脳卒中リハビリ革命？幹細胞治療の現在地と未来の展望

元

Clinical state and future directions of stem cell therapy in stroke rehabilitation

2024　　12月　　アメリカ

脳卒中は世界中で成人の障害と死亡の主要な原因である。急性期（発症直後）の治療法として、血栓溶解療法（tPA: tissue Plasminogen Activator）や血栓回収療法（thrombectomy）が存在するが、これらの治療を受けられるのは一部の患者のみである。

そのため、脳卒中から回復を目指す患者にとって、新たな治療法の開発が急務である。

幹細胞治療は、脳の損傷を修復し、機能を回復させる可能性を持つ先端医療技術であり、近年、多くの臨床試験が実施されているので現状をくわしくしらべてみたそうな。

次のことがわかった。

・使用される細胞の種類と供給源

　幹細胞には多くの種類があるが、特に患者自身から採取した骨髄由来単核細胞（BMMNCs: Bone Marrow-Derived Mononuclear Cells）が最も多く使用されている。他にも、骨髄間質細胞（BMSCs: Bone Marrow Stromal Cells）が注目されている。

・治療のタイミングと投与方法

　治療は急性期（発症直後）、亜急性期（数週間以内）、慢性期（数か月以降）に分けられる。急性期や亜急性期では静脈投与（IV: Intravenous）が一般的であり、慢性期では脊髄注射（IT: Intrathecal）や脳内カテーテル投与（IC: Intracerebral）が用いられる。

・臨床試験の安全性と課題

　初期の臨床試験（フェーズIおよびII）では安全性と耐容性の高さが確認されているが、効果を裏付ける大規模なデータは不足している。これを補うために現在も無作為化二重盲検試験が進行中である。

・幹細胞治療には以下の課題が残されている：

細胞の種類と供給源：患者自身の細胞（自家細胞）か他人から提供された細胞（他家細胞）を使用するかの選択。

最適な投与タイミングと方法：急性期・亜急性期・慢性期における効果の違い。

試験デザインの改善：偏りを最小化した無作為化試験の実施。

幹細胞治療は、脳卒中後のリハビリにおいて将来性のある治療法であり、特に安全性が確認されている点が重要である。ただし、臨床効果を確立するためにはさらなる研究が必要である。現在進行中の大規模試験の成果により、幹細胞治療が標準治療として広がることが期待される、

というおはなし。

うごくよ

感想：

医師国家試験正答率98％の人工知能AIにきいてみた。

ワタシ『まだ効果が確認されていないのに、近所のクリニックでは慢性期脳卒中患者への再生医療をうたっています。信用しないほうがいいですね。』

AI『その通りだ。現在のところ、幹細胞療法は一部の臨床試験で安全性が確認されているものの、慢性期脳卒中患者に対する効果は科学的に十分な証拠がない。そのため、「治療効果が保証される」などの断定的な表現を用いているクリニックや再生医療サービスは慎重に判断したほうがよい。

再生医療は高額な治療であることが多く、患者や家族の期待につけ込む悪質なケースもある。日本国内では、再生医療を提供するには法律（再生医療等安全性確保法）に基づいた厳しい手続きが必要である。特定のクリニックがこれを守っているかを確認することが重要だ。

また、信頼できる医師や医療機関と相談し、治療の根拠やリスク、期待できる効果について納得した上で選択することを勧める。特に慢性期の脳卒中患者における治療では、リハビリテーションや生活習慣の改善が科学的に効果が確認されているアプローチであるため、これらに注力することが現時点での最善策といえる。』