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脳卒中体験者にとって、回復と再発を防ぐための施策は不可欠である。その中でも食事パターンは重要な要素とされ、特にクルミは注目される食材である。
クルミに含まれるオメガ3脂肪酸や抗炎症成分は、高血圧や脂質バランスの改善に寄与するというエビデンスがある。
そこで、クルミが脳卒中を含む心血管病にどのような影響を与えるかを総括的にまとめてみたそうな。
過去の研究を総合的に検討し、クルミの効能を明らかにすることを目的とした。ScopusやPubMedを含む複数のデータベースから、クルミが心血管病に与える影響に関するエビデンスを集めた。観察研究や動物実験を含む48本の論文が検討の対象となった。
次のことがわかった。
・クルミに含まれるオメガ3脂肪酸、抗炎症成分、ポリフェノールなどの成分は、以下のような効果を持つことが分かった。
・高血圧の改善: 血圧を約2~3mmHg低下させ、脳卒中リスクを10~15%減少する可能性が示唆されている。
・脂質プロファイルの改善: LDLコレステロールを約9~16%低下、HDLコレステロールを5~10%増加させる効果が報告されている。
・炎症抑制作用: ポリフェノールが炎症マーカー(CRP、IL-6)を15~25%低下させ、血栓形成のリスクを減少させる。
・酸化ストレスの軽減: 抗酸化成分が酸化ストレスを抑え、血管の健康を維持する。
クルミは、脳卒中を含む心血管病に対して有益な影響を与える可能性が示されている。ただし、研究で示唆されたベネフィットを絶対的なものとして受け止めるのではなく、さらなる研究が必要である。特に探索されるべきは、クルミ摂取量の最適化や、他の健康的な食事・生活スタイルとの相乗効果である。現時点では、1日30~50gのクルミを日々の食事に取り入れることが推奨されている、
というおはなし。
感想:
クルミは高級食材なイメージで、手頃なのは中国産ばかりだからめったに食べない。