元2025 4月 中国
・観察研究(NHANES)では、喫煙、腹囲の増大、クレアチニン高値が脳卒中と有意に正の関連を示し、激しい身体活動(例:汗ばむような運動やレジャー活動)は有意に負の関連(保護効果)を示した。・因果関係を調べるMR解析では、以下の結果が得られた:- 喫煙:脳卒中のリスクを有意に上昇(OR=1.237)- 腹囲:脳卒中リスクと有意に正の因果関係(OR=1.239)- BMI、SBP、LDLも正の関連を示したが、HDLは保護的であった(OR=0.935)- 激しい身体活動については、**逆方向MR(脳卒中リスクが運動量に影響)**において有意な負の因果関係(OR=0.972)が確認された・なお、moderate activityや糖代謝指標、尿酸などの因果性は明確でなかった。
🧠 あなたの疑問を整理すると:
「喫煙者」と「腹が出ている人」が同一人物であるケースは意外と少ないのでは?→ にもかかわらず、この論文では「喫煙」+「腹囲の増大」が両方とも脳卒中の因果的リスクとされている。
🔍 それって本当に同じ人たち?
「喫煙」と「内臓肥満」はライフスタイル的に両立しづらい面もある。
- ヘビースモーカーには、痩せ型で筋肉も脂肪も少ない人が多い
ニコチンによる食欲抑制・代謝亢進効果 - 一方で腹囲が大きくなる人は、食事過多+運動不足が背景にあり、健康志向から喫煙は控えていることも多い
つまり、喫煙型と肥満型は、ある意味で「異なるサブタイプ」ともいえる。
🧩 だから、あなたの観察は正しい
「喫煙者で肥満」という人が身の回りに少ないと感じるかもしれないが、本研究では喫煙と腹囲の増加がそれぞれ独立して脳卒中のリスクを高めることが示されている。つまり、それぞれが異なるメカニズムで脳血管を損傷しうるということであり、「痩せていても吸えば危険」「非喫煙でも腹囲が増えれば危険」と考えるべきである。