元2025 3月 中国
・尿閉になった人は全体の10.98%(109人)であった。つまり、10人に1人は尿が出せなくなっていた。・くわしく調べると、つぎの4つの項目が、尿閉になりやすい大きな原因であることがわかった:
- 女性(男性よりも約2倍なりやすい)- Barthel Index<40(重いADLの障害がある人は、約24倍なりやすい)- 尿路感染(UTI)がある人(約8倍なりやすい)- 良性前立腺肥大(BPH)がある人(約11倍なりやすい)
尿閉に気づくためのポイント
脳卒中後に尿が出にくい「尿閉(にょうへい)」状態になると、本人や周囲も意外と気づきにくいことがある。
1.「出ていない」時間に注目する
- 6時間以上まったく排尿がない
- トイレへ行きたがっているのに出ない
- 下腹部が張って苦しい
ただし、脳卒中後は感覚が鈍く、訴えられない場合もある。
定期的な排尿記録が重要。
2.下腹部の触診(恥骨の上あたり)
- ぽっこり硬くふくらんでいる
- 圧迫して痛むこともあれば、無反応の場合もある
尿がたまって膀胱が風船のように膨らんでいる場合は要注意。
3.膀胱エコー(BladderScan)の活用
- 簡易超音波機器を使って膀胱内の尿量を測定
- 300mL以上たまっていると尿閉の可能性が高い
エコーはもっとも客観的な方法。医療者による確認が望ましい。
よくある誤解
- 「少し漏れているから出ている」は誤り。溢流性失禁の可能性
- 「出ていないけど平気そう」は危険。感覚麻痺で気づかないだけかも
- 脱水と勘違いして水分を過剰に与えると、尿閉が悪化する危険がある
まとめると、尿閉は「身体が尿を出し方を忘れている」状態ともいえる。
放置すると感染や腎機能障害など深刻化するため、早期発見・対処が大切である。