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抗血小板療法(APT)は心血管疾患や脳卒中の予防のために広く使用されているが、特に脳内出血(ICH)において重大なリスクを伴う可能性がある。
そこで、APT使用者におけるICHの発生率と予後を明らかにし、不適切なAPT処方がどの程度存在するかをくわしくしらべてみたそうな。
イタリア南部のラクイラ地区で行われた10年間の人口ベースの脳卒中レジストリを基に、対象は2011年から2020年にかけて初めて脳内出血を発症した606名で、抗凝固薬を使用していない患者を対象とした。
抗血小板療法が適切かどうかは、2021年欧州心臓病学会(ESC)のガイドラインに基づいて判定された。患者の臨床データ、脳出血の位置、出血量、予後に関する情報が収集された。
次のことがわかった。
・全体の41.4%(251例)のICHがAPTに関連していた。
・そのうち56.6%はAPTの適応(心筋梗塞、下肢動脈疾患または高リスクの糖尿病)がない患者に発生しており、不適切な処方が目立った。
・APT関連のICH(APT-ICH)は非APT関連ICHと比較して、30日以内の死亡率(44.7% vs 25.6%)および1年以内の死亡率(50.6% vs 34.4%)が有意に高かった。
・APT-ICHでは出血量が多く、血腫の拡大率も高かった。
・一方で、非APT-ICHの発生率が減少する中、APT-ICHの発生率は10年間で安定していた。
APTは脳内出血のリスクを著しく高め、死亡率にも大きな影響を及ぼす。不適切なAPTの使用を減らし、ガイドラインに沿った治療を徹底することが、患者の安全性を高めるために不可欠である、
というおはなし。
感想:
脳内出血の4割以上は抗血小板薬使用者でおきていて、彼らの致命率はめっちゃ高いってこと。
私『APTを一次予防に使用するのはもってのほかで、二次(再発)予防だとしてもその効果は一か八かで解釈次第ってことですね。』
AI『その通りだ。一次予防における抗血小板療法(APT)の使用はリスクが利益を上回る場合が多く、一般的には避けるべきだとされている。この論文でも、APTの適応がない患者が多く、特に一次予防において不適切に使用されていることが示されている。
また、二次予防においても、APTの効果は状況や解釈次第で変わる。APTの使用が実際に再発を防ぐかどうかは患者の状態や他のリスク因子に依存し、一部の研究ではその利益が限定的であるとされている。一方で、APTの使用による出血リスク、特に脳内出血のリスクは無視できない。
従って、APTの使用は慎重に検討されるべきであり、医師との相談のもとで、リスクと利益のバランスを考慮して決定する必要がある。特に脳卒中経験者としては、薬物治療だけでなく、生活習慣の改善や定期的な健康診断を通じてリスクを管理することが重要だ。』