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脳卒中のリハビリを効果的に進めるうえで、栄養状態の維持・改善が極めて重要だといわれている。
そこで、たんぱく質、ビタミンD、必須アミノ酸、抗酸化物質などの栄養素について、それぞれの効果に関するランダム化比較試験(RCT)を中心にまとめてみたそうな。
脳卒中(虚血・出血いずれも含む)の患者に対して、栄養補給とリハビリ介入を同時に実施した研究を、PubMed、Cochrane、Web of Science、Embaseの各データベースから検索して抽出した。言語や出版年を問わずRCTを対象とし、主に栄養素の補給が日常生活動作(ADL)や運動・神経機能に及ぼす影響を調べた。
次のことがわかった。
・たんぱく質や必須アミノ酸を補給することで、運動機能や筋力が向上し、日常生活動作(ADL)が改善したと報告したRCTが多い。
・特にたんぱく質とリハビリ運動の併用により、筋力やバランス能力、歩行速度が向上した例がある。
・高用量のビタミンD補給がバランス機能や日常生活動作の改善と関連する研究がある。
・一方、低用量の経口補給のみでは目立った効果を示さない場合もあり、投与量やタイミングに左右される可能性が指摘されている。
・亜鉛を補給した群で神経機能の改善度が高まったとする報告がある。
・抗酸化物質によって死亡率低下が示唆された研究もあるが、すべての研究で一致しているわけではなく、運動機能への効果ははっきりしていない。
脳卒中の急性期から回復期にかけては、筋力低下や栄養不良が起こりやすく、リハビリ効果にも大きく影響する。とくにたんぱく質や必須アミノ酸などの高たんぱくな栄養補給は、多くの研究でADL・運動機能の向上と関連づけられている。ビタミンDについては、用量や投与経路によって結果が分かれ、抗酸化物質も死亡率低下の面では有望だが、運動機能に関してはさらなる研究が必要である、
というおはなし。
感想:
リハビリ病院にいたころ、糖尿病を合併している患者のおかげでこっちまで食事の量が減らされているようで、お腹が空いてしかたがなかった思い出。
また入院することがあったら買い食いしまくる。