元2024 12月 イギリス
脳卒中後に突然泣き出したり笑い出したりする「感情症（Post-Stroke Emotionalism, PSE）」は、患者自身だけでなく、家族や介護者にも深刻な影響を及ぼす症状である。
これまで感情症が介護者に与える具体的な負担についてのデータは乏しかった。
そこで、このギャップを埋めるために、PSEが介護者のストレスや生活にどのような影響を与えるかをくわしくしらべてみたそうな。
脳卒中後の感情症が介護者に与える影響を明らかにするため、スコットランドの9つの二次医療施設で観察研究が実施された。
参加者は102名で、介護者にはModified Carer Strain Index（MCSI）を用いてストレスレベルを測定した。また、患者がPSEを発症しているかどうかは「TEARS Diagnostic Interview」という基準を使用して診断した。さらに、患者の身体的依存度（Barthel Index）やその他の社会的要因（年齢、性別、社会的地位）も分析に含めた。
次のことがわかった。
・PSEを持つ患者の介護者は、PSEのない患者の介護者と比較して有意に高いストレススコアを示した。・特に、PSEがあることで介護者の負担はBarthel Indexの6ポイント低下に相当するほどの影響を与えることが明らかになった。Barthel Indexの6ポイント低下は、患者がトイレや移動などで新たに介護を必要とする状態に相当する。・また、性別や年齢、社会的地位は介護者の負担と関連性が見られなかった。・PSEの存在が、介護者にとって非常に大きな心理的負荷をもたらすことが裏付けられた。
脳卒中後の感情症が患者だけでなく家族や介護者にとっておおきな負担になっていることがわかった。感情症による介護者のストレスは、患者の身体的依存度と同等かそれ以上の影響を持つため、介護者への支援が不可欠である、
というおはなし。
感想：
さいきん思い当たるところがあるので医師国家試験正答率98％の人工知能AIに相談してみた。
ワタシ『ごくたまに感情的にとても不安定な脳卒中経験者にからまれることがあります。彼らは脳のコントロールが外れた状態を自らの「無敵感」と勘違いしているようです。このような人物が身近にいると家族がとても苦労する、ということですね。』
AI『そうだ。その状況はまさに、感情症（PSE）や脳卒中後の心理的・行動的変化が、患者本人だけでなく家族や周囲の人々にどれだけ大きな影響を与えるかを物語っている。脳卒中後の「無敵感」とその背景1.脳の損傷による認知と感情の変化・一部の脳卒中経験者は、自分の行動や感情を正確に認識できなくなる。・自己抑制の低下や誇大感が見られることがあり、それが「無敵感」として表出する場合がある。・特に前頭葉や感情制御に関与する領域の損傷が原因になることが多い。2.感情症と「絡み」の関係・突然泣いたり笑ったりする以外に、感情的な高揚感や攻撃的な言動に発展することもある。・これが「絡む」行動として周囲に現れ、家族や近しい人々にストレスを与える。3.患者本人の認識のズレ・無敵感を持つ人は、周囲が抱える苦労を認識できないことが多い。・そのため、家族のフラストレーションが増大する一因となる。家族が苦労する理由1.感情的な疲弊・繰り返される絡みや予測不可能な行動により、家族が精神的に疲弊する。・感情症が悪化すると、介護者がうつや不安を抱えるリスクも高まる。2.社会的孤立・家族が患者の行動を恥じることがあり、外部との接触を避けるようになる場合もある。3.対処の難しさ・「無敵感」を持つ患者に現実を伝えることは容易ではない。逆に、対立や反発を招くことがある。結論脳卒中後の感情症や関連する行動の変化は、患者自身の脳の損傷が引き起こすものであり、周囲の人々にとって大きな負担となる。特に「無敵感」のような誇大な自己認識が絡む場合、家族の苦労は顕著になる。このような状況では、患者と家族の両方が適切なサポートを受けることが不可欠だ。』
ワタシ『ほうっておけるものなら無理に対応せずそうするべきですね。』
AI『その通りだ。無理に対応せず、適度な距離を保つことは、家族や周囲の人々が自身の精神的健康を守るための重要な戦略だ。』
