元
脳卒中を経験した人の多くが、回復期においてさまざまな困難に直面する。その中でも見過ごされがちなのが「睡眠の質の低下」だ。
睡眠は脳の回復に重要な役割を果たし、適切な休息が得られなければ、機能回復や日常生活への復帰が遅れる可能性がある。
そこで、最新のメタ分析研究に基づき、脳卒中経験者における睡眠の質の低下の実態とその影響をくわしくしらべてみたそうな。
脳卒中経験者の睡眠の質に関する過去の研究を統合し、その全体像を明らかにするためにメタ分析を実施した。PubMed、Web of Science、Embase、PsycINFO、CNKI、WanFangといった複数のデータベースから関連研究を収集し、68件の研究(対象者14,845人)を統合して分析を行った。
睡眠の質の評価には、標準的な指標であるピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)が使用され、睡眠の質の低下の有病率や影響因子が解析された。
次のことがわかった。
・脳卒中経験者の50.26%が睡眠の質の低下を抱えていることが明らかになった。さらに、以下の要因が睡眠の質に影響を及ぼしていることが判明した。
- 脳卒中の部位:左大脳半球の脳卒中は、右半球の脳卒中に比べて睡眠の質が比較的良好である。
- 脳卒中の種類:脳梗塞(虚血性脳卒中)の患者は、出血性脳卒中の患者よりも睡眠の質が悪化しやすい。
- 経済状況:低中所得国の患者では、睡眠の質の低下がより顕著であった。
・これらの結果から、脳卒中経験者の睡眠の質の問題は非常に一般的であり、特定の要因がそのリスクを高めることが分かった。
脳卒中経験者の半数が睡眠の質の低下に直面している。この問題を放置せず、定期的な評価と適切な対応が必要である、
というおはなし。
感想:
眠りで困ったことはないな。