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脳卒中の再発予防には、抗血小板薬の使用が重要だ。しかし、抗血小板薬は血栓を防ぐ効果がある一方で、出血リスクを伴う。
このバランスをどう取るかは、脳卒中経験者にとって大きな課題である。
そこで、低用量の抗血小板薬が標準用量と比較してどのような効果やリスクがあるのかをメタ解析でくわしくしらべてみたそうな。
アジアの脳卒中患者を対象に、低用量と標準用量の抗血小板薬の有効性と安全性を比較した。ランダム化比較試験(RCT)10件をメタ解析で分析し、7,703人のデータが使用された。研究で検討された抗血小板薬の種類と用量は以下の通り。
アスピリン: 標準用量(100 mg/日) vs. 低用量(50 mgまたは25 mg/日)
クロピドグレル: 標準用量(75 mg/日) vs. 低用量(50 mgまたは25 mg/日)
プラスグレル: 標準用量(10 mg/日または5 mg/日) vs. 低用量(3.75 mg/日)
チカグレロル: 標準用量(180 mg/日) vs. 低用量(90 mgまたは60 mg/日)
シロスタゾール: 標準用量(200 mg/日) vs. 低用量(50 mg/日)
主な評価項目は以下である。
出血リスク
再発脳卒中リスク
心筋梗塞リスク
全死亡率(ACD)
重大出血リスク
次のことがわかった。
全体的に、低用量抗血小板薬は標準用量と比較して出血リスクを有意に低減した(リスク比0.51; 95%信頼区間0.27~0.98)。特にアスピリンでは、低用量が出血リスクを最も効果的に低下させた。
低用量と標準用量の間で、再発脳卒中リスクに有意な差は見られなかった。
・心筋梗塞リスクの増加(特に低用量クロピドグレル):
低用量クロピドグレルでは、中国人患者において心筋梗塞リスクが増加する傾向が観察された。一方、日本人患者では同様の傾向は見られなかった。
両群間で全死亡率や重大出血リスクには有意な差はなかった。
低用量抗血小板薬は、特に出血リスクを抑える点で優れている。一方で、一部の薬剤(特に低用量クロピドグレル)では心筋梗塞リスクが増加する可能性があるため、注意が必要だ。患者の遺伝的背景や身体状況に応じた薬剤選択が重要である、
というおはなし。
感想:
日本人はただちに飲む用量を半分にしてもらえ、ってこと。
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