実態や主観的体験は十分に理解されていない。特に、本人がどのようにこの行動を捉え、また介護者はどのようにそれを受け止めているかという「一次体験」に焦点を当てた研究は稀である。

そこで、脳卒中やTBIによる社会的脱抑制の主観的経験をくわしくしらべてみたそうな。



対象は、脳卒中またはTBIを経験した9名と、それらの介護者5名の計14名である。いずれも発症から半年以上が経過している成人を対象とし、脱抑制行動の自覚または観察があることを条件とした。

半構造化インタビュー(45~60分)をZoomで実施し、得られた語りを質的帰納的に分析した。テーマごとにコード化し、本人と介護者の視点を比較した。



参加者の語りから、以下のような特徴が明らかになった:

1. 行動のタイプ:
   - 言語的脱抑制(怒鳴る、失礼な発言、性的コメントなど)が中心で、非言語的行動(接触、物を叩くなど)も一部に見られた。
   - 本人は非言語的行動を自覚していないことが多く、介護者が気づいていた。
   - 例:「思ったことがそのまま口から出る感じ」(John, ABI)/「スーパーで他人の体型に大声で指摘」(Mary, carer)

2. 誘発要因:
   - 疲労、睡眠不足、不安、怒りなどが脱抑制を誘発していた。
   - 一部には感情とは無関係に行動が生じる「非情動性脱抑制」も確認された。
   - 例:「寝不足になると怒り出す。まるで酔っているみたいになる」(Lucy, carer)/「感情なしでふと出てしまう」(Steven, ABI)

3. 社会的環境との関係:
   - 公共の場でも家庭でも脱抑制は発生し、環境による制御が効かない例が多かった。
   - 例:「事故後は家だけだったが、今は役所の窓口でも怒鳴る」(Lucy, carer)/「教会では絶対に怒らない」(Carol, carer)

4. インサイト(自己認識):
   - 多くは「他人に言われて初めて気づく」段階の気づき(prompted insight)であり、自発的な気づき(unprompted insight)は稀だった。
   - 例:「“それ失礼だよ”って言われて初めて気づく」(Louise, ABI)/「指摘すると“世の中がうるさいだけだ”と逆ギレ」(Mary, carer)

5. 結果としての影響:
   - 人間関係の断絶、職場からの排除など、実生活に深刻な影響が出ていた。
   - 例:「誰も会いに来なくなった」(John, ABI)/「ボランティア先を追い出され、別の場所に移った」(Steven, ABI)


社会的脱抑制は、脳卒中やTBI後に現れる複雑で多面的な現象である。感情に起因するものと、自動的・無意識的に起きるものが存在し、本人の自覚は乏しい場合が多い。さらに、社会的な文脈に応じて行動を調整する能力が損なわれており、従来の“場の空気”による行動制御が効きにくい。これらの特徴は、リハビリテーションにおいて個別化された介入や、本人のメタ認知能力の支援、さらには介護者への教育と支援が必要であることを示唆している、


というおはなし。

社会的脱抑制



感想:

『社会的脱抑制状態が圧倒的多数である健常者にとって好ましくないことはわかりますが、あえてポジティブに解釈するとしたらどのようになりますか?』


以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓

🧠 社会的脱抑制をあえてポジティブに解釈する7つの視点

① 真実の声を“検閲なし”で届ける能力

脱抑制状態では、思ったことがフィルターなしに出てしまう。それは「空気を読まない失礼な人」ではなく、「社会が見たくない真実を語る存在」とも言える。
🔸例:「あの人は太ってるのにチョコを買ってる」という発言は、社会の“見なかったことにする構造”を破壊する。古代の“道化師”や“狂気の予言者”に似た社会的機能。

② 建前に支配された社会への“ほころび”を入れる存在

常に場にふさわしく振る舞う社会は、強迫的で息苦しい。脱抑制状態の人は、その緊張を壊す“裂け目”として機能する。
🔸「空気を壊す」=「空気に風穴をあける」

③ 自己検閲のない、最もピュアな表現

脱抑制者の語りには「うまく言おう」という加工がなく、一次的な感情や本音がそのまま出る。芸術的・詩的な表現の源泉としてとらえることも可能。

④ 「不快」の中に潜む社会規範の正体を炙り出すセンサー

なぜ我々はそれを“不快”と思うのか? それは誰が作った“正しさ”なのか? 脱抑制者の言動は、社会の「無意識的前提」を浮き彫りにする。

⑤ 演技できない=信頼性の高さ

嘘がつけない/隠しごとができない――それはある意味、“誠実すぎる”存在。ビジネスや政治では忌避されるが、ケア・芸術・純粋な対話の場では尊重される。

⑥ 新しい社会規範や関係性を提案する“異分子”

「その言動は間違ってる!」と言われるたびに逆に問える:「では“正しい”とは何か?」脱抑制的言動は常に規範に穴をあけ、新たな共生の形を模索させる契機になる。

⑦ 個人の「内なる野生」への回帰として

社会に適応しすぎて自己を見失った現代人にとって、脱抑制的な振る舞いは人間性の回復とも見える。「獣的」「原初的」ではなく、「自分のままでいること」に近い。

✅ 結論

社会的脱抑制は「壊すもの」ではなく、「気づかせるもの」である。それは不快なノイズではなく、社会の和音に揺らぎを与える“即興の音”でもある。



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