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脳卒中を経験すると、身体的なリハビリだけでなく、感情面での調整が大きな課題となる。
特に、感情がコントロールできなくなることで家族や周囲の人々との摩擦や負担が増え、孤立感や疎外感を抱えることが少なくない。
感情調整の困難は、患者本人だけでなく家族の精神的負担を増大させる深刻な問題である。このような状況は、生活の質を低下させ、リハビリの妨げになる場合もある。幸い、感情調整のための具体的な対策を知り、日常生活に取り入れることで、こうした問題を軽減し、より良い生活を取り戻すことが可能である。
感情調整のためには、自己認識と日常的な実践が重要である。以下は、脳卒中後の感情調整に有効とされる具体的な戦略である。
強い感情を感じたときは、ゆっくりと口から息を吐き、鼻から自然に息を吸う深呼吸を繰り返す。これにより心拍数が落ち着き、感情の暴発を防ぎやすくなる。
体の各部位を順に緊張させてから力を抜くボディスキャンを行う。これにより、体の緊張が和らぎ、心もリラックスできる。
日記を書く、家族や友人に話すなど、自分の感情を表現する機会を持つ。特に「私は○○と感じる」といった「I」メッセージを用いることで、相手に自分の気持ちを伝えやすくなる。
散歩、ヨガ、ダンスなど、身体的な活動は感情を安定させる効果がある。無理のない範囲で体を動かすことが推奨される。
絵を描いたり音楽を演奏したりすることが感情の発散に役立つ。新しい趣味を見つけることで生活の楽しみが増える。
認知行動療法や薬物療法など、心理的支援を受けることも有効である。専門家の助けを得ることで、より具体的かつ効果的な感情調整が可能となる。
脳卒中後の感情調整の困難は、患者本人の生活の質を下げるだけでなく、家族や周囲の人々との関係にも深刻な影響を及ぼす。しかし、呼吸法や筋肉リラクゼーション、感情の記録、運動、創造的活動、専門家の支援といった具体的な戦略を実践することで、この問題を乗り越える道が開かれる。感情調整の取り組みは、リハビリの進行を助け、家庭や社会での良好な関係を築くための重要なステップである、
というおはなし。
感想:
感情の不安定さは自分ではよくわからないもの。
だから脳卒中なかまに反面教師をみつけては我が身を顧みるようにしている。
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